障害者に関係なく、ほとんどすべての人が歯科治療をします。医療の一つが歯科治療であるため、3割負担にて治療が可能です。
ただ障害者であれば、医療費助成をしてもらっている人がたくさんいます。このとき、障害者が歯医者に行くときは障害者手帳などを利用することで割引・助成はあるのでしょうか。
重度の障害者であれば、障害者医療費助成制度によって、歯医者へ行く場合であっても医療費の補助が可能です。一方で自立支援医療制度(精神通院)や特定医療費(指定難病)助成制度については、歯科治療は助成の対象外です。つまり、利用する制度によって補助内容が異なります。
それでは、障害者はどのように考えて歯医者を利用すればいいのでしょうか。障害者の歯科治療に対する補助内容を解説していきます。
もくじ
医療費助成の医療証で医療費が安くなる
障害者であれば、多くの人で医療費の助成を利用できます。医療証を提示することにより、医療費の負担が2割や1割になるのです。障害者向けの主な医療費の助成制度は以下になります。
- 障害者医療費助成制度(重度障害者医療証)
- 自立支援医療制度(精神通院)
- 特定医療費(指定難病)助成制度
そこで、それぞれの制度について歯科治療が含まれているかどうか確認すれば、障害者で歯医者に対する補助があるかどうかを把握できます。
障害者医療費助成制度で歯科治療が助成される
歯科治療をするとき、障害者医療費助成制度であれば医療費の助成が可能です。以下の重度障害者医療証を保有している場合、歯医者であっても問題ないのです。
障害者医療費助成制度を利用すると、医療費が無料になったり、1割負担になったりします(自治体や本人の所得によって助成内容が異なる)。
重要なのは、障害者医療費助成制度では「医療保険の対象となる医療費、薬剤費など」が補助になる事実です。歯科治療も医療保険の対象であるため、重度障害者医療証を利用することによって利用負担が軽くなるのです。
重度の障害者がメインの対象になる
それでは、障害者医療費助成制度(重度障害者医療証)の対象はどのようになっているかというと、基本的に重度の障害者のみが対象になっています。多くのケースで以下の障害者手帳の等級にて適用されます。
- 身体障害者手帳1級・2級
- 療育手帳A程度(知的障害者:IQ35以下)
- 精神障害者保健福祉手帳1級
身体障害者(身体障害者手帳)や知的障害者(療育手帳)、精神障害者(精神障害者保健福祉手帳)の中でも、このように重い等級の手帳を有している場合は障害者医療費助成制度の利用が認められます。
なお障害者医療費助成制度の対象にならない内容は以下になります。
- 健康診断、予防接種、差額ベッド代など医療保険の対象でない内容
- 介護保険の利用者負担
ただ、それ以外の医療費については助成対象になるので、歯医者についても重度の障害者手帳を保有している人は補助されます。
自治体によって対象となる障害の種類や等級は異なる
なお、障害者医療費助成制度(重度障害者医療証)の内容は自治体によって異なります。補助額が違えば、対象者も異なるのです。
先ほど、障害者医療費助成制度の対象者について一般的な内容を記しました。ただ自治体によって対象者が異なるため、場合によっては障害者手帳の等級が軽度であっても助成対象になることがあります。
あなたが住んでいる自治体について、どのような種類・等級の障害者手帳をもっている人が障害者医療費助成制度を利用できるのか調べましょう。場合によっては等級が低めでも重度障害者医療証を発行でき、歯医者への通院代を軽減できるかもしれません。
場合によっては、例えば身体障害者手帳3級の人で障害者医療費助成制度を利用できる自治体があります。以下は名古屋市の内容ですが、助成対象はゆるめです。
- 身体障害者手帳1~3級(じん臓機能障害は1~4級、進行性筋萎縮症は1~6級)
- 知能指数がIQ50以下
- 精神障害者保健福祉手帳1~2級
- 自閉症スペクトラム障害の人
- 特定医療費受給者証(指定難病)をもつ人
自治体によって基準は大きく異なるため、「〇〇市 障害者医療費助成制度」などで検索することで対象者の基準を調べましょう。
自立支援医療制度(精神通院)や特定医療費(指定難病)助成制度は対象外
なお障害者であると、ほかにも医療費に対する助成制度が存在します。例えば精神疾患を有する場合、多くの人が自立支援医療制度(精神通院)を利用します。
すべての精神疾患について、治療費が1割負担になる制度が自立支援医療制度(精神通院)です。統合失調症やうつ病、躁うつ病(双極性障害)、発達障害、不安障害(パニック障害)、てんかん、PTSDと対象は幅広いです。
ただ、この制度は精神疾患の治療のみ有効です。歯科治療は対象ではないため、精神障害者であっても歯医者での治療費は3割負担になります。
・特定医療費(指定難病)助成制度も対象外
同じことは特定医療費(指定難病)助成制度にもいえます。指定難病を患っている人は特定医療費(指定難病)助成制度を利用できます。自己負担額が2割になったり、月の上限負担額が設けられていたりします。
ただ、対象外の疾病治療は通常の負担割合になります。つまり、難病患者で歯科治療での助成はありません。
障害者手帳で歯科治療の助成を使える人がいる
障害者であれば、さまざまな助成制度があります。特に医療費について、障害者は高額になりやすいので補助制度が充実しています。
その中でも、重度(自治体によっては中度)の障害者であれば障害者医療費助成制度(重度障害者医療証)を利用できます。この場合、自己負担が1割になるなど大幅な補助となります。生活保護のように無料ではないものの、負担を軽減できるのです。
一方で自立支援医療制度(精神通院)や特定医療費(指定難病)助成制度については、特定の病気のみが補助の対象です。歯科治療のように、障害とは関係ない病気には助成されません。
歯医者で障害者手帳による補助を利用できるかどうかについては、障害者手帳の等級やあなたが住んでいる自治体の補助内容によって変化します。障害者手帳を用いて歯科治療を助成してもらえないか考える場合、まずは住んでいる自治体の制度を確認しましょう。
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