生活保護で就労移行支援を利用できる！交通費・昼食代は自己負担

生活保護を受けている人であっても、将来は企業就職して社会復帰したいと考えるのは普通です。そうしたとき、一般就労するためのトレーニングとして就労移行支援を利用できます。

高齢者でないにも関わらず生活保護というのは、ほとんどのケースで障害者です。健常者の場合、生活保護に頼らずアルバイトでもいいので働いているのが普通だからです。そうした障害者について、就労移行支援を利用することで社会復帰できます。

それでは、生活保護で就労移行支援を利用するときは何を考えればいいのでしょうか。生活保護受給者で就労移行支援を利用するときの考え方を解説していきます。

生活保護受給者でも就労移行支援を利用可能

いま低所得者であっても、社会復帰することで一般企業で働き始めるのは重要です。正社員に限らず、アルバイトや契約社員であっても働くことで生活保護を抜け出すのは優れます。

ただ、人によっては「働いていない時期が長い」「初めて就職活動を行う」など、働くにしても大変なケースがあります。そうしたとき、就労移行支援を利用することで一般就労のためのトレーニングを行えます。

一般企業での就職を目指すため、比較的軽度の障害者が就労移行支援を利用します。もちろん、生活保護受給者であっても就労移行支援を利用するのは問題ありません。就労移行支援をきっかけに企業就職を行い、生活保護を抜け出すのです。

障害者のみ就労移行支援の対象者

なお就労移行支援は障害福祉サービスの一つであり、健常者は利用できません。必ず障害者である必要があります。このとき、高齢者でないにも関わらず無職であり、生活保護の人は高確率で精神疾患を有しています。たとえシングルマザーであっても健常者であれば働くのが一般的であり、低所得者で働いていないのは精神疾患が関係しています。

「交通事故で身体障害者になり、働けなくなった」などの事情がある場合は仕方ありません。ただそうでない場合、精神障害者であるために十分に働けず、低所得者になっているといえます。

そのため高齢者でないのに生活保護の場合、精神科クリニックを受診することで、精神疾患の保有者であると診断をもらいましょう。人によって精神疾患の種類は異なりますが、例えば以下になります。

• 適応障害
• パニック障害
• 発達障害
• うつ病
• 統合失調症　など

人によって保有する精神疾患は異なりますが、こうした精神障害者であれば就労移行支援を利用できるというわけです。

また同時に障害者手帳も保有しましょう。既に保有している場合は関係ないですが、就労移行支援を利用するのであれば障害者手帳は重要です。

実際のところ、障害者手帳がなくても就労移行支援を利用できます。ただ障害者枠で企業就職するためには、必ず障害者手帳の提示が必要になります。そのためいまは必要なくても、将来は必ず必要になるのが障害者手帳の保有です。

就労移行支援を利用する手続きの流れ

それでは、生活保護受給者が就労移行支援を利用するにはどうすればいいのでしょうか。このとき、ザックリと以下の流れになります。

1. ケースワーカーへ相談
2. 障害福祉サービス受給者証を発行
3. 就労移行支援の事業所と契約

生活保護の場合、必ずケースワーカーへ連絡しなければいけません。そこで、まずはケースワーカーとの相談を済ませましょう。

なお就労移行支援は障害福祉サービスの一つであり、必ず市区町村の役所で申請しなければいけません。このとき、同時に医師の診断書・意見書の提出を求められます。そこで、医師を受診することで精神疾患を有していることを証明してもらいましょう。

そうして役所に必要書類を提出すれば、障害福祉サービス受給者証を得られます。障害福祉サービスの利用では、すべてのおいて受給者証が必須です。

そうして受給者証を得られたら、ようやく就労移行支援の事業所と契約できます。就労移行支援は複数あるため、実際に見学して良さそうな事業所と契約しましょう。

生活保護は無料でサービス利用できる

このとき、生活保護受給者は利用できるお金が少ないです。そうしたとき、生活保護では無料で就労移行支援を利用できます。障害福祉サービスについて、以下のように負担上限額が存在します。

そのため生活保護受給者であれば、就労移行支援を利用するときのサービス料を心配しなくてもいいです。

通常、交通費や昼食代は自己負担

ただ就労移行支援を利用するときのサービス料が無料なだけであり、その他の費用は当然ながら無料になりません。まず、交通費は原則として自己負担です。

これについては当然であり、健常者は交通費どころか、授業料を払って専門学校や資格学校に通うことで勉強します。一方で生活保護では、前述の通りサービス料は無料です。その点、健常者よりも圧倒的に恵まれていますが、交通費まで負担してくれることは基本的にありません。

自治体によっては、交通費の補助を得られる場合があります。ただ基本的には、交通費は自分で出さなければいけません。

これは昼食代も同様であり、必ず自分のお金で出す必要があります。たとえ就労移行支援を利用していなくても昼食代は自分で出します。同様に、事業所へ通っているときの食事代は自ら出さなければいけません。

資格取得の費用は自分で支払う

また前述の通り、無料になるのは就労移行支援の利用料（サービス料）です。その他のお金については、必ず自分で払わなければいけません。

就労移行支援では、その人の希望に合わせてさまざまな支援が行われます。こうした支援の中には、資格取得も含まれます。これら資格取得を目指すとき、資格取得に必要な費用は自分で払わなければいけません。例えば、資格取得に必要な受験代は自費です。

就労で有利になる資格としては、例えば以下があります。

• 簿記3級
• ITパスポート
• 秘書検定
• ファイナンシャルプランナー（FP）

他にも多くの種類はありますが、これら資格の受験ではお金が必要です。そうした費用については、生活保護費の中から出せるようにしましょう。

企業就職して生活保護から抜け出す

生活保護を受けていても、企業就職を目指して活動するのは優れます。最終的に会社で働き、生活保護を抜け出すのは本来の姿です。

そうしたとき、高齢でないのに生活保護の場合、高確率で精神疾患を有しています。こうした人では、就労移行支援を利用することで社会復帰を目指せます。

生活保護受給者の場合、就労移行支援を利用するときのサービス料は0円です。ただ交通費や昼食代など、自費となる項目は存在します。また、資格取得の代金など必ず自分で出さなければいけないお金があります。そうはいっても、こうしたトレーニングを通して一般就労に近づけます。

生活保護の状態から一般就労し、生活保護から抜け出すのは重要です。そうしたきっかけとして就労移行支援を活用しましょう。