18歳以上の成人になった段階で療育手帳の取得を考える人はたくさんいます。こうした人としては、特に発達障害の人で多いです。

子供のときに知的障害がある場合、たとえ大人になった後であっても療育手帳の取得が可能です。18歳未満のときに知的障害があることを証明する必要はあるものの、療育手帳の取得に年齢制限は特に存在しないのです。

ただ18歳未満の人に比べると、大人になった後での療育手帳の取得はどうしても難しくなります。そこで、どのようにして知的障害者と認められるのか知っておかなければいけません。

それでは、成人が療育手帳へ申請するためにはどうすればいいのでしょうか。大人で療育手帳を入手する手順を解説していきます。

療育手帳の取得に年齢の上限は存在しない

障害者手帳を入手するとき、特に年齢制限はありません。これは療育手帳も同様です。知的障害者は通常、18歳未満のときに療育手帳(愛の手帳)を取得するのが一般的であるものの、18歳以上であっても問題ないのです。

そのため「自分の知能指数(IQ)に問題があるのでは」と疑いをもつ人について、療育手帳の取得を考えるのは問題ありません。

このとき、療育手帳の等級・区分は以下のようになります。

IQ重症度等級・区分
~20最重度療育手帳A
21~35重度
36~50中度療育手帳B
51~70軽度

重度の知的障害者であれば、大人になってから新規で取得するケースは基本的にないと思います。そのため大人での取得は軽度知的障害者がメインになりますが、この場合は療育手帳Bの取得を考えましょう。

18歳以上の取得では知的障害者更生相談所へ出向く

障害者手帳の申請は役所で行います。そのため、療育手帳の申請では役所の障害福祉課などで相談することになります。

なお、障害者手帳の申請では必ず診断書の提出が必須になります。知的障害者の診断書について、18歳未満であれば児童相談所へ出向いて診断書を入手します。一方で18歳以上については、知的障害者更生相談所で診断書を入手しましょう。

テストを受けることにより、知能指数の判定を受けます。こうして、診断書に結果が記載されることになります。

テストの結果、一般的なIQとわかった場合、当然ながら知的障害者とは認定されません。知能指数が低い人のみ療育手帳の発行が可能です。

特に発達障害の人では、前述の通り大人になった後に療育手帳の発行を考える人がたくさんいます。ただ発達障害であっても知能レベルが普通または高い人は多く、この場合は知的障害なしとなります。当然、知的障害者とは認定されません。

通常は18歳未満で取得する

なお療育手帳の取得で年齢制限がないとはいっても、通常は18歳未満の段階で療育手帳(愛の手帳)を取得するのが基本です。知的障害の多くは生まれつきであり、大人になったあとに新たに知的障害者になることはありません。

脳梗塞など病気によって脳機能が落ちることはあるものの、この場合は知的障害者ではなく身体障害者です。また、認知症で体の機能に異常がない場合は精神障害者となるため、この場合に取得するのは精神障害者保健福祉手帳です。

このように考えると、生まれつき知的障害をもつ人(または子供のときの病気が原因の人)が療育手帳を保有できると理解しましょう。成人になった後に起こった脳の機能障害は知的障害ではありません。

未成年のとき、知的障害があったと証明する必要あり

元から知的障害のある人が療育手帳を取得できるため、大人になった後に療育手帳へ申請し、交付してもらうためには「子供のときから知的障害者であった」ことを証明する必要があります。これが、成人で療育手帳を新たに保有するのが難しい理由です。

子供のときから知的障害者であったことを客観的に証明する書類を提出することになりますが、例えば以下の書類が該当します。

  • 成績表・学力テストの結果
  • 特別支援学校や特別支援学級に在籍していたとわかる書類
  • 医療機関で実施した18歳未満での知能検査の結果

こうした書類や証明書について、18歳未満であれば取得が容易です。いま通っている学校へ問い合わせればいいからです。

一方で18歳以上の場合、こうした書類が手元にない人が大半です。また、過去に特別支援学級に在籍していたとしても、10年以上も前であり、当時お世話になった先生が誰一人として残っていないのは普通です。

大学まで卒業すると療育手帳の取得はより困難

知的障害者の認定を受けるとき、特に大学を卒業している人は取得がより困難と認識しましょう。たとえ偏差値の低い大学であっても、大学受験をするためにはそれなりの勉強をして、入学テストに合格する必要があります。

さらに、大学入学後は授業を受けて新たなことを学び、試験に合格することで単位を積み重ねなければいけません。場合によっては、研究室に属して研究することもあります。

このような場合、たとえ実際には軽度の知的障害者であったとしても、知的障害者と認められる可能性は非常に低くなります。「大学に入学し、卒業できる人が知的障害者なのか?」という疑問が生まれるからです。

実際のところ、ADHDやアスペルガー症候群、学習障害で特別支援学級に通っていたものの、知能指数には問題なく、大学を卒業している発達障害の人はたくさんいます。そのため療育手帳の取得には大量の資料提出が必要ですし、これが大学を卒業しているとなると、どうしても知的障害者の証明が難しくなると考えましょう。

精神障害者保健福祉手帳でも十分

なお大人になってから療育手帳の取得を考える場合、重度でなく、軽度知的障害の疑い自分自身にもっていると思います。つまり障害者手帳を取得するにしても、療育手帳の中でも低い区分(療育手帳B)となります。

このとき、発達障害などで精神障害者保健福祉手帳を既に保有している場合、療育手帳との違いはほとんどありません。つまり精神障害者保健福祉手帳の2級や3級に加えて、療育手帳Bを取得しても得られるメリットは特に変わらないと理解しましょう。

得られる手当や公的支援、障害者割引など、療育手帳Bというのは、精神障害者保健福祉手帳2~3級で代用できます。同じことは身体障害者手帳にもいえます。そのため、他の障害者手帳を保有している人の場合、療育手帳を新たに取得するメリットはほとんどありません。

もちろん、「障害者手帳を他に保有していない」「別の理由があって療育手帳へ申請したい」などであれば問題ありません。

ただ、大人ではどうしても取得条件が厳しいです。18歳未満のときに知的障害者であったことを証明するためには大量の書類提出が必要ですし、親などへの聞き取りを要求されるのも普通です。

こうした作業が必要であることを考えると、他に障害者手帳をもつ人が大きな労力を使って新たに療育手帳を取得するメリットはほぼありません。

成人で療育手帳を新たに取得する

どの年齢であっても障害者手帳へ新たに申請し、交付してもらうことができます。これは知的障害者についても同様であり、18歳以上であっても療育手帳の入手が可能です。

ただ知的障害者というのは、18歳未満の段階で知能指数(IQ)が低い必要があります。そのため、未成年のときに知的障害があった事実を書類によって証明する必要があります。これが、大人になった段階で療育手帳を取得するのが大変な理由です。

なお、大人で療育手帳の取得を考える人は発達障害で多いです。ただ、既に精神障害者保健福祉手帳など他の障害者手帳を保有している場合、公的サービスや特典の面で新たに療育手帳を保有するメリットはありません。

成人で療育手帳の取得は可能です。ただ18歳未満で知的障害者に認定される場合に比べると、大人の療育手帳取得は難易度が高くなります。大人になって療育手帳を入手したい人は、こうした事実を認識したうえで知的障害者の認定に挑戦しましょう。

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