学生ビザや就労ビザを有していたり、永住権によって日本に滞在していたりする外国人はたくさんいます。こうした外国人について、日本へ移住後に障害者になることがあります。または、子供が障害者であることもあります。
障害者であると、障害者手帳を保有することで多くの特典を得られます。日本人ではなく、外国人であっても障害者手帳を入手可能です。
ただ日本人とは異なり、障害者手帳を保有してすべてのメリットを利用できるわけではありません。そのため一時的な日本滞在ではなく、永住を考えているのであれば、早めに日本国籍を取得するほうがいいケースは多いです。日本では障害者に対して非常に手厚い制度が整っているからです。
それでは、外国人の障害者はどのように考えて障害者手帳を利用すればいいのでしょうか。外国人による障害者手帳の取得について解説していきます。
もくじ
住民票の登録があれば障害者手帳を保有できる
外国人であっても、住民票の登録があれば障害者手帳を保有できます。つまり、観光客や不法滞在者でないのであれば、誰でも障害者手帳を保有できるのです。
学生ビザや就労ビザ、永住者ビザなど、合法的に日本に滞在できるビザを取得しており、日本国内に住所がある場合、以下の障害者手帳へ申請できます。
- 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
- 療育手帳(愛の手帳):知的障害のある人
- 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人
通常、療育手帳(愛の手帳)は18歳未満で申請できます。知的障害者の手帳取得は未成年である必要があるため、子供が障害児の場合に療育手帳を保有できます。
一方で身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳については、申請するときに年齢制限はありません。子供や大人を含めて、障害者であれば申請できます。
マイナンバーカードなどの確認が必須
なお前述の通り、日本で正規に外国人登録している人が障害者手帳の発行対象になります。日本への滞在資格をもつ外国人の場合、マイナンバーカードや在留カードなど正式な書類を保有していると思います。
障害者手帳の申請をするとき、医師の診断書だけでなく、本人確認書類の提出が必要になります。そこで、正式な手続きによって日本に滞在していることを証明するため、マイナンバーカードや在留カードなどを提示できるようにしておきましょう。
在留を証明できる書類を用意できれば問題ないため、外国人が障害者手帳を保有するのは難しくありません。こうした必要書類に加えて、医師による診断書をもらった後に役所で申請しましょう。
障害者手帳の特典は日本人と同じ
実際に障害者手帳を保有すれば、日本人と同じ特典を得られるようになります。障害者手帳の等級によって得られるメリットは異なりますが、以下の特典を得られます。
- 所得税・住民税の減税(本人または配偶者・扶養者)
- 自動車税の減免
- 電車やバス、タクシーでの割引
- 映画館やテーマパークの割引
障害者手帳があれば、支払う税金が低くなり、障害者割引を利用できます。そのため、お金の支払いが少なくなります。
それに加えて、障害者で利用可能な福祉サービスを活用できます。例えば子供が障害児なのであれば、放課後等デイサービスを利用するのは普通です。障害をもつ小学生・中学生・高校生が通う支援サービスが放課後等デイサービスです。
障害者であれば、こうした福祉サービスを利用できるため、積極的に活用しましょう。
本人が働けない場合、永住者以外は在留期間の制約に注意
なお場合によっては、子供ではなく本人が身体障害者や精神障害者となり、働けない場合があります。このとき結婚していなかったり、永住資格を持たなかったりする場合、日本での滞在はできません。
例えば退職後、すぐに転職・就職するのであれば、就労ビザによって引き続き日本に滞在できます。ただ退職後、再就職せずに3か月が経過すると在留資格の取消しとなり、ビザが無効となります。
障害者では再就職が難しいです。しかし障害者であっても、日本での永住資格がない場合、退職後に3か月が経過するとあなたの母国へ帰らなければいけないと理解しましょう。
当然ながら、日本が外国人を保護する義務はありません。これについては、あなたの国も同様です。こうした事実は事前に理解しましょう。
日本国籍だと障害者は補助が圧倒的に手厚くなる
そのため、5年や10年など長期で日本に滞在しているのであれば、日本国籍の取得を考えるのは優れています。駐在員など短期滞在者は対象外となりますが、日本では障害者に対する手当が非常にたくさんあります。
特に子供が障害者の場合、あなたの母国に帰って住むよりも、日本国籍を取得して子供も含めて日本人になるほうが優れています。日本国民になる場合、合法的に日本でずっと滞在でき、障害者はほかの国では実現できない以下のメリットをすべて受けられます。
- 障害年金の取得:障害者であれば働いた経験がなくても年金を受け取れる
- 障害福祉サービスの利用
- 医療費が格安になる:障害者は1割負担が可能(条件あり)
- 生活保護費の受給
日本は金持ちに対して厳しいものの、障害者を含め低所得者に対しては非常に手厚い制度があります。
例えば障害福祉サービスの一つに障害者グループホームがあります。シェアハウス形式で障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。低所得者だとサービス料は無料であり、家賃は国や自治体から補助されます。そのため、必要な支払いはほぼ食費や水道光熱費などの実費のみです。
お金の支払いがほとんどないため、まったく働くことができなくても、障害年金だけで生活できる仕組みが日本には存在します。
日本の滞在資格がない場合、こうした障害福祉サービスは利用できません。一方で日本にずっと住める場合、公的な福祉サービスを利用することによって収入ゼロであっても障害者は何も問題なく生活できます。
また日本国籍の保有者や永住資格をもつ人では、日本に滞在しつつさまざまな制度を利用できます。例えば退職後に失業保険へ申請する場合、健常者は90日の受給日数(10年未満の勤続の場合)ですが、障害者手帳を保有していれば300日の受給日数になります(45歳以上は360日の受給日数)。
永住できない外国人の場合、障害者手帳を保有してもすべての場面で利用できるわけではありません。そこで合法的に日本に滞在できるようにすれば、障害者向けのあらゆる制度を活用できるようになります。
外国人であっても障害者手帳を保有できる
住民票があり、合法的に日本に滞在している場合、外国人であっても障害者手帳へ申請できます。もちろん、子供が障害者の場合も障害者手帳を保有できます。身体障害者手帳や療育手帳(愛の手帳)、精神障害者保健福祉手帳のうち、対象の障害者手帳を入手しましょう。
外国人であっても、障害者手帳があれば所得税・住民税が低くなりますし、障害者割引を利用できます。そのため、お金の支払いは大幅に減ります。
ただ外国人の場合、日本人と同じメリットを受けることはできません。例えば退職した場合、3か月以上が経過すると滞在資格を失うため、障害者手帳は効力を失います。そのため必要なのであれば、日本国籍の取得を検討しても問題ありません。
日本は低所得者に対して手厚い制度があり、障害者は収入ゼロであっても親元を離れて暮らせる仕組みが存在します。日本に合法的にずっと住める場合、こうした障害者向けの制度を利用できます。いずれにしても、これらの内容を理解して障害者手帳を活用しましょう。
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