知的障害者が取得できる障害者手帳に療育手帳(愛の手帳)があります。療育手帳によって正式に障害者と認められ、さまざまな優遇措置を受けられるようになります。

療育手帳を入手するためには診断書が必要になります。テストを受けることによって知能指数を測定し、それが診断書へ反映されるのです。年齢によって2~10年ごとの更新は必要ですが、必要書類の提出によって障害者手帳を保持できます。

障害者手帳を利用することによって受けられるメリットは多いです。医療費や税金の減額が可能ですし、障害者割引も利用できます。それに加えて、障害福祉サービスの利用も視野に入れましょう。

知的障害者で最初に考えるべき内容の一つが療育手帳の取得です。そこで、どのように療育手帳を活用すればいいのか解説していきます。

知的障害者は療育手帳(愛の手帳)となる

障害者手帳には複数の種類があります。その中でも、知的障害者は療育手帳を保有することになります。地域によっては療育手帳の名前が異なり、愛の手帳やみどりの手帳と呼ばれることもあります。

知能指数(IQ)が低い場合、知的障害者となります。生まれつき知能に障害がある場合、知的障害者なのです。

・発達障害は精神障害者保健福祉手帳となる

ちなみに、発達障害は精神障害者に分類されます。そのため発達障害の場合、療育手帳ではなく精神障害者保健福祉手帳への申請を考えなければいけません。

場合によっては発達障害と知的障害を併発していることもあります。この場合、精神障害者保健福祉手帳と療育手帳の2つを保有しても問題ありません。

療育手帳の等級・区分と判断基準:通常は3歳以上から

療育手帳を取得するとき、年齢制限はありません。一方で何歳から取得可能かというと、通常は3歳からです。すべての子供は3歳まで言葉が不自由であり、赤ちゃんの段階で知的障害者と判断するのは困難です。

なおダウン症のように、「遺伝的疾患によって知的障害がある」と明らかな場合、例外的に1歳から取得できるケースはあります。ただ、そうした例外を除いて療育手帳は3歳からになると考えましょう。

このとき、どれだけ知的障害の程度が重いのかによって等級が異なります。検査によって知能指数(IQ)を調べ、この結果によって等級を決定するのです。政府が発表している資料では以下のようになっています。

IQ重症度等級・区分
~20最重度療育手帳A
21~35重度
36~50中度療育手帳B
51~70軽度

知能指数(IQ)が35以下の場合、療育手帳Aとなります(自治体によって等級・区分の種類は異なる)。また、それ以外は療育手帳Bとなります。なお中度の知的障害であっても、身体障害を併発している場合は療育手帳Aとなり、重度の等級・区分を得られることもあります。

2~10年ごとに更新し、ある年齢で再発行が不要になる

なお療育手帳は更新が必要になります。年齢によって必要な更新頻度は異なりますが、2~10年ごとに更新することになります。特に未成年で年齢が低い場合、2年ごとの更新となります。

ただ35歳以上や40歳以上など、特定の年齢になると更新が不要になり、再発行の必要性がなくなります(どの年齢で更新が不要になるのかは自治体によって異なる)。

例えば以下は千葉県船橋市について、療育手帳の更新時期に関する内容です。

このように、年齢によって2年ごとの更新や10年ごとの更新、更新なしになっているとわかります。基準は自治体によって異なるものの、こうした更新頻度になっています。

療育手帳へ申請するための必要書類・手続き

そこで知的障害がある場合、療育手帳を入手するために役所で申請しましょう。役所に出向き、障害福祉課などで相談することで必要な手続きをすることができます。

このとき、通常だと役所で以下の書類を提出することになります。

  • 申請書(役所に存在)
  • 知的障害に関する診断書
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 障害者手帳用の写真

