就労継続支援B型・作業所で人間関係やトラブルへの対処法は？

障害者であっても、就労継続支援B型（就労B）で継続的に働くのが一般的です。就労Bは作業所とも呼ばれますが、仕事を通して賃金を得るのです。

ただ事業所で働く以上、人間関係を含めたトラブルを生じることがあります。健常者でも障害者でも、人間関係によるトラブルは最も一般的であり、どのようにしてトラブルに対処すればいいのか理解するのは重要です。このとき、一時的に休むのも問題ありません。

それでは、就労継続支援B型で人間関係やその他のトラブルへどのように対処すればいいのでしょうか。作業所での問題への対処法について解説していきます。

就労Bでトラブルを生じるのはよくある

多くの場合、就労継続支援で問題になりやすいのは人間関係のトラブルと賃金です。人が作業する以上、どうしても他の利用者がいますし、事務所のスタッフとも接しなければいけません。また、就労Bではどうしても賃金が低いです。そのため、賃金に対して苦情を考えたくなってしまいます。

• 利用者同士の人間関係
• 事業所のスタッフと人間関係
• 工賃が低いことへの苦情

いずれにしても、就労継続支援B型のトラブルには主に人間関係と賃金があります。

利用者同士の人間関係悪化は普通

就労継続支援B型には、さまざまな利用者がいます。身体障害者や知的障害者、精神障害者と種類は異なり、さらには重度障害者も利用するのが就労Bです。以下のように、事務所内では複数の障害者が利用しています。

ただ他の利用者は障害者であるため、人によっては意思疎通が難しかったり、強度行動障害によって暴言があったりします。さすがに暴力・暴言については事業所のスタッフが対応してくれるものの、単に関係性が悪いだけの場合、スタッフは対処してくれません。

ただ人間関係の悪い利用者が他にいると、作業所で仕事をするとはいっても効率が落ちてしまいますし、精神的にも良くありません。この場合、スタッフへ相談して「関係性が悪い人とできるわけ合わないようにする」など、配慮してもらうのは重要です。

事業所のスタッフと人間関係が悪い

また場合によっては、事業所のスタッフと人間関係が悪いケースもあります。要は、以下のように接してくるのです。

• 威圧的な態度を取られる
• 自分の障害特性を理解していない
• あまり支援をしてくれない

もし作業所のスタッフとの関係性が悪く、その就労継続支援B型へ通うのがしんどい場合、解決方法は「作業所を変える」しか方法はありません。利用者との関係性であれば対処可能であるものの、スタッフとは必ず接することになりますし、介護職員を変更することはできません。

就労継続支援B型のスタッフと関係性が悪い場合、解決方法は「その作業所を利用しない」という根本的な方法が一般的になることを理解しましょう。

工賃が低いことへの苦情は避けられない

また就労継続支援B型を利用するとき、どうしても工賃が低くなりがちです。一般的には、月給2～2.5万円ほどになると考えましょう。時給200～300円ほどで働くことになるため、大きな給料を得られるわけではありません。

ただ、工賃への苦情を言いたい気持ちはわかりますが、雇用契約なしで働く以上、工賃が低いのを避けることはできません。農作業のような肉体労働の場合、就労継続支援B型での工賃が高くなりやすい傾向にあります。最低賃金は守られないものの、それでも通常よりは高い時給になるのです。

しかし、それ以外の作業所では一般的に低い賃金になります。

・低い工賃の解決法は就労移行支援A型が基本

ちなみに、低い賃金の解決法は「就労継続支援B型ではなく、就労継続支援A型を利用する」となります。就労Aでは雇用契約があるため、最低賃金が守られます。ただ雇用契約なしで継続して働きたい場合、低い賃金の解決は基本的にできないと考えましょう。

作業所でのトラブルへの対処法

それでは、人間関係に関するトラブルはどのように対処すればいいのでしょうか。賃金のトラブルは解決が難しいものの、人間関係については多少の方法があります。トラブルによって作業所へ通うのがしんどい場合、以下を考えましょう。

• 他の就労Bを利用する
• 一時的に通所を休む

それぞれについて確認しましょう。

他の就労Bを利用するのは手っ取り早い解決法

他の利用者との関係性が改善しなかったり、職員との関係性が悪かったりする場合、作業所へ通うのがしんどいです。そうしたとき、最も手っ取り早い解決方法は「作業所を変える」ことがあります。

幸いにも、就労継続支援B型は非常にたくさんの事業所があります。都市部は当然として、ある程度まで田舎の都市であっても、隣の市区町村まで視野に入れると通える作業所は多いです。

そこで相談支援員と事前に確認する必要はあるものの、就労継続支援B型を変更しましょう。これにより、人間関係はリセットされます。同じ就労Bに通い続ける必要はなく、作業所を変更するのは一般的であるため、これについては特に問題ありません。

人間関係リスクを減らすための事業所選びのコツ

なお人間関係が原因で事業所を変更する場合、可能な限り次の就労Bでは人間関係によるトラブルのない事業所を選ばなければいけません。このとき、ポイントは2つです。

• 事業所の見学を行う
• 人と関わりの少ない作業所を検討

見学によって確実に将来のトラブルを防げるわけではないものの、事前の見学によって「どのようなスタッフがいるのか」「利用している障害者はどのような人か」「仕事内容はどうか」をある程度まで判断できます。

また、人間関係のトラブルを可能な限り排除したい場合、利用者を含めて「他の人と接することがほとんどない作業所」を選ぶといいです。人とのコミュニケーションが苦手なのであれば、無理に人と接する必要はありません。コミュニケーションが苦手な障害者は非常にたくさんいるため、それなら人と話さなくてもいい就労Bが最適です。

一時的に通所を休むのは問題ない

ただ場合によっては、人間関係によるトラブルによって心身ともに疲れてしまう人がいます。その場合、すぐに次の作業所を見つけるというよりも、まずは一時的に通所を休んでもいいです。

障害者にとって休息は重要です。症状が悪化するよりは、休息によって体調を回復させるほうが優れます。そこで、通所先の利用者またはスタッフと人間関係が悪いのであれば、まずは通所を休みましょう。雇用契約がないため、休むのは簡単です。

また、体調が回復して通所可能になったとしても、トラブルのあった作業所へ戻るのは微妙です。同じように、再び人間関係によるトラブルが発生し、体調が悪化してしまうリスクがあるからです。

そのため人間関係によるトラブルで通所を休んでしまったのであれば、他の就労Bを探すといいです。前述の通り作業所はたくさんあるため、就労Bを変更するのは多くのケースでそこまで難しくないです。

人間関係のトラブルを避けて作業所で仕事を行う

障害者であっても、人間関係を含めたトラブルを避けることはできません。就労継続支援B型を利用する場合、他に利用者がいますし、事業所のスタッフと接することになります。

主なトラブルとしては「利用者とのトラブル」「スタッフとのトラブル」「賃金のトラブル」があります。賃金については就労Aを利用するしかないものの、人間関係のトラブルは回避できます。

人間関係が悪く、通所がしんどいのであれば、作業所の変更を検討しましょう。就労継続支援B型はたくさんあるため、その中でも人と可能な限り接しない作業所がおすすめです。また事前の見学をしましょう。このとき、体調が悪いのであれば一時的に通所を休んでもいいです。

人間関係のトラブルは就労Bで最も一般的な問題の一つです。ただ、同じ作業所を利用し続ける場合、人間関係の改善は難しいです。そこで人間関係トラブルへの対処法を理解して、他の作業所の利用も含めて検討しましょう。