障害者であれば、ほとんどの人が障害者手帳を保有しています。このとき、障害者で他の自治体へ引越しすることはよくあります。それでは転居によって住所が変わる場合、障害者手帳は県外など他の自治体でもそのまま使えるのでしょうか。

引越しをしても、障害者手帳は県外で使えます。そのため、転居によって住所が変わっても特に手続きは不要です。

なお一般的には、引越し先の自治体で手続きをすることによって新たな障害者手帳を発行してもらえます。このとき医師の診断書は不要であり、転入先(引越し先)の役所で申請すれば新たな障害者手帳を得られます。

それでは障害者の引越しで手帳の取り扱いをどのようにすればいいのでしょうか。引越しでの障害者手帳の取り扱いを解説していきます。

住所変更で県外へ転居・引越しても障害者手帳を使える

特別な理由がない限り、障害者は障害者手帳を保有することになります。障害者手帳には以下の種類があります。

  • 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
  • 療育手帳:知的障害のある人
  • 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人

障害者手帳を利用することによって交通費の割引があったり、税金が低くなったりします。

これら障害者手帳については、県外へ転居・引越しをしたとしてもそのまま利用できます。つまり、ほかの自治体に転居したとしても「障害者手帳の更新をしない」という選択が可能なのです。

他県でも手帳の割引が有効なのは全国共通

このように障害者手帳で引越しに伴う手続きが基本的に不要な理由としては、障害者手帳による割引は全国共通であることが挙げられます。つまり、どの自治体から発行されても全国すべての場所で共通に利用できるのです。

例えばテーマパークであれば、障害者手帳を利用することで割引となるのは有名です。テーマパークにはさまざまな都市から人が来ますが、障害者手帳があれば無条件でチケットが割引となります。例えば以下は、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)での障害者割引の内容です。

また交通費(電車代、バス代、タクシー代)についても、障害者手帳を保有していれば全国共通で割引が可能です。

住んでいる自治体だけでなく、県外でも問題なく使えるのが障害者手帳です。こうした性質があるため、住所が変わって他の自治体に住むにしても、以前の自治体から発行された障害者手帳のままで特に問題は起こらないのです。

引越し後に住所更新を行う

それでは、他県でも使えるからといって放置しても問題ないのかというと、そういうわけでもありません。たとえ同じ自治体の中での引越しであっても、障害者手帳の住所と現住所が異なるのは問題だからです。障害者手帳に住所が記載されているのは普通です。

「障害者グループホームに住み始めたものの、住民票は実家に残したまま」という状態であれば特に問題ありません。ただ引越しによって、旧住所に障害者本人や家族が住んでいない状態は微妙なのです。

そこで同じ市区町村での引越しであっても、ほかの自治体への引越しであっても、役所に出向いて住所変更を行いましょう。以前の障害者手帳を持参して役所へ出向き、手続きをすることで新たな障害者手帳を発行してもらえます。

等級の変化や氏名変更のケース

なお通常、引越しによる障害者手帳の更新では面倒な手続きはありません。ただ障害の程度の変化や障害追加の場合、以前の障害者手帳の持参だけでは発行してもらえません。この場合、新規発行や更新と同様に医師の診断書(意見書)が必要になります。

例えば以下は、精神障害者用の診断書です。

一方で紛失・破損による再発行の場合、「手帳の写しなど、以前の発行書類」があれば、診断書なしに発行できます。

また結婚などによって名前が変わった場合についても、役所で申請することで新たな障害者手帳を交付してもらうことができます。氏名変更を含め、再発行には1~2週間ほどの時間が必要になります。

転出先で手続きはなく、転入先の役所で確認すれば問題ない

それでは、実際に引越しをするときはどのような手続きになるのでしょうか。同じ自治体内で引越しをする場合、いま住んでいる自治体の役所で住所変更をすればいいとわかります。一方で他県への引越しなど、ほかの自治体への転居ではどうなるのでしょうか。

この場合、以前の自治体(転出先)で手続きをすることは基本的にありません。一方で引越し先(転入先)の役所で手続きをしましょう。通常、以下が必要書類になります。

  • 住所変更届(役所の窓口に存在する)
  • 障害者手帳
  • マイナンバーを確認できる書類

もちろん、親など代理人がこれらの作業をする場合であっても問題ありません。いずれにしても、引越し先の自治体で手続きをしましょう。

転居・引越しに伴う手続きを行う

引越しをすると何かしら作業をしなければいけません。これについて、障害者手帳は県外でも使えるため、特に急いで作業をする必要はありません。

ただ障害者手帳に記載してある住所と現住所は一致している必要があります。そのため転居後すぐでなくてもいいので、どこかの段階で手続きをしましょう。障害者手帳など、必要な書類を持参することで手続きが可能です。

なお実際の手続きでは、引越し先の役所で申請すればいいです。旧住所の役所ではなく、新住所の役所で手続きをしましょう。

障害者手帳の割引などの特典は県外でも使えます。ただ転居によって住所が変わる場合、どこかの段階で申請し、再発行するといいです。

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