障害者であっても大学に進学するのは普通です。例えば発達障害や身体障害をもつ大学生・専門学生はたくさんいます。場合によっては、在学中にうつ病や統合失調症などの精神疾患を発症するケースがあるかもしれません。

大学生が一人暮らしをするとき、普通は賃貸マンション・アパートを利用します。ただ障害者なのであれば、公的サービスの利用を検討してもいいです。

それでは、障害をもつ大学生が一人暮らしをするとき、どのように考えて行えばいいのでしょうか。大学生・専門学生の障害者が一人暮らしをするときの考え方を解説していきます。

親の支援があるなら賃貸に住める

多くの大学生が考える一人暮らしの方法は賃貸マンション・アパートに住むやり方です。収入のない大学生であっても、親からの支援がある場合は賃貸マンション・アパートに住むことが可能です。

反対に親からの支援がない場合、賃貸マンション・アパートに住むのは金銭的な理由から現実的ではありません。健常者であれば積極的にアルバイトをすることで生活費を稼げるかもしれませんが、障害者ではなかなか難しいからです。たとえ奨学金を利用しても生活が厳しいのは同じです。

そこで障害をもつ大学生の一人暮らしでは、まずは「親からの支援があるかどうか」で判断しましょう。親から高額な支援がある場合、障害者であっても賃貸物件に住めます。

生活面に不安がある場合、賃貸は向かない

なお身体障害者や精神障害者(発達障害を含む)については、生活面に不安がある場合、たとえ親から金銭的な支援を得ることができても、賃貸マンション・アパートでの一人暮らしは向きません。

例えば発達障害で大学生・専門学生が一人暮らしをする場合、以下のような乱れた生活に陥るのは普通です。

  • 栄養バランスが偏り、例えば食事がスナックだけになる
  • ゲームやネットに夢中になり、昼夜逆転する
  • ガスのつけっぱなし、水の出しっぱなしが起こる
  • 片付けができず、汚部屋にしてしまう

このように、一人暮らしに適さない障害者は多いです。このような障害者の場合、たとえ親から支援を得られる大学生・専門学生であっても、賃貸マンション・アパートに住むのは適切ではないかもしれません。

なお障害者であれば、たとえ軽度の障害であってもホームヘルプを依頼できます。大学生の身体障害者や精神障害者がホームヘルプを依頼し、食事作りや片付けなどの家事援助を頼むのは優れます。

ただホームヘルプは1回1.5時間であり、毎日の利用はできません。またヘルパーが障害者の金銭管理やスケジュール管理をしてくれるわけではないため、そうした管理ができない場合、どうしても規則正しい生活とはなりません。

お金の余裕がないなら障害者グループホーム

そこで「親から大きな支援がなく、お金がない」「自分一人では規則正しい生活を送れない」という場合、障害者グループホーム(共同生活援助)を活用するといいです。大学生・専門学生であっても障害者グループホームを利用できます。

大学生の場合、ほとんどの人が住民税の非課税世帯だと思います。この場合は障害者グループホームのサービス料が無料であり、家賃の大半は国と自治体から補助がでます。こうして、家賃は月1万円台にて住めます。

親の扶養に入っているかどうかは、大学生本人の住民税に対して関係がありません。そこで親とは離れ、別世帯として暮らしているのであれば、住民税の非課税世帯として障害者グループホームを利用するときに補助を得られます。

なお、複数の障害者がシェアハウス形式で共同生活を送る場所が障害者グループホームです。健常者であっても、お金のない人がシェアハウスを利用するのは普通です。そのため、シェアハウスで生活するのは何も問題ないはずです。

このとき一般的なシェアハウスとは異なり、障害者グループホームには介護スタッフがいます。スタッフによって金銭管理が行われ、さらには食事や睡眠の時間も決まっているため、規則正しい生活を送れます。

また障害者グループホームによって内容は異なりますが、一般的には栄養バランスの整った食事が提供されます。

そのため身体障害者で日々の買い物が難しかったり、発達障害で偏食になりがちであったりしても問題ありません。

ルールがあり、門限を守るのは必須

なお家賃がほとんどなく、格安にて生活でき、さらには介護スタッフによる援助のもとで規則正しい生活を送れる障害者グループホームではあるものの、デメリットもあります。それは、障害者グループホームのルールを守らなければいけないことです。

すべての障害者グループホームで門限があります。門限は障害者グループホームによって異なりますが、例えば「22:00までに帰宅しなければいけない」などになります。

そのため、学生で飲み会に参加するにしても、通常は一次会で帰る必要があります。大学生が学生寮を利用するときについても、門限を守る必要があるのと同じように、障害者グループホームでルールを守るのは必須です。

