障害者の場合、低年収になりがちにも関わらず医療費の支払いが必要な人が多いです。そのため、障害者手帳をもつ人にはさまざまな助成制度があります。

この中でも、重度の障害者では障害者医療費助成制度を利用できます。重度障害者医療証(障害者医療証)を交付してもらうことにより、ほとんど医療費の支払いなしに障害者は医療を受けることができるのです。

この制度により、薬代や訪問看護を含めて負担が軽くなります。ただ所得制限があるため、すべての世帯が利用できるわけではありません。

それでは、どのように障害者医療費助成制度を利用すればいいのでしょうか。障害者手帳をもつ人で医療費を格安に抑える方法を解説していきます。

重度障害者医療証で月の医療費の自己負担が軽くなる

障害者の中でも、重度障害者医療証を保有している人は医療費が格安になります。例えば、月の負担上限額が1000円や3000円となります。

自治体によって医療証の色は異なりますが、以下のような書類が重度障害者医療証です。

通常、障害者であっても医療費の負担は健常者と同じです。ただ身体障害者手帳を保有して障害者医療費助成制度へ申請することにより、医療費が格安になるのです。

生活保護の場合、元から医療費ゼロなので重度障害者医療証を交付してもらう意味はありません。一方で例えば住民税の非課税世帯であれば、生活保護ではないので申請しなければ高額な医療費が発生します。これを避けるため、障害者医療費助成制度を利用して医療費の割引や助成をしてもらうのです。

自治体によって詳細は異なる

なお障害者手帳を保有している人で医療費の割引・助成を受けられるとはいっても、内容は自治体独自になります。つまり、住んでいる自治体が違えば医療費助成の内容は大きく異なると考えましょう。

例えば以下は、東京都の障害者医療費助成制度です。

重度障害者医療証を交付してもらうことにより、住民税の非課税世帯は無料になります。重い障害をもつ人の多くは低所得者であり、住民税の非課税世帯に該当するため、東京都では医療費の心配は不要です。

また、前年の所得が高くても医療費負担は1割になりますし、月の負担上限額も存在します。通院と入院で異なりますが、東京都の場合はこのようになっています。

なお前述の通り、自治体によって障害者医療費助成制度の内容が異なります。そこで、あなたが住んでいる都市について「障害者医療費助成制度 〇〇市」などWebで調べるといいです。

障害者医療費助成制度の対象者

それでは、重度障害者医療証が交付される対象者はどのようになっているのでしょうか。自治体独自の制度であるため、対象者も自治体によって変わります。ただ、一般的には以下のようになります。

  • 身体障害者手帳1級・2級
  • 重度の知的障害者(IQ35以下)
  • 精神障害者保健福祉手帳1級

障害者手帳を保有している人で医療費減額が可能といわれているのは、障害者手帳の保有によって障害者医療費助成制度の対象者となり、重度障害者医療証を交付してもらえるからです。

すべての障害者手帳保有者が対象ではなく、「ある程度、重度の人に対して発行される障害者手帳」の保有が必要です。ただ知的障害者や精神障害者、身体障害者であれば、これらの障害者手帳を保有していることはよくあるため、申請すれば医療費割引・助成を受けられます。

所得制限により、利用できない人は存在する

なお障害者医療費助成制度を利用するためには所得制限があります。本人の所得が高い場合、たとえ対象となる障害者手帳を保有していても重度障害者医療証を交付してもらえません。

以前から障害者なのであれば、ほとんどの人で所得が非常に低いです。一方、以前は健常者で働いていたものの、事故や病気によって急に障害者になった人では、前年の年収が高いために所得制限に引っかかってしまう可能性があります。

この場合、所得制限に引っかからなくなった後に障害者医療費助成制度へ申請しましょう。所得制限は自治体によって基準が異なるものの、例えば以下は名古屋市の所得制限です。

年収500万円の場合、課税所得は約360万円となります。そのため名古屋市の場合、独身者は年収500万円が所得制限の境目となります。

なお名古屋市の基準は「本人の所得」だけであり、配偶者やその他の家族は関係ありません。一方、ほかの自治体では「配偶者やその他の扶養者を含めた所得制限」で判断することもよくあります。この場合、配偶者の年収が高ければ障害者医療費助成制度へ申請できません。

障害者の医療費は高くなりやすいです。そのため所得制限に引っかかるのであれば、基準の低い他の自治体へ引越すことも視野に入れるといいかもしれません。

なお生活保護や子供の医療費助成など、元から医療費無料の人は障害者医療費助成制度を利用する意味がないため、障害者手帳を保有していても重度障害者医療証の対象者とはなりません。

薬代や訪問看護も対象に含まれる

こうした医療費には薬局での薬代や訪問看護の費用も含まれます。医療保険を利用することにより、薬局で薬を受け取ることができます。このときの薬代についても、障害者医療費助成制度を利用することで費用負担はほぼなくなります。

また人によっては、訪問看護や訪問リハビリを依頼することがあります。通院が難しい場合、こうした在宅サービスを受けるのはよくあります。

訪問看護・訪問リハビリは医療保険または介護保険を利用できます。そこで重度障害者医療証を保有しているのであれば、必ず医療保険を利用しましょう。障害者にとって月の負担上限額は格安なので、医療保険を利用するほうが都合がいいからです。

自宅に住んでいても障害者グループホームを利用していても、訪問看護や訪問リハビリを利用できます。障害者医療費助成制度を利用している場合、訪問看護ステーションへ重度障害者医療証を提示しましょう。

入院での自費部分は助成されない

ただ重度障害者医療証を保有していても、元から自費の部分は助成されません。例えば病院へ入院する場合、保険適用外の食事代や差額ベッド代などは自費になることが有名です。

病院やクリニックで必要なすべての費用が助成対象ではないことに注意しましょう。

なお自治体によっては、障害者医療費助成制度を利用するとき、外来(通院)の場合と入院の場合で月の負担上限額が異なるケースがあります。入院のほうが多くの費用を必要とするため、入院するほうが月の上限金額が高く設定されているケースがあるのです。

こうした入院の費用負担についても、自治体の助成内容を確認するといいです。

重度障害者医療証の申請・更新を行う

そこで、障害者手帳を保有している人は自治体の認定要件を確認し、役所で申請しましょう。以下の書類が必要になります。

  • 申請書
  • マイナ保険証
  • 障害者手帳

申請書は役所で入手できるので問題ありません。それに加えて、マイナ保険証と障害者手帳を持参するのです。

ちなみに、重度障害者医療証の更新は先ほどの書類に加えて、以前の医療証を持参することで可能です。

障害者医療費助成制度によって医療費が安くなる

知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者は障害者手帳を保有することになります。こうした障害者手帳を利用することにより、特に重度の人は医療費が大幅に減額できたり、助成されたりします。対象は医薬品代や訪問看護代にも適用されます。

そこで、どのような人が対象者なのか自治体に確認しましょう。自治体によって対象者や助成内容が大きく異なります。

また所得制限もあります。所得制限の内容についても、自治体によって違います。本人の所得だけが対象の自治体があれば、配偶者まで確認されるケースもあります。

いずれにしても、重度障害者医療証を利用すれば医療費が大幅に安くなります。障害者で定期的な通院が必要なのは一般的なので、こうした制度を利用しましょう。

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