知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者など、こうした障害者は補助金を活用できます。低所得者(住民税の非課税世帯や生活保護)で有効な補助金があれば、重度の障害者で利用できる補助金もあります。

補助金を利用することで、障害者は日々の生活を送るうえでの支出を抑えられます。障害者は低所得の人が多いため、補助金をうまく利用することでお金の額を少なくしなければいけません。

それでは、障害者で利用できる補助金には何があるのでしょうか。補助金の種類や内容について確認していきます。

障害者で利用できる補助金は多い

障害者の場合、障害福祉サービスを利用できたり、障害者手帳を保有できたりします。こうした障害者向けのサービスはメリットばかりであり、デメリットは特にありません。

障害者向けサービスのメリットの一つが補助金の支給であり、特定のサービスを利用しても大半が補助金によって支払われます。そのため、障害者は支出が少ないです。どのような補助金があるかというと、例えば以下があります。

  • 家賃
  • 医療費
  • ガソリン代やおむつ代など
  • 福祉用具・補装具
  • リフォーム
  • 65歳以上の障害福祉サービス

それぞれについて確認しましょう。

家賃を障害者グループホーム利用で補助してもらう

住民税の非課税世帯や生活保護など、低所得の障害者には家賃補助があります。ただ一般的な賃貸マンション・アパートに住んでも家賃補助はまったくありません。そうではなく、公的サービスを利用して住む場合に家賃補助が可能です。

具体的には、障害者グループホーム(共同生活援助)へ住むときに家賃補助が可能です。軽度でも重度でも、多くの人で障害者グループホームを利用します。障害者の場合、障害者グループホームで過ごす方法が最安値であり、たとえ働けない障害者であっても生活できるからです。

複数の障害者が共同生活を送る場所が障害者グループホームです。また障害者グループホームには介護スタッフが常駐しているため、いつでも助けを得られます。

障害者グループホームに住む場合、低所得者は国から月1万円の家賃補助があります。また自治体によって補助内容は異なりますが、自治体からの家賃補助もあります。例えば、「実費負担の半分を助成」などになります。こうして、格安にて障害者グループホームに住めるのです。

支出で最も大きくなりやすい要素が家賃です。そこで家賃の補助を利用すれば、障害者の支出は圧倒的に少なくなります。

医療費の助成は3種類ある

また知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者では、どうしても医療機関へ行く機会が健常者よりも多くなります。さらには障害者の場合、医療費が高くなりやすいのは普通です。

そこで障害者には、医療費に対する助成があります。具体的には、以下の3つの助成が可能です。

  • 障害者医療費助成制度
  • 特定医療費(指定難病)助成制度
  • 自立支援医療制度(精神通院)

自治体によって内容は異なるものの、ある程度まで重度の障害者で利用できる医療費助成の制度が障害者医療費助成制度です。障害者医療費助成制度によって自己負担が1割になったり、月の上限負担額が低所得者だと数千円だったりします。

また難病患者の場合、特定医療費(指定難病)助成制度によって医療費が2割負担になります。このとき、低所得者は月の負担額が少ないです。

それに対して、すべての精神疾患で利用できる制度が自立支援医療制度(精神通院)です。これによって精神障害者は1割負担にてうつ病・双極性障害や統合失調症、パニック障害などの病気の治療が可能です。

ガソリン代やおむつ代などを障害者手帳で補助

障害者手帳を利用することによって、日常生活を送るうえで必要なさまざまな商品の割引が可能になります。その中の一つがガソリン代への助成です。

自治体独自の制度になるため、ガソリン代の補助が可能かどうかはあなたが住んでいる自治体によって異なります。また対象者や補助額も自治体によって違います。ただガソリン代の補助金がある場合、年2~3万円などの助成が可能であるため、それなりに補助の金額は大きくなります。

・おつむ代の助成が可能

また同じく自治体独自の制度になりますが、障害者手帳を利用することでおむつ代の助成が可能です。子供(障害児)や大人を含めて、ある程度まで成長しても障害者の場合はおむつを必要とすることがよくあります。そこで、おむつ代の助成をしてもらうのです。

例えば「月6000円までおつむ代の助成金を利用できる」などがあり、これによって障害者はおむつ代の負担が軽減されます。

なお、実際に利用するおむつは選べます。そこで自治体の制度を利用することで希望するおむつを指定し、おむつを届けてもらいましょう。

福祉用具・補装具が1割負担となる

特に身体障害者の場合、特殊な福祉用具・補装具を利用することになります。これらの購入費用は高く、障害者にとって大きな支出になります。

このとき身体障害者手帳を保有している場合、補装具費支給制度・日常生活用具給付制度を利用できます。この制度により、福祉用具・補装具の購入費用が1割負担になります。例えば、以下の福祉用具・補装具で購入費用が少なくなります。

