障害者手帳を保有していれば、公式に障害者であると認められるようになります。障害者は多くの特典を受けることができ、お金の支払いが少なくなり、国や自治体からの補助を受けられます。

このとき、生活費で非常に高額になりやすいのは家賃です。障害者について、家賃補助はあるのでしょうか。一般的な賃貸住宅で家賃補助はないですが、障害者手帳があれば公営住宅への優先入居ができ、自治体によっては家賃割引があります。

さらに障害者の場合、障害者グループホームへの入居が可能です。障害者グループホームであれば国や自治体から家賃補助があるため、無料またはほとんどお金の支払いなしに入居できます。

障害者手帳を保有することにより、方法によっては支払い家賃を大幅に下落できます。そこで、どのように障害者が家賃補助の仕組みを利用すればいいのか解説していきます。

一般的な賃貸住宅で障害者手帳による家賃補助はない

多くの人で一般的な賃貸住宅に住むことを考えます。これは障害者も同様であり、特に身体障害者や精神障害者で判断能力に問題がない場合、賃貸に住むのは普通です。

一般企業などで働いている場合、特に問題なく賃貸契約を結べます。

ただ障害者手帳を保有していても、一般住宅に対する家賃補助はありません。障害者には多くの割引や補助があるものの、民間の賃貸住宅には利用できないと考えましょう。

公営住宅(市営住宅・県営住宅・都営住宅)での優先入居は存在する

一方で賃貸住宅の中でも、公営住宅(市営住宅・県営住宅・都営住宅)を利用する方法があります。障害者はどうしても低年収になりがちですが、こうした人は公営住宅への入居が可能です。

また障害者手帳を保有する人の場合、公営住宅(市営住宅・県営住宅・都営住宅)に対する優先入居が可能なのは一般的です。公営住宅に入れるというのは、それだけで「自治体の制度を利用して格安にて賃貸に住める」ことを意味しています。

なお、障害者手帳の等級によって「どれだけ優先入居が可能なのか」が違います。通常は症状の軽い人が完全なる一人暮らしを考えます。ただ障害者手帳の等級が重くない場合、優先入居の比重が軽くなりやすいです。そうはいっても、健常者に比べると軽度の障害者であっても有利である事実は同じです。

なお公営住宅であっても、バリアフリー物件ではないケースがよくあります。例えば以下は、公営住宅の風呂場に風呂釜を設置したときの様子です。

誰か他の人の介助が不要な場合、バリアフリー物件でなくても問題ありません。一方でバリアフリーが必要な障害者の場合、公営住宅であっても入居可能な物件は限られます。

自治体によっては障害者手帳での減額措置がある

それでは、障害者手帳によって公営住宅の割引はあるのでしょうか。自治体によっては、障害者手帳を保有することによって市営住宅・県営住宅・都営住宅の減額措置があります。補助ではなく、家賃に対する障害者割引が存在するのです。

例えば以下は、名古屋市が運営する市営住宅家賃に関する内容です。

このように、障害者(または障害児)を含む世帯について、家賃の減額措置があります。保有している障害者手帳の等級と世帯収入によって減額率は異なりますが、いずれにしても障害者手帳によって家賃の減額が可能です。

家賃補助が手厚いのは障害者グループホーム

ただ公営住宅に住む場合であっても、ある程度の家賃を支払わなければいけません。ただ障害者では低年収の人が多く、いますぐ働けないケースは多いです。また重度の障害者だと、誰かの助けがなければ親元を離れての生活はできません。

そうしたとき、常に介護スタッフが常駐しており、さらには格安で住める障害者のための住居に障害者グループホームがあります。シェアハウス形式にて、複数の障害者が住む家が障害者グループホームです。以下のような部屋になります。

障害者グループホームへ入居するとき、障害者手帳は必須ではありません。ただほとんどの障害者グループホームで障害者手帳の提示を求められるため、やはり障害者手帳の取得は重要になります。

障害者グループホームであれば、一般住宅や公営住宅とは異なり、手厚い家賃補助があります。また重度の人を含めて住めるため、親亡き後問題についても解決できるのが障害者グループホームです。

国から月1万円の特定障害者特別給付費(補足給付)がある

それでは、障害者グループホームではどのような家賃補助があるのでしょうか。まず、生活保護または住民税の非課税世帯は国から特定障害者特別給付費(補足給付)として月1万円の補助があります。条件は以下になります。

  • 生活保護または住民税の非課税世帯(年齢制限はない)
  • 障害者施設に入居している:一般的な賃貸住宅は対象外

障害者グループホームに入居していて収入が低い場合、障害者はこうした補助制度によって家賃負担を抑えられます。

低年収だと自治体から大部分が補助される

それに加えて、障害者グループホームの入居者には自治体から独自の補助があります。よくあるのは「家賃の半分を補助」などであり、自治体によっては家賃が無料になるケースもあります。例えば東京都の場合、精神障害者に対して手厚い家賃補助があり、家賃無料となります。

ただ家賃無料ではなく、半分の補助であっても非常に金額は大きいです。例えば以下は千葉県にある障害者グループホームでの事例です。

家賃37,000円に対して、国から月1万円の補助があるので負担額は月27,000円です。これに対して、自治体から半分の補助があるので実際の負担額は月13,500円です。このように、月1万円台の家賃となります。

障害者グループホームで家賃が格安なのは、こうした補助制度が充実しているからです。また障害者グループホームの場合、介護スタッフに対するサービス料は無料です(生活保護や住民税の非課税世帯の場合)。必要な実費は食費や水道光熱費、その他の雑費など最低限となります。

障害者にとって、最も低料金で住める施設が障害者グループホームです。そのため障害者手帳を用いた賃貸住宅の減額や補助を考えている場合、こうした障害者向けの公的サービスの利用も検討しましょう。

障害者手帳を用いた賃貸住宅での補助制度

多くの障害者では障害者手帳を保有し、割引や補助を受けることになります。ただ一般的な賃貸住宅について補助制度は存在しません。

一方で公営住宅では、障害者手帳を保有する人が家族にいることで優先入居が可能です。また自治体によっては、障害者手帳によって賃料の減額があります。自治体ごとに対応が異なりますし、障害者手帳の等級によっても変化するため、これについては内容を自治体に確認しましょう。

なお障害者が親元を離れて単独生活をする場合、障害者グループホームを利用することで賃料が無料または格安になります。生活保護や住民税の非課税世帯では、障害者グループホームに住むことで国と自治体から家賃補助を受けられます。

障害者手帳を用いて賃料の割引や補助を受けたい場合、一般的な賃貸住宅ではなく、公営住宅や障害者グループホームを利用しましょう。こうした公的な制度であれば、障害者に対する優遇措置を受けやすくなります。

【全国対応】完全無料にて優良な障害者グループホームを紹介!

家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

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