健常者の子供を育てる場合に比べて、障害者の子育てはより大きな労力が必要になります。ただこのとき、障害者の親について、場合によっては「子離れできない問題」があります。

通常よりも労力が必要になるからこそ、親は子供から離れられなくなります。実際には健常者と同様に、成人になれば障害者も可能な限り一人で生きていくほうが望ましいです。たとえ障害が重度であっても何も問題なく生活できる仕組みが障害者にあるからです。

実際のところ、子離れできない親は過保護によって子供(障害者)を不幸にします。自立する機会を奪い、子供が成長しなくなるからです。

それでは、どのように親は障害者の子供から離れればいいのでしょうか。障害者について、親の子離れについて解説していきます。

子離れできない親はそれなりに多い

障害児を育てることの社会問題の一つに「親の子離れ問題」があります。18歳未満の障害児であれば何も問題ないですが、成人になった後もずっと親が面倒を見続けるのです。

実際のところ、軽度でも重度でも成人の障害者は親無しで何も問題なく過ごせます。日本には障害者向けの公的制度が整っているからです。例えば障害者施設であれば格安にて障害者は住むことができ、規則正しい生活を送れるようになります。

障害者ではあっても、障害者は親よりも長く生きるのが普通です。そのため、本来は可能な限り早く障害者施設で過ごすようにしなければいけません。

親の過保護で障害者は不幸になる

実際のところ、親が過保護に障害者を家で過ごさせることによって、結果的に障害者は不幸になります。前述の通り、ほとんどのケースで親のほうが先に死ぬからです。

障害者は健常者に比べて、自らの力で考える力がどうしても弱いです。このとき親が死ぬと、障害者の面倒を見てくれる人がいなくなり、結果として障害者は不幸になるのです。

若いときから障害者施設でトレーニングを受けている障害者の場合、たとえ重度であっても「トイレへ行く」「お風呂に入る」「洗濯をする」など、日常生活動作を行えるようになります。障害者施設で過ごす場合、以下のように自分の部屋で洗濯物を干すなど、基本的には自分で行えるように指導されます。

ただ親と一緒に住む場合、障害者はこれらのトレーニングを受けていません。そのため親が過保護に育てた場合、他の障害者に比べて「何もできない状態」となります。

ずっと実家にて障害者を過ごさせるのは問題ありません。ただ他の障害者に比べると、行えることは少なくなります。

また親の死後、障害者が高齢になって障害者施設で過ごす場合、なかなか新しい生活環境に適応しにくいです。若いときから障害者グループホームなどの施設で過ごすならいいですが、高齢から新たな環境に慣れるのは難しくなりがちです。これが、親の過保護で障害者が不幸になる理由です。

心理的依存または経済的依存がある

なぜ障害者の親で子離れ問題を生じるかというと、親が子供に対して依存している部分が大きいからです。最も大きいのは心理的依存です。

日々の介護は親がしているものの、実際には親が子供に対して心理的に依存しているケースは多いです。「私がいないと、この子は生きていけない」と考えているものの、実際には「子供と一緒に過ごす時間が長すぎるため、子供がいないと親がさびしくなってしまう」というわけです。

心理的依存は親の問題であるため、解決は難しいかもしれません。ただ障害を持つ子供と過ごす時間が長くなるほど心理的依存が強くなるため、可能な限り早く子供と離れて生活する暮らしに慣れる方がいいです。

・貧困世帯は経済的依存もある

なお貧困世帯の場合、障害者に対して経済的に依存しているケースもあります。十分に働けないほどの障害がある場合、障害年金の対象になります。それなりに高額なお金が入ってくるようになり、さらに障害年金は非課税です。

そのため親が成人になっても障害者の面倒を見ているとはいっても、親が子供の障害年金を当てにして生活しているケースもあります。

ただ実際のところ、子離れした後に親世帯と子供(障害者)でそれぞれ生活保護を利用すれば問題なく生きていけます。また、生活保護を活用するほうが得られるお金の額は大きいです。そのため、貧困世帯による経済的依存は簡単に解決できます。

ショートステイからでもいいので開始するべき

親の子供に対する心理的依存から抜け出すのは簡単ではありません。そこで、まずは短期入所(ショートステイ)からでいいので、子供と離れて生活する環境に慣れましょう。

数日ほど、子供を障害者施設に預けられるサービスが短期入所です。そこで、まずは数日ほどショートステイを行うといいです。

ショートステイは障害福祉サービスの一つであり、サービス料は1割負担です。また費用は格安であり、ホテルに泊まるよりも圧倒的に低い金額になります。そのため、親が旅行などへ行くタイミングでもいいので活用するといいです。

子供(障害者)と常にいるのではなく、子供と一緒に過ごさない期間を敢えて作るといいです。また、ショートステイは子供(障害者)が障害者施設で過ごす体験にもなります。

障害者グループホームにて一人暮らしを行う

またショートステイなどを通じて「子供がいない環境」に親が慣れた場合、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用するといいです。複数の障害者が集団生活を送る場所が障害者グループホームです。

障害者グループホームであれば、ショートステイとは違って障害者はずっと同じ場所に住めるようになります。さらには、親族は障害者の介護を行う必要がありません。

子供(障害者)が障害者グループホームに住み、定着すれば基本的に親亡き後問題を解決できます。親亡き後であっても、障害者施設のスタッフがすべての面倒を見てくれるからです。また障害年金や生活保護を利用すれば、障害者は問題なく日々の生活費を支払えます。

スタッフの指導や日中活動にて、行えることを増やす

また障害者グループホーム(共同生活援助)で過ごす場合は介護スタッフが常駐しているため、規則正しい生活を送るようになり、日常生活での指導もあります。

日々の生活を送るうえで、食事や入浴、トイレ、買い物のなどを自分で行えることは重要です。また軽度でも重度でも、障害者は昼間に日中活動をします。このときは就労によって賃金を得たり、デイサービスに通ったりします。

こうして労働や他の人との交流を含めて、さまざまなトレーニングをすることになります。その結果、親と一緒に実家で過ごすよりも障害者は多くの事柄を自ら行えるようになります。もちろん、これらの動作や体験は障害者が高齢になったあとも役立ちます。

健常者であっても、家に引きこもっているニートは成長がありません。これは、当然ながら障害者も同様です。障害者施設で介護スタッフによる指導を受け、規則正しい生活を送り、昼間に日中活動するほうが障害者は成長していきます。そのため、子離れのタイミングは早いほどいいです。

親の子離れで障害者の成長を促す

健常者を含めて、ほとんどの子供は18歳まで親の元で過ごします。ただ成人になると、通常は親元を離れて生活します。これにより、親に依存せずに生きていく方法を自ら学びます。

一方で障害者では、自らの力で生きていくのは難しいです。ただ18歳以上になったらできるだけ早く親離れするべきなのは変わりません。障害者グループホームなどの施設で過ごし、スタッフの指導や日中活動を通じて、自ら行えることを増やすのです。

ただ親による心理的依存があると、時間が経過するほど子離れできなくなります。そこでショートステイを利用するなど、子供と過ごさない時間を敢えて作りましょう。そうして、最終的には障害者グループホームを利用して別々に生活するのです。

過保護の状態にするほど、子供(障害者)が不幸になることを理解しなければいけません。また、親の子離れは「親亡き後問題の解決」にもつながります。そこで、子供を不幸にしないためにも早めに親の子離れを考えるといいです。

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