障害者手帳を利用することにより、さまざまな割引を得られます。そこで旅行へ行くとき、可能な限り障害者割引を利用することで費用を安く抑えましょう。

このとき交通費やレンタカー、ホテルなど、障害者手帳を利用できる場面があれば、利用できない場面もあります。そこで、どのようなときに障害者手帳(またはアプリ)による割引が有効なのか知っておくのは優れています。

また障害者手帳を利用すれば、場合によっては温泉代が安くなりますし、レジャー代・テーマパーク代の割引もあります。

多くの人が旅行します。そこで旅行のとき、どのような場面で障害者割引を利用できるのか解説していきます。

障害者手帳の利用によって安く旅行する

知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者は障害者手帳を保有できます。こうした人は障害者手帳によってさまざまな割引を利用でき、障害者手帳は旅行のときに活躍します。

なお旅行する場合、多くの人は以下の出費について割引が使えないか考えます

  • 交通費
  • ホテル代

そこで、旅行で重要なこれらの障害者割引を確認しましょう。

電車、新幹線、バス、タクシーでの割引

障害者手帳を保有することで交通費の割引が可能になるのは有名です。電車や新幹線、バス、タクシーで障害者割引を利用できるのです。

【電車・新幹線】

電車・新幹線の割引内容は障害の程度を表す第一種と第二種に分けられます。例えば以下では、障害者手帳に「第二種」と記されているとわかります。

重度の身体障害者・知的障害者の場合、第一種に該当します。このとき、本人と介護者(親など)について、以下のケースで運賃が半額になります。

乗車券内容
普通券大人用・小児用
回数券大人用・小児用
定期券大人用のみ
ICカード大人用・小児用

一方で第二種の場合、本人が単独で101キロ以上乗車するときに運賃が半額となり、それ以外の場面での割引は期待できません。そのため中度・軽度の身体障害者や知的障害者の場合、実質的に新幹線を利用するときのみ割引が有効です(精神障害者の割引はありません)。

【バス・タクシー】

また旅行でバスやタクシーを利用する機会も多いです。バス会社によって対応は異なりますが、一般的には普通運賃が50%引きになります。バスを降りるとき、料金の支払い時に障害者手帳を提示しましょう。なお高速バスなどの利用では、窓口で障害者手帳(またはアプリ)を提示します。

一方でタクシーについては、全国一律で1割引となります。バスとは異なり、乗車時に障害者手帳を提示することでタクシー料金が割引となります。

【飛行機】

ANAやJALなど、飛行機を利用することで旅行する家族もたくさんいます。ただ電車や新幹線、バス、タクシーとは異なり、飛行機の障害者割引が安くなるとは限りません。

飛行機の正規料金は非常に高額であり、誰も正規料金では搭乗しません。早割などを利用して航空券を購入します。このとき飛行機の早割と障害者割引を比べると、明らかに早割のほうが安いです。そのため飛行機について、障害者割引は重要でありません。

レンタカー・高速道路は障害者割引で利用可能

旅行で移動するとき、都市部であれば電車とバスで問題ないですが、田舎を旅行するときはレンタカーを借りるのが一般的です。このとき、大手レンタカー店を含めて障害者割引が用意されているのが普通です。

例えば以下は、障害者手帳(またはアプリ)を提示することによって利用料金が10%引きになる事例です。

※身体障害者手帳と療育手帳が対象であり、精神障害者保健福祉手帳は割引の対象外。

【高速道路】

身体障害者の本人、または家族(本人以外の運転は重度の身体障害者・知的障害者が対象)について、高速道路・有料道路の割引が可能です。事前に役所またはオンラインで申請する必要はあるものの、例えば役所で申請すれば障害者手帳に以下のような内容が記されます。

出典:NEXCO西日本

こうして、ETC利用または窓口にて高速道路の利用料金が半額になります。

ホテル代の障害者割引は可能か?

