視力や視野に異常があり、正常に見えない人はたくさんいます。こうした視力障害や視野障害について、視覚障害者として身体障害者手帳を入手できます。

このとき、どのような視覚障害であれば障害者手帳を得られるのか基準を理解しなければいけません。緑内障や白内障を含め、手術しても視力障害や視野障害が残る場合であっても身体障害者手帳への申請が可能です。

また障害者手帳の等級を得る場面では、視力障害と視野障害の両方を考慮できます。

それでは、視覚障害者が身体障害者手帳を得る基準や等級、手続きはどのようになっているのでしょうか。どのくらいの視力や視野であれば障害者手帳を得られるのか解説していきます。

メガネやコンタクトレンズの矯正後視力で判定する

目が悪い人は非常にたくさんいます。こうした人はメガネやコンタクトレンズを利用しますが、これらの道具を利用することでまったく問題なく日常生活を送れます。

メガネやコンタクトレンズで視力矯正できる場合、障害者ではありません。視力障害の判定で利用されるのは矯正後の視力です。つまり、視力が悪い一般人のほとんどは身体障害者手帳を入手できません。

一方でメガネやコンタクトレンズを利用して矯正した後であっても見にくい場合、日常生活で明らかな支障が出ます。また緑内障による視野狭窄など、視野障害がある場合も日常生活に困ります。こうした状況であれば、身体障害者手帳の入手が可能です。

障害や白内障で視力障害と認定されるための視力

それでは目の障害で視力が悪かったり、白内障を手術した後であっても目の見え方が悪かったりする場合、どのくらいの視力であれば視力障害があると認定されるのでしょうか。

身体障害者手帳には1~6の等級があり、基準は以下のようになっています。

1級良い方の眼の視力が0.01以下
2級良い方の眼の視力が0.02~0.03
良い方の眼の視力が0.04、かつ他眼視力が手動弁以下(眼前でも視力がない)
3級良い方の眼の視力が0.04~0.07
良い方の眼の視力が0.08、かつ他眼視力が手動弁以下(眼前でも視力がない)
4級良い方の眼の視力が0.08~0.1以下
5級良い方の眼の視力が0.2、かつ他眼視力が0.02以下
6級良い方の眼の視力が0.3~0.6、かつ他眼視力が0.02以下

このように、視力によって障害者手帳の等級が変わります。

視野欠損や緑内障での視野障害

また視覚障害者には、視野欠損の状態もあります。緑内障などの病気であれば、視野障害を引き起こします。緑内障などによって見える範囲が狭くなる場合についても身体障害者手帳に申し込みできます。

このとき、自動視野計による視野障害での基準は以下になります。

両眼開放エスターマンテスト視認点数10-2プログラム両眼中心視野視認点数
2級70点以下20点以下
3級40点以下
4級
5級100点以下
40点以下

医師でなければ内容を理解するのは難しいですが、ひとまずこうしたテストを利用することにより、緑内障を含めた視野狭窄であっても身体障害者手帳に申請可能と理解しましょう。

なお視野狭窄の場合、視力障害とは異なり1級と6級がありません。必ず2~5級のうち、どれかになります。

視力障害と視野障害の両方を合計して等級を決定する

なお中には、複数の障害をもつ方がいます。例えば視力障害と視野障害の両方を有するケースが該当します。この場合、2つの障害を考慮して身体障害者手帳の等級が決定されます。

身体障害者手帳の等級が大きいほど、得られるメリットは大きくなります。そのため等級が重度であるほど公的な特典をより得られるようになるため、複数の障害がある場合、すべての障害を考慮するといいです。

まず一つの障害について、以下のように点数を付けます。

  • 1級:18点
  • 2級:11点
  • 3級:7点
  • 4級:4点
  • 5級:2点
  • 6級:1点

このとき、保有するすべての障害の点数を足して以下のように身体障害者手帳の等級を決定します。

  • 18点以上:1級
  • 11~17点:2級
  • 7~10点:3級
  • 4~6点:4級
  • 2~3点:5級
  • 1点:6級

例えば視力障害4級(4点)と視野障害3級(7点)がある場合、点数を足すと11点です。11点は身体障害者手帳2級に該当するため、手帳の障害等級は2級となります。こうして、より重度の等級となることで得られるメリットが多くなります。

なお視覚障害以外に四肢障害や臓器障害がある場合、それらの身体障害についても点数を足し、身体障害者手帳の等級が決定されます。

専門医に診断書作成を依頼し、申請する

そこで視力障害や視野障害がある場合、身体障害者手帳へ申請しましょう。障害者手帳を得るためには、医師の診断書が必要になります。そこで、眼科医に依頼することで診断書を作成してもらいましょう。

例えば、以下は「身体障害者手帳へ申請するための視覚障害者用の診断書」です。

こうした書類に対して眼科医に記載してもらい、必要書類を集めましょう。障害者手帳の申請で最も重要な書類は医師の診断書です。そこで視力障害と視野障害の両方を考慮して診断書に記載してもらいましょう。

視覚障害者で利用できる身体障害者手帳のメリットは多い

なお矯正後視力が悪かったり、視野欠損があったりすることで身体障害者手帳を入手したあと、実際に障害者手帳を利用しましょう。障害者手帳を利用することで、さまざまな割引や補助を特典として活用できます。

身体障害者手帳を利用することで、例えば以下のメリットがあります。

  • 補装具費支給制度:盲人安全つえ、義眼、メガネなど
  • 日常生活用具給付事業:拡大読書器、点字ディスプレイなど
  • 所得税・住民税・自動車税の軽減
  • 医療費の助成
  • 電車、新幹線、バス、タクシー、高速道路の割引
  • 美術館、水族館、テーマパークの割引
  • 住宅リフォーム費用の補助

ほかにもありますが、身体障害者手帳を利用すれば支払いが大幅に減ったり、費用を補助してもらえたりします。そこで、視力障害・視野障害のある人は積極的に障害者手帳を活用しましょう。

なお身体障害者手帳は更新の必要がないものの、症状が悪化した場合、再申請することによって障害等級が上がる可能性があります。重度であるほど得られる特典は多いため、症状が悪化したのであれば再申請するといいです。

視覚障害者で身体障害者手帳へ申し込む

視覚障害者なのであれば、身体障害者手帳へ申し込みましょう。視力障害または視野障害で申請可能です。緑内障による視野欠損や術後白内障での視力障害を含め、病気が原因である場合も申請の対象になります。

こうした視覚障害の認定についてはメガネやコンタクトレンズによって矯正した後の状況が重要になります。また視力障害と視野障害のように、複数の障害がある場合はすべての障害を考慮して身体障害者手帳の等級が決定されます。

身体障害者手帳を得るためには、医師の診断書が必須です。そこで眼科医に依頼して、診断書を記載してもらいましょう。

実際に身体障害者手帳を入手したら、メリットを受けられるように手続きをしましょう。割引や補助というのは、利用するからこそ意味があります。そうして身体障害者手帳をうまく活用すれば、日々の生活の支出を大幅に減らすことができます。

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