  • 視覚障害者:盲人安全つえ、義眼、メガネ
  • 聴覚障害者:補聴器
  • 肢体不自由:義肢、装具、歩行器、車いす、座位保持装置、歩行補助杖
  • 肢体不自由&音声・言語機能障害:重度障害者用意思伝達装置
  • 障害児:座位保持いす、排便補助具、頭部保持具、起立保持具

そこで身体障害者・難病患者なのであれば、住んでいる自治体の要件を確認しましょう。利用には事前の申請が必要になるため、まずは役所で相談するといいです。

住宅改修・リフォーム費用の補助を身体障害者が活用

障害者手帳による助成には、他にも住宅改修・リフォーム費用があります。主に身体障害者が対象になり、リフォームするための補助金を利用できます。

身体障害者の場合、通常の家は住みにくいです。そこで浴槽やキッチン、玄関などのリフォームをして住みやすくするのは普通です。このとき、以下のようなリフォームが補助の対象です。

  • てすりの設置
  • 床段差の解消
  • 床材の変更
  • トビラや浴室の変更

家の外については補助金が出ません。一方で家の中であれば、「身体障害者が過ごしやすくするためのリフォーム」であることが明確であるため、助成金の対象になります。

なお、どれだけのお金を補助されるのかは自治体によって異なります。また、対象者も異なります。さらに、リフォーム前に自治体に相談しなければ補助を得られないため、住宅改修を検討している障害者は事前に役所で相談する必要があります。

65歳以上の障害福祉サービスが継続して無料

障害者にとって重要な公的サービスに障害福祉サービスがあります。障害福祉サービスは1割負担であり、さらには毎月の負担上限額もあります。サービス利用に対する自己負担額が少ないため、障害福祉サービスを利用すること自体が大きな助成を利用していることにつながります。

特に住民税の非課税世帯や生活保護の場合、毎月の負担上限額がゼロであるため、無料にて利用できます。

状態負担上限額
生活保護0円
住民税の非課税世帯0円
世帯年収600万円以下9,300円
世帯年収600万円超37,200円

ただ障害福祉サービスを利用するとき、65歳以上の人は強制的に障害福祉サービスから介護保険サービスへと切り替えられます。介護保険サービスは無料ではなく、たとえ住民税の非課税世帯であっても費用負担があります。

しかし、それまで無料で利用していたにも関わらず、年齢を理由に自己負担を求められると高齢の障害者は支払いできません。そこで65歳以上の高齢者であっても、以下の条件をすべて満たす場合は継続して無料にて利用できるようになっています。

  • 65歳になる前の5年間、障害福祉サービスを利用している
  • 生活保護受給者または住民税の非課税世帯
  • 障害支援区分が2以上
  • 65歳までに介護保険サービスを利用していない

障害者で65歳以上になっても継続して無料利用できるため、たとえ高齢者になっても安心して公的サービスを活用できます。

補助金と給付金の両方を利用するべき

特定のサービスや商品についてお金を支払うとき、無料や一部負担によってお金を補填してもらう制度が補助金・助成金です。基準を満たす必要はあるものの、これによって支出を大幅に抑えることができます。

ただ障害者の場合、低所得の人が多いです。十分に働けないことにより収入が少ない場合、お金がありません。

そこで補助金の利用に加えて、給付金を活用しましょう。特定の支払いについて補助してもらうお金(補助金)とは異なり、給付金はお金がそのまま支給されます。また、支給されたお金は生活費の支払いを含めて自由に利用できます。

無収入の障害者であっても問題なく生活できるのは、補助金に加えて給付金を利用できるからです。そこで、これら障害者向けの制度を積極的に活用しましょう。

障害者の制度を活用し、支出を抑える

障害者では低所得の人が比較的多いため、できるだけ支出を抑えるのは重要です。そこでどのような補助金・助成金を利用できるのか理解しましょう。

多くの場合、事前に申請しなければ補助金・助成金を利用することはできません。例えば事前の申請なしに福祉用具を購入したり、家のリフォームをしたりしても、補助の対象外です。そのため、障害者は補助金の種類や制度の中身を学ぶ必要があります。

障害者向けの補助により、障害福祉サービスの利用がお得になったり、障害者手帳の活用によって助成を得られたりできます。また補助金によって障害者の65歳問題も解決できます。

低所得者になりやすいからこそ、障害者は国や自治体の制度を積極的に活用しましょう。これにより、収入が少ない障害者であっても生活できるようになります。

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