障害者手帳の保有者は公共交通機関で割引を得られます。航空会社は障害者に対して割引制度を提供しています。日本ではANAとJALが最も有名な航空会社であり、飛行機搭乗・予約のときに障害者割引を受けられるのです。
また本人だけでなく、同一便に搭乗する介護者についても同様の割引が存在します。公共交通機関の利用で同乗者の割引は普通ですが、これは飛行機も同じなのです。なお搭乗時は障害者手帳または登録済みカードを提示できるようにしておく必要があり、準備が必須です。
ただ利用料金という意味では、飛行機の早割に比べると障害者割引は高額です。そのため「キャンセル・予約変更の可能性がある」「出発直前での飛行機予約」という場合のみ、障害者割引が有効になります。
飛行機については、すべてのケースで障害者割引が優れるわけではありません。そこで、どのように航空会社の障害者割引を利用すればいいのか解説していきます。
もくじ
本人が12歳以上だとANAやJALで国内線の割引がある
ANAやJALの障害者割引について、どのようになっているのでしょうか。飛行機の割引対象は以下の障害者手帳を保有している人になります。
- 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
- 療育手帳:知的障害のある人
- 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人
障害者手帳の等級や種類は関係なく、障害者手帳を保有していれば飛行機の割引が可能です。本人が利用する場合、12歳以上であれば飛行機の割引料金が適用されると理解しましょう。
同一便に搭乗する介護者一人も同様の割引
なお障害者が一人で飛行機に搭乗するのではなく、介護者が付き添うケースはよくあります。この場合、同一便に搭乗する介護者についても同様に割引があります。
障害者割引の有無については、以下のように考えましょう。
年齢 | 本人 | 介護者の割引 |
12歳以上 | 障害者割引 | 障害者割引 |
3~11歳 | 小児運賃 | 障害者割引 |
0~2歳(座席予約無し) | 無料 | - |
3~11歳の子供については、小児運賃が自動的に適用されます。ただ障害児と一緒に親(介護者)が同乗する場合、介護者について障害者割引を利用できます。
一方で0~2歳について、親の膝の上などに座る場合は元々が無料であり、座席予約なしであっても問題なく搭乗できます。そのため、介護者を含めて障害者割引を利用することはできません。
障害者手帳または登録済みのカードを提示して搭乗する
なおANAやJALで障害者割引にて飛行機を利用するとき、障害者手帳が必要になります。搭乗時に障害者手帳を提示できない場合、障害者割引とはなりません。
または、「障害者手帳を登録済みのマイレージカード」を提示しても問題ありません。ANAとJALではマイレージカードを作ることができ、事前に障害者手帳を登録できるのです。これについては、以下のように記されています。
いずれにしても、障害者割引を利用するためには「障害者である」ことを提示できるようにしておく必要があります。
障害者割引はあるが、早割よりも高額
それでは、航空会社で障害者割引が優れているかというと、必ずしも大幅に安くなるわけではありません。航空会社の正規料金は非常に高額であり、基本的に誰も正規料金で飛行機に乗りません。割引料金を利用して飛行機代を支払います。
特に安くなるのが早割であり、早めに航空券を予約しておくことで料金の大幅値下げが可能です。例えば以下は、羽田(東京)-伊丹(大阪)での片道料金です。
このように、正規料金に比べて早割では大幅に値段が安くなります。一方で障害者割引の場合、同じ日で羽田(東京)-伊丹(大阪)を確認すると以下の金額になります。
このように、早割よりも障害者割引のほうが大幅に値段が高いとわかります。前日までの予約・支払いでの航空券(バリュー)に比べると障害者割引のほうが安いものの、いずれにしても障害者割引が最安値ではありません。
少なくとも金銭面では、障害者割引よりもANAやJALなどが提供している早割を利用するほうが金額は安いです。飛行機予約は通常、数か月前から予定を立てます。そのためほとんどの人が早割を利用するため、障害者割引よりも料金を抑えられます。
キャンセルや日程変更の可能性がある場合、障害者割引が優れる
それでは、障害者割引を利用する場面としては何があるのでしょうか。早割を利用する場合、キャンセル料金が非常に高くなります。また、日程変更をするにしても早割では予約変更できません。こうした制限を受け入れての早割なのです。
一方で障害者割引については、内容は正規での搭乗と同じです。そのためキャンセルは自由に可能ですし、搭乗日の変更も好きなように行うことができます。正規での搭乗に対して割引されるのが航空会社による障害者割引なのです。
そのためキャンセルや日程変更の可能性がある場合、早割ではなく障害者割引を利用するほうが優れます。障害者によって体調の変化のしやすさは異なりますが、こうしたリスクがある場合は早割ではなく障害者割引にて航空券を購入しましょう。
・直前の予約も障害者割引が優れる
なお早割というのは、実際の搭乗日よりもかなり早く国内線の航空券を予約・購入するからこそ利用可能になります。
ただ場合によっては、早割が可能な期間を既に過ぎてしまい、わりと直前になって航空券を予約しなければいけないケースもあります。この場合、障害者割引を利用するほうが料金は安くなりやすいため、障害者手帳の意味が大きくなります。
障害者割引でも早割でも介助サービスは受けられる
なお早割利用で不便になるのはキャンセルや日程変更などの場面だけです。その他のサービスについては、障害者割引であっても早割であっても変わりません。
例えばANAやJALなどの航空会社を利用するとき、介助サービスを受けられます。規模の大きい空港に限らず、以下のように障害者用のカウンターがあるのも普通です。
もちろん、飛行機に搭乗するときについても介助サービスがあります。介助サービスは障害者割引や早割に関係ないため、あなたにとって都合の良い方法にて航空券を予約しましょう。
国内線限定であり、国際線の障害者割引はない
なお障害者割引の制度は国内線限定です。ANAやJALを含め、あらゆる国際線で障害者割引はありません。障害者かどうかに関係なく、国際線では健常者と同じ料金となります。
例えば以下は羽田(東京)-金浦(ソウル)の予約画面です。
このように、障害者割引に関する項目はまったくないとわかります。航空会社で障害者割引を利用できるのは、国際線ではなく国内線のみなのです。
航空会社は障害者割引を出しているが値段は高め
障害者手帳は非常にメリットが多いものの、積極的に利用するべき場面とそうでない場面があります。飛行機の利用については、知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で手帳を提示することで障害者割引を利用できます。
12歳以上の障害者であれば、障害者手帳または登録済みのマイレージカードを提示することで障害者割引となります。ただ早割に比べると、障害者割引の料金は高額です。
そのため「キャンセルや日程変更の可能性がある」「出発直前での飛行機予約」という人のみ障害者割引が有効です。すべての人で飛行機の障害者割引が優れるわけではありません。また、国際線ではなく国内線のみ障害者割引を利用できます。
多くの人が飛行機を利用して長距離移動をします。このとき障害者手帳を保有している場合、必要であれば障害者割引を活用しましょう。
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