そこで、これらの書類を集めて提出しましょう。実際に障害者手帳が交付されるまでには2か月ほどの時間がかかります。そこで、早めに書類を集めるといいです。

交付には診断書が必要であり、審査で最も重要

上記の必要書類からわかる通り、知的障害者かどうかを判断できる書類は診断書のみです。そのため、療育手帳を入手するためには診断書の内容が最も重要になります。

18歳未満の未成年については、児童相談所で診断書を入手できます(18歳以上の場合は知的障害者更生相談所で入手できる)。ここで知能指数に関するテストを受け、周辺情報の聞き取りが行われた後、知的障害者かどうかの判断をされるのです。

なお、診断書は以下のような書類になります。

ひとまず、こうした診断書を入手して役所で提出する必要があります。

子供・大人の療育手帳で行えることは多い

こうして療育手帳を入手すると、多くのメリットを受け取れるようになります。金銭面では大幅に支出が少なくなり、国から手当を受けることもできます。

例を記すと以下のようになります。

  • 所得税・住民税・自動車税の軽減
  • ガソリン代の補助
  • 医療費の助成
  • 国からの手当
  • 電車、新幹線、バス、タクシー、高速道路の割引
  • 美術館、水族館、テーマパークの割引
  • おむつ代の助成

子供が療育手帳を保有することにより、子供(障害児)を育てる親の支出は大幅に減ります。減税や障害者割引、毎月の助成金、おむつ代の補助など得られるものは多いです。また子供に限らず、大人の知的障害者であっても減税や障害者割引、医療費助成などメリットは大きいです。

他にもたくさんありますが、障害者手帳によって可能になることは多いです。療育手帳(愛の手帳)の等級・区分によって得られるメリットに違いはあるものの、こうした制度を利用することによって支出を大幅に軽減できます。

なお、療育手帳を保有することによってメリットはあっても、デメリットは一つもありません。療育手帳によって障害者と公式に認定されることで、公的な助成制度を利用できるようになるのです。

障害福祉サービスで就職や格安での一人暮らしが可能

なお療育手帳を取得したのであれば、障害福祉サービスも積極的に活用しましょう。大人向けの障害福祉サービスですが、子供(障害児)がいる家庭であっても以下のサービスを利用できます。

  • 居宅介護(ホームヘルプ)
  • 短期入所(ショートステイ)

例えば冠婚葬祭などにより、どうしても障害児の子供を預けたい場合、ショートステイによって格安にて預けることができます。

また成長して子供ではなくなった場合、障害者手帳(療育手帳)があれば障害者雇用に申し込むことができます。障害者雇用を支援する障害福祉サービスに就労移行支援があり、これによって企業就職も可能になります。

また障害者グループホームは障害福祉サービスの一つであり、たとえ働けない重度の知的障害者であっても、新たな支払いなしに親元を離れて住める仕組みになっています。以下のように、障害者たちで共同生活を送る施設になります。

障害福祉サービスと障害者手帳は別の制度です。ただ障害者雇用で障害者手帳は必須ですし、障害者グループホームへの入居ではほぼ確実に障害者手帳の提示を求められます。そのため、知的障害者が公的サービスを利用するときに療育手帳は重要になるのです。

知的障害者が障害者手帳を活用し、公的サービスを利用する

障害者にとって障害者手帳は必須であり、障害者手帳がないと障害者とは公式に認められません。そこで、知的障害者は療育手帳(愛の手帳)を保有するのです。

知能指数(IQ)に関するテストを受けることにより、診断書を得ることができます。そこで診断書と共に他の必要書類を役所で提出すれば、療育手帳が交付されます。療育手帳には等級があり、知的障害の重さによって等級・区分が決定されます。

療育手帳のメリットは多く、税金の減額や毎月の補助金、障害者割引、医療費助成と日々の支払いを大幅に少なくできます。さらには、障害福祉サービスを利用するときにも療育手帳が役立ちます。

知的障害者の場合、療育手帳を一生使い続けることになります。そこで療育手帳(愛の手帳)へ申請し、知的障害者としてのメリットを得られるようにしましょう。

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