心疾患を有していることにより、日常生活が不自由になっている人は多いです。こうした人について、身体障害者手帳を保有できます。

医療機器を体内に埋め込んでいない人は当然として、ペースメーカーや人工弁を利用している人についても障害者手帳の対象です。ただ身体障害者手帳については、再認定をしなければいけない人は多く、そのつど等級が見直されます。

当然ながら、等級が重いほど優れた公共サービスを受けられるようになります。そのため、障害者手帳の認定基準を理解するのは重要です。

それでは心疾患を有していたり、不整脈でのペースメーカーや弁膜症での人工弁を活用していたりする人はどのように障害者手帳を考えればいいのでしょうか。心臓機能障害での身体障害者手帳の等級や再認定について解説していきます。

心臓病で身体障害者手帳を受け取る

心臓の病気は死に直結しますし、日常生活にも支障が表れやすいです。こうした内臓疾患は身体障害者手帳の対象になります。またペースメーカーや利用していたり、人工弁を活用していたりしても障害者手帳の対象です。

このとき、障害程度等級表は以下のようになっています。

等級状態
1級日常生活活動が極度に制限される
3級家庭内での日常生活活動が著しく制限される
4級社会での日常生活活動が著しく制限される

このように心疾患では身体障害者手帳の1級・3級・4級のうち、どれかになります。ただ上の表を見ても認定基準が明確にわからないため、より詳細に確認していきましょう。

18歳以上での認定基準と等級

心疾患で障害者手帳を入手する場合、18歳以上と18歳未満で分けて考えます。まずは、18歳以上の認定基準を確認しましょう。

18歳以上の認定基準では、異常な臨床検査所見が存在するかどうかを確認します。

  1. 胸部エックス線所見で心胸比0.60以上
  2. 心電図で陳旧性心筋梗塞所見がある
  3. 心電図で脚ブロック所見がある
  4. 心電図で完全房室ブロック所見がある
  5. 心電図で第2度以上の不完全房室ブロック所見がある
  6. 心電図で心房細動または粗動所見があり、心拍数に対する脈拍数の欠損が10以上
  7. 心電図でSTの低下が0.2mV以上
  8. 心電図で第Ⅰ誘導、第Ⅱ誘導および胸部誘導(V1を除く)のいずれかのTが逆転した所見がある

このとき、心臓病の認定基準は以下になります。

等級状態
1級異常検査所見a~hのうち2つ以上の所見があり、かつ安静時・日常生活活動でも心不全症状・狭心症症状やアダムスストークス発作が繰り返し起こる
先天性疾患によりペースメーカーなどを植え込んだ
人工弁移植、弁置換をした
心臓移植後について、抗免疫療法を必要とする期間中
3級異常検査所見a~hのうちいずれかの所見があり、かつ多少の日常生活活動で心不全症状・狭心症症状が起こったり、頻回に頻脈発作を起こしたりして救急医療を繰り返す
ペースメーカーなどを植え込み、家庭内での日常生活活動が著しく制限(運動強度メッツの値が2以上4未満)
4級極めて温和な日常生活活動には支障なしだが、それ以上の活動では心不全症状または狭心症症状が起こり、かつ次のうちいずれかの所見がある

  • 心電図で心房細動または粗動所見がある
  • 心電図で期外収縮の所見が存続する
  • 心電図でSTの低下が0.2mV未満の所見がある
  • 運動負荷心電図でSTの低下が0.1mV以上
部分的心臓浮腫があり、かつ極めて温和な日常生活活動に支障はないが、それ以上の活動は著しく制限される(または頻回に頻脈発作を繰り返し、日常生活・社会生活の妨げになる)
ペースメーカーなどを植え込み、社会での日常生活活動が著しく制限される(運動強度メッツの値が4以上)

ペースメーカーを利用している人については、日常生活の困難さによって身体障害者手帳の等級が異なります。一方で弁膜症によって人工弁を装着した場合、自動的に身体障害者手帳1級となります。また、これらの医療機器を使用していない人は症状の程度によって等級が変化します。

18歳未満での認定基準と等級

それでは、18歳未満についてはどのように考えればいいのでしょうか。まず、以下の異常所見があるかどうかを確認します。

  1. 著しい発育障害
  2. 心音・心雑音の異常
  3. 多呼吸又は呼吸困難
  4. 運動制限
  5. チアノーゼ
  6. 肝腫大
  7. 浮腫
  8. 胸部エックス線で心胸比0.56以上
  9. 胸部エックス線で肺血流量増または減がある
  10. 胸部エックス線で肺静脈うっ血像がある
  11. 心電図で心室負荷像がある
  12. 心電図で心房負荷像がある
  13. 心電図で病的不整脈がある
  14. 心電図で心筋障害像があるもの

次に、以下の認定基準によって等級を確認していきます。

等級状態
1級重い心不全、低酸素血症、アダムスストークス発作、狭心症発作で継続的医療を要するケースについて、異常所見1~11のうち6項目以上が認められる
ペースメーカーなどを植え込んだ
人工弁移植、弁置換をした
心臓移植後について、抗免疫療法を必要とする期間中
3級継続的医療を要し、異常所見1~11のうち5項目以上が認められる(または心エコー図、冠動脈造影で冠動脈の狭窄や閉塞がある)
4級1~3か月の間隔で観察を要し、異常所見1~11のうち4項目以上が認められる(または心エコー図、冠動脈造影で冠動脈瘤や拡張がある)

ペースメーカーの使用については、18歳以上のときと判断が大きく異なります。18歳未満でペースメーカーを装着する場合、無条件で身体障害者手帳1級となります。

先天性疾患によりペースメーカーを植え込みした場合、先に解説した通り等級は1級です。先天性疾患は「18歳未満で発症した心疾患」を指すため、18歳未満でのペースメーカー使用は身体障害者手帳1級に該当するのです。

ペースメーカーの埋め込みから3年以内に更新・再認定を行う

このとき、心臓機能障害で障害者手帳を入手すると再認定となる人がいます。例えば18歳未満でペースメーカーを利用したり、弁膜症で人工弁を活用したりする場合、1級となります。

一方で成人した後にペースメーカーを装着した場合、埋め込みから3年以内に再認定を行うことになります。ペースメーカーの活用によって日常生活での活動が改善することはよくあります。このとき再認定は身体活動能力(メッツ)を用いて行います。以下の基準になります。

  • 身体活動能力が2メッツ未満:1級
  • 身体活動能力が2以上4未満:3級
  • 身体活動能力が4以上:4級

大人になってペースメーカーやICDを埋め込んだ人について、こうした再認定を行いましょう。また再認定により、身体障害者手帳の等級が1級から4級になるのは普通です。

メリットの多い障害者手帳を心疾患で活用する

身体障害者手帳を保有するとメリットは多い一方、デメリットは基本的にありません。たとえ高齢者・老人であっても心臓疾患で障害者手帳の入手が可能です。

そこで心臓病での認定基準を学びましょう。ペースメーカーや人工弁を活用している人についても、身体障害者として等級が存在します。

ただ18歳以上でペースメーカーを埋め込んだ場合、更新・再認定が必要になります。最初の申請時の等級がずっと続くわけではありません。更新時は身体活動能力(メッツ)を用います。一方で「18歳未満でペースメーカーを活用」「弁膜症で人工弁を使用」の場合、無条件で1級となります。

心臓病について障害者手帳を利用できるものの、認定基準が少し複雑です。特にペースメーカーを活用している人について、装着時の年齢によって対応が異なります。そこで、こうした制度を事前に理解しましょう。

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