ネットカフェにて生活場所を転々としている人がいます。いわゆる住所不定の状態であり、ホームレスと同じです。路上生活ではないものの、住所がない状況にて生活しているのは同じです。
その場合、ネットカフェ難民であっても生活保護を利用することで賃貸マンション・アパートにて生活できます。またネットカフェ難民では精神疾患を抱えている人が非常に多く、その場合は障害者施設の利用が特に重要です。
それでは、ネットカフェ難民が生活保護を利用することでいまの状況から抜け出すには、どうすればいいのでしょうか。ネットカフェ生活をしている人について、住所不定の状態から抜け出す方法を解説していきます。
もくじ
住所不定では生活費がかかる
路上生活であれば、寝泊まりにかかる費用は必要ないです。ただ路上生活をしているホームレスは見た目が非常に悪く、少なくとも清潔な状態を保つことができません。そこで、ネットカフェにて寝泊まりすることを考えます。
ネットカフェであれば、室内でシャワーを浴びることができますし、ジュースを飲み放題です。そのため、わりと快適な環境となります。
ただネットカフェの利用料はそれなりに高く、夜間の12時間利用(一泊に相当)で2000~3000円ほどになります。仮に1日当たり2500円とすると、月にザックリと7万5000円になります。
- 2500円 × 30日 = 7万5000円
もちろん、ホテル宿泊に比べると発生する費用は圧倒的に安いです。ただ、ネットカフェ生活ではそれなりにお金がかかります。
ネットカフェ難民でも生活保護を受給可能
そこで生活保護を利用し、特定の場所にて住むことを考えましょう。ホームレスとして住所不定の状態であっても、問題なく生活保護を利用できます。
生活保護の受給で住所は必須になるものの、これは「生活保護費を受け取るときに住所が定まっていれば問題ない」ことを意味しています。生活保護の申請時点で住所が決まっている必要はありません。なお生活保護を受給する条件は以下になります。
- 十分な収入がない
- 貯金を含めた資産がない
- 家族による支援を得られない
ネットカフェ難民で住所不定の場合、多くの人で収入が少なく、貯金もないです。そのため、これについては条件をクリアしています。
なお生活保護を申請すると親族に連絡が入り、「支援できないか?」と聞かれます。このとき、親族が「支援できない」と返答すれば生活保護を受給できるようになります。親や兄弟に資産があるかどうかは関係なく、「支援できない」という意思表示が重要になるのです。
家賃に加え、生活費が出される
実際に生活保護を申請するとき、福祉事務所や市区町村の役所へ出向きます。通常、生活保護では住民票のある場所にて申請します。そこで、まだ住民票がある場合、その自治体にて生活保護を申請するといいです。
一方でどこにも住民票がない場合、いまの場所の近くにある福祉事務所へ出向くといいです。また住民票がある人であっても、住民票のある場所とは別の自治体(いま滞在しているネットカフェの自治体)で生活保護を申請してもいいです。
そうして住む場所が決まったら、生活保護費を受給できるようになります。生活保護では、主に生活扶助費と住宅扶助費が支払われます。生活保護の場合、必ず住宅扶助費の上限金額よりも低い家賃にて生活しなければいけません。
また住宅扶助以外にも、日々の生活費として生活扶助費が出されます。これにより、特定の場所に住みつつ日々の生活費を出せるようになります。
前述の通り、ネットカフェでの生活はそれなりに支払いが多くなります。旅行を含め1〜2週間ほどの滞在であれば問題ないものの、十分に働けない人がずっとネットカフェで生活するのは金銭的に現実的ではありません。そこで、収入が少なく貯金もないのであれば、生活保護に頼ることを考えましょう。
住所を確定するため、無料低額宿泊所を利用
なお住所不定のホームレス状態の人について、最初の一時的な居住場所として無料低額宿泊所を利用する人は多いです。住所がない場合、賃貸マンション・アパートの契約は困難になりやすいからです。
また精神疾患やその他の疾患、知的障害、身体障害を有する人の場合、問題なく障害者グループホームを利用できます。ただ、障害者施設を利用するためには多少の時間がかかります。