ルールを守れない場合、障害者グループホームから追い出されます。要は、強制退去になります。お金のない大学生であっても利用できる障害者グループホームではあるものの、学生寮の場合と同様に集団生活を送るうえでのルールを守らなければいけません。

金銭面の問題を解決する

なお実際に大学生・専門学生が一人暮らしをするには、金銭面の問題を解決しなければいけません。賃貸マンション・アパートに住む場合、家賃に加えて食費や水道光熱費など、非常に費用がかかります。

また障害者グループホームで格安に住むにしても、食費や水道光熱費、その他の雑費で月6~7万円ほどが必要になります。こうしたお金を支払うための収入が必要です。このとき、親からの仕送り以外に障害者が利用できるお金を得る方法としては以下があります。

  • 障害者への給付金・補助金を得る
  • アルバイトをする

それぞれについて確認しましょう。

障害年金の受給は非常に重要

すべての障害者にとって重要な給付金が障害年金です(20歳未満の学生では、特別児童扶養手当などその他の給付金を活用する)。身体障害者の場合、障害の程度がわかりやすいため、給付基準に当てはまっていれば障害年金を得られます。

一方でうつ病や双極性障害、統合失調症、発達障害などの精神疾患では、十分に働けない障害者で利用できる制度が障害年金です。学生が一般企業で働くことはないものの、「仮に企業就職を目指すとして、フルタイム勤務が難しい障害の程度」であれば障害年金の対象です。

非常に軽度の身体障害者や精神障害者の場合、障害年金の対象ではありません。ただ障害によって日常生活に支障がある場合、障害年金を利用できます。

まったく働けない障害者であっても、障害年金を利用すれば障害者グループホームでの生活費を問題なく支払えるため、無駄な出費を抑えれば、学生であっても生活費の心配は不要になります。

心身障害者福祉手当を得る

また障害年金以外にも給付金を得ましょう。例えば、障害者であれば心身障害者福祉手当を利用できます。自治体の制度であり、対象の学生が住んでいる市区町村によって内容は異なります。このとき、一般的には以下の障害者手帳を保有している人で利用できます。

  • 身体障害者手帳1~3級を所持
  • 療育手帳を所持
  • 精神障害者保健福祉手帳1~2級を所持

前述の通り、市区町村によって基準は異なります。そのため、上記よりも緩い基準で給付金を受け取れることがあれば、障害者手帳を保有していても対象外になることもあります。

なお、心身障害者福祉手当の支給額は月2,500~5,000円です。そのため対象学生の場合、こうしたお金を生活費として活用するといいです。

軽度の障害者はアルバイトで稼ぐ

ただ、すべての障害者で給付金の対象者というわけではありません。大学への学費支払いは奨学金で何とかし、障害者グループホームで格安生活をするにしても、軽度であるために障害年金を得られない場合、その他の方法で生活費を稼ぐ必要があります。

この場合、一般的な大学生・専門学生が行うのと同じようにアルバイトをするといいです。賃貸マンション・アパートに住む学生は当然として、障害者グループホームについても門限を守ればアルバイトが可能です。

もちろん障害者なので、どのようなアルバイトが適切なのかは確認する必要があります。例えば脚に問題のある身体障害者の場合、立ち仕事は無理です。また発達障害の場合、電話対応や接客は基本的に向いていません。

そこで自分の障害の特性を理解したうえで、どのようなアルバイトが可能なのか検討する必要があります。

・福祉作業所よりは普通のアルバイトがいい

なお障害者の場合、障害継続支援B型などの福祉作業所を利用することもできます。ただ福祉作業所は時給200~300円など非常に低いです。そこで大学へ通えるほどの障害の程度なのであれば、工場での単純作業でも問題ないので、一般的なアルバイトを探すほうが金銭面ではいいです。

工場で単純作業を行う場合であっても、最低賃金以上の時給になります。そのため問題なく外出できる学生の場合、福祉作業所ではなく通常のアルバイトで稼ぐといいです。

大学生の障害者で一人暮らしを行う

障害者だけでなく、健常者であってもほとんどの大学生・専門学生はお金がありません。そこで、障害のある大学生は可能な限り安く生活する必要があります。

親からの支援がある場合、賃貸マンション・アパートに住むのは問題ありません。ただこの場合であっても、生活面に不安がある場合は一人暮らしが向きません。金銭管理や生活管理ができない場合、生活が破綻するからです。

そのため親からの高額な仕送りがなかったり、誰か他の人による助けなしの生活が困難であったりする場合、障害者グループホームにて格安で住むといいです。門限などのルールを守る必要はあるものの、学生にとって最安値で生活可能です。

それに加えて、給付金やアルバイトを利用することで生活費を得る必要があります。障害者ならではの給付金制度をうまく活用して、大学・専門学校を卒業できるようになりましょう。

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家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

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