身体障害者や難病患者の場合、福祉用具・補装具(杖、補聴器、車いすなど)を利用している人がたくさんいます。

こうした障害者では、福祉用具の購入で健常者よりも高額な支出が必要です。そこで補装具費支給制度や日常生活用具給付等事業として、身体障害者は福祉用具・補装具のレンタルや購入費用を補助してもらうことができます。1割負担になるため、大幅に費用は少なくなります。

なお、利用するためには事前の申請が必要であり、勝手に購入しても助成対象にはなりません。そのため、制度の利用方法を事前に知っておく必要があります。

それでは、どのように補装具費支給制度・日常生活用具給付等事業を利用すればいいのでしょうか。障害者で福祉用具・補装具の購入やレンタルを考えるとき、費用を補助してもらう方法を解説していきます。

身体障害者手帳を利用して福祉用具を利用する

肢体不自由や臓器に障害がある場合、身体障害者に該当します。そのため、難病患者も身体障害者となります。こうした身体障害者や難病患者の場合、身体障害者手帳を得ることができます。

身体障害者手帳を保有している人に対して、福祉用具・補装具の補助をする自治体の支援事業が補装具費支給制度日常生活用具給付等事業です。知的障害者や精神障害者であっても利用できるケースはあるものの、メインは身体障害者手帳を保有している人になります。

身体障害者であれば、義肢や盲人安全つえ、車いすなど健常者では絶対に必要ない物を購入することになります。そこで費用が多くなるため、自治体による補助を利用できるというわけです。

レンタルまたは購入によって補装具を利用する

このとき、レンタルまたは購入によって福祉用具・補装具を利用することになります。レンタルの場合、3~6か月など一時的な利用のみで利用することになります。例えば、リハビリの過程で数か月のみ必要なときにレンタルします。

一方で何年も利用する予定なのであれば、購入が基本です。福祉用具・補装具を購入することで、ずっと使い続けるのです。

補装具費支給制度・日常生活用具給付制度を利用すれば、費用が1割負担になります。例えば一般的な車いすであれば、自費だと2万円ほどで購入できます。

これが1割負担となるため、大幅に支出を抑えることができます。レンタルや購入をするとき、身体障害者手帳を利用することで補助してもらうとかなり助かります。ちなみに住民税の非課税世帯や生活保護の場合、1割負担ではなく、無料になることも多いです。

対象となる福祉用具・補装具の中身

それでは、どのような福祉用具・補装具が補助の対象になるのでしょうか。障害の種類によって異なりますが、例えば以下のようになります。

  • 視覚障害者:盲人安全つえ、義眼、メガネ
  • 聴覚障害者:補聴器
  • 肢体不自由:義肢、装具、歩行器、車いす、座位保持装置、歩行補助杖
  • 肢体不自由&音声・言語機能障害:重度障害者用意思伝達装置
  • 障害児:座位保持いす、排便補助具、頭部保持具、起立保持具

ただ、身体障害者は日常生活の中で困難な場面に陥りやすいです。そのため特殊便器や点字ディスプレイ、特殊ベッド、ネブライザー(吸入器)、ストーマ用装具など、日常生活用具についても補助の対象になります。

実施主体は自治体であり、住んでいる場所で要件が異なる

なお、補装具費支給制度や日常生活用具給付等事業で注意するべきは「自治体によって補助内容が異なる」ことです。前述の通り、福祉用具・補装具の補助をするのは自治体だからです。

自治体が行う必須事業として、国は補装具費支給制度・日常生活用具給付等事業を規定しています。そのためすべての自治体で利用できますが、自治体によって補助の対象が違うのです。自治体は対象となる福祉用具・補装具を決めることができ、多くが対象となる自治体があれば、対象品が限られる自治体もあります。

また補装具費支給制度・日常生活用具給付制度は主に身体障害者や難病患者がメインになるものの、知的障害者や精神障害者についても利用できる自治体があります。

あなたが住んでいる自治体について、補装具費支給制度・日常生活用具給付等事業がどのような内容になっているのか確認しましょう。その後、対象となる福祉用具・補装具のレンタルや購入をするといいです。

補装具費支給制度・日常生活用具給付制度は事前申請が必須

それでは、身体障害者手帳を保有していれば自由に福祉用具・補装具のレンタルや購入をすればいいのでしょうか。これについて、事前に申請する必要があります。つまり身体障害者手帳がない状態では利用できませんし、たとえ手帳があっても勝手に購入すると補助を受けられません。

国や自治体による補助というのは、やり方が決まっています。手順から少しでも逸脱すると助成対象とならないため、まずは役所の障害福祉課などで相談しましょう。

手続きに必要となる書類は自治体によって異なりますが、多くは以下になります。

  • 助成対象となる用具の見積書またはパンフレット
  • 身体障害者手帳(または療育手帳)
  • マイナンバーを確認できる書類

※用具の種類によっては医師の診断書が必要になる

また補助金を受けるため、補装具費支給制度・日常生活用具給付等事業に関する以下のような申請書を提出することになります。

先に対象となる福祉用具・補装具を購入するのではなく、事前に適切な手続きを完了したうえでレンタルや購入をしましょう。

福祉用具・補装具のレンタルや購入のための費用を助成してもらう

国が定めており、すべての自治体が実施している制度に補装具費支給制度・日常生活用具給付等事業があります。身体障害者と難病患者がメインになりますが、福祉用具・補装具をレンタルや購入するときの費用を助成してもらうことができます。

1割負担になるため費用は格安であり、住民税の非課税世帯や生活保護の場合は無料になることも多いです。ただ自治体によって助成内容や対象者が異なるため、事前に確認しましょう。

なお補装具費支給制度・日常生活用具給付制度を利用するとき、勝手に用具を購入しても補助してくれません。必ず役所で事前に申請する必要があるため、福祉用具・補装具を買う前に申請しましょう。

身体障害者にとって、福祉用具・補装具のレンタルや購入費用は高額になりやすいです。そこで、補装具費支給制度・日常生活用具給付等事業を利用することで1割負担に抑えましょう。

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