これらの問題点があるため、賃貸マンション・アパートや障害者グループホームにて生活する前に、一時的な滞在場所として無料低額宿泊所を利用するというわけです。必ず住宅扶助の上限金額以下の家賃になる施設が無料低額宿泊所であり、通常は以下のような個室にて過ごします。
なお賃貸マンション・アパートを見つけることができ、そこに住めるのであれば、無料低額宿泊所を利用する必要はありません。ただ前述の通り、住所不定の状態ではすぐに見つけられない人が多く、そうした人で無料低額宿泊所を活用するというわけです。
注意点として、無料低額宿泊所は貧困ビジネスで悪用される側面があります。無料低額宿泊所の中には、簡易個室(極小の部屋)にて利用者が過ごしている施設があります。また食事代を徴収するにも関わらず、食事が簡素でまずく、それでいて管理費が無駄に高い施設があるのです。
無料低額宿泊所を利用する場合、通常は事前に施設にて見学・面談をします。そのとき、役所から紹介された無料低額宿泊所が劣悪な環境の場合、断って他の無料低額宿泊所を探すといいです。役所から無料低額宿泊所のリストを入手し、自ら他の無料低額宿泊所へ問い合わせることでまともな施設へ入居することもできます。
その後、一人暮らしまたは障害者施設を活用
そうしていったんは無料低額宿泊所で過ごし、生活保護にて日々の生活を過ごせる環境を整えましょう。ただ無料低額宿泊所は前述の通り、一時的な利用が原則です。事実、「無料低額宿泊所の利用は1年以内を原則」と決めている自治体がたくさんあります。
そこで健常者は無料低額宿泊所に移動した後、早めに「生活保護であっても受け入れてくれる賃貸マンション・アパート」を探しましょう。
また知的障害者や精神障害者、身体障害者を含め、すぐの社会復帰は無理であり、病気の治療や介助が必要な人は障害者グループホーム(共同生活援助)の利用を考えましょう。
なお生活保護の場合、引越し費用は住宅扶助から出されます。つまり引越し代や賃貸の初期費用を心配する必要がありません。役所で申請すれば引越しに必要な費用をすべて賄えます。
障害者グループホームの利用には1~2か月かかる
このとき健常者について、引越し可能な賃貸マンション・アパートを探すことができれば、すぐにでも無料低額宿泊所から引越しできます。一方ですぐの一人暮らしが難しく、病気の治療が必要だったり、知的障害・身体障害があったりする場合、通常は障害者グループホームを利用します。
ネットカフェ難民を含め、ホームレスには軽度の知的障害があったり、発達障害・人格障害・アルコール依存症などの精神障害を抱えていたりする人がそれなりにいます。こうした障害者の場合、障害者グループホームが適切というわけです。
ただ障害者グループホームを利用するためには、事前に市区町村の役所で申請しなければいけません。特に初めて障害福祉サービスを利用する場合、障害者グループホームを利用できるまでに、申請して1~2か月の時間がかかります。
そのため障害者グループホームを利用したい場合、無料低額宿泊所で過ごし始めると同時に、早い段階で役所にて「障害者グループホームの利用を考えている」と伝え、利用手続きに向けた準備を行う必要があります。
ネットカフェ難民を抜け出すステップを学ぶ
路上生活ではなくても、ネットカフェ難民は住所不定の状態なのでホームレスと同様です。またネットカフェをずっと利用する場合、それなりに利用料金が高くなります。数日の宿泊ならホテル利用よりも安く問題ないものの、継続的な利用は支払いが大きくなるのです。
そこで生活保護を利用すれば、たとえ収入が少なく、貯金がない住所不定者であっても特定の場所にて住めるようになります。必ずしも住民票のある場所で申請する必要はなく、いまいる場所の近くにある福祉事務所で生活保護を申請して問題ありません。
このとき、最初は一時的な居住先として無料低額宿泊所を利用するのが一般的です。ただ一時的な利用が原則であるため、その後は賃貸マンション・アパートや障害者グループホームで過ごすことを考えましょう。
ネットカフェ難民として、ホームレス状態に陥っている人がいます。こうした人について、早めに生活保護を申請し、特定の場所にて住めるようにしましょう。生活保護の利用は若い人であっても利用できるため、こうしたセーフティーネットをうまく活用するといいです。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。