なお旅行をするとき、高額になりやすいのがホテル代です。ホテル・旅館代については障害者割引を利用できるのでしょうか。

ホテルによっては、障害者割引を利用できるケースがあります。ただ実際のところ、障害者手帳を利用してホテル・旅館代を割引できる施設は非常に少ないです。そのため実際のところ、障害者手帳を用いてホテル代を安くするのは期待しないほうがいいです。

公的サービスを除くと、障害者割引というのは、企業側のサービスといえます。ホテル・旅館の場合、公共交通機関とは違って中小の弱小企業ばかりであり、障害者のために割引している余裕はありません。そのため、ホテル代の割引が可能なケースは稀です。

旅行するときについて、ホテル・旅館代の割引はできないと考えるほうがいいです。

日帰り温泉であっても場所によっては割引可能

ちなみに旅行をするとき、温泉へ行くことがよくあります。数が多いわけではないですが、温泉に入るときに障害者割引を利用できるケースがあります。

ホテルと同じように、温泉についても障害者割引が可能かどうかは温泉を運営している会社の方針によります。ただ以下のように、障害者割引を利用できる温泉施設はあります。

この温泉施設の場合、知的障害者や精神障害者、身体障害者とすべての障害者で利用できるとわかります。また、重度に限らず軽度の障害者であっても対象です。フロントで障害者手帳を提示すれば、障害者割引を受けられます。

ホテル・旅館については、ほとんどのケースで障害者割引がありません。一方で日帰り温泉については、ホテルよりは障害者割引を利用できる施設が多いです。

日帰りや泊まりで温泉街へ行くにしても、一つの温泉街には浸かれる温泉がいくつもあります。その中でも、障害者割引を利用できる温泉施設を選んでも問題ありません。

レジャー施設・テーマパークで障害者手帳を提示する

なお旅行へ出かけるとき、レジャー施設やテーマパークへ出かけることがよくあります。レジャー施設やテーマパークについても中小企業が多いものの、これらの施設では障害者割引を採用していることが多いです。

たとえ小規模のレジャー施設であっても割引を利用できることが多いため、旅行時に障害者手帳の持参は必須です。

このとき、レジャー施設やテーマパークによって割引率は異なります。あくまでも企業側のサービスであり、1割引になることがあれば、半額になることもあるのです。例えば以下はUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)での障害者割引です。

このようにUSJの場合、大幅な割引があります。一方でディズニーランドについては、同じテーマパークであっても割引率が低いです。このように、障害者割引への対応はレジャー施設やテーマパークによって異なると理解しましょう。

海外で割引は存在せず、あくまでも国内のみ

ちなみに、中には海外旅行を考える人もいます。重度の障害者が海外旅行をするのは現実的ではないものの、中度・軽度の身体障害者や精神障害者が単独または家族・友人と一緒に海外旅行するのは普通です。

このとき飛行機やホテル、現地の施設利用料を含めて、海外ではあらゆる場面で障害者割引が存在しないと考えましょう。

例えば飛行機について、障害者割引が存在するのは国内線のみであり、国際線には存在しません。障害者割引が有効なのは国内のみであり、海外では一切利用できないのです。

なお、ヨーロッパなど欧米へ旅行する場合、例外的に美術館や観光施設などで障害者割引を受けられるケースがあります。特に身体障害者について、肢体不自由など明らかに障害者であると分かる場合、障害者割引を受けられる可能性があります。

しかし実際には、ヨーロッパで障害者割引が可能とはいっても、「その国に住んでいる人が障害者割引の対象であり、旅行者は対象外」であるケースがほとんどです。そのため障害者と容易に判断できる人であっても、障害者割引を受けられないことがよくあります。

要は、「その国が発行するID付きの障害者カードを提示しないと障害者割引を受けられない」のが一般的です。これは日本も同様であり、外国人旅行者が日本で海外の障害者カードを提示しても割引とはなりません。これと同じように、日本の障害者手帳は海外で基本的に無効です。

旅行先や交通代の支払いで障害者手帳を提示する

障害者を含め、多くの人が旅行します。このとき障害者手帳があれば多くの場面で割引となるため、積極的に利用しましょう。

障害の程度によって利用できる場面は異なりますが、電車代・新幹線代の運賃を安く抑えることができます。バスやタクシー、レンタカーについても障害者割引が可能であり、高速道路を利用する場合は事前に申請しておくことで安くなります。

ホテル代については厳しいですが、温泉施設やレジャー施設については、障害者手帳の利用で割引になることがあります。一方、海外での障害者割引は期待しないようにしましょう。

国内旅行であれば、障害者割引を利用できる場面は多いです。そこで、旅行時は積極的に障害者手帳やアプリを活用しましょう。

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