障害者は十分に働くことができないため、福祉制度を用いて就労する人は多いです。こうした就労系の障害福祉サービスに就労継続支援A型(就労A)や就労継続支援B型(就労B)があります。
市区町村の役所で手続きすることにより、就労継続支援A型・B型を利用するために必要な書類を入手できます。その後、実際に就労継続支援A型・就労継続支援B型の事業所へ出向き、仕事内容を確認したうえで契約すればいいです。
それでは、実際に就労A・就労Bを利用するときの手続きはどのようになるのでしょうか。就労継続支援A型・就労継続支援B型にて働くときの流れを解説していきます。
もくじ
就労継続支援で働くには申請が必要
すべての障害福祉サービスについて、利用するためには事前の申請が必須になります。そうしなければ、就労A・就労Bを利用できないからです。
このとき、先に就労継続支援A型や就労継続支援B型の施設を見学するのは問題ありません。作業所ごとに仕事内容は違いますし、送迎の有無も異なります。特に就労継続支援B型は多くの事業所があるため、その中からやりたい仕事を見つけることになります。
ただ、気に入った就労先を見つけてもすぐに働くことはできません。障害者向けのサービスであるため、事前に役所で手続きしなければいけないからです。
契約には障害福祉サービス受給者証が必要
このとき、就労継続支援A型や就労継続支援B型の利用で必須となる書類が障害福祉サービス受給者証です。以下の書類が障害福祉サービス受給者証になります。
この書類があれば、就労A・就労Bの施設と契約できます。反対に障害福祉サービス受給者証がない場合、作業所で働くことはできません。就労継続支援A型・就労継続支援B型を利用するに当たり、障害福祉サービス受給者証は必須と考えましょう。
障害者手帳なしで就労継続支援A型・B型を利用可能
なお中には、障害者手帳を保有していない人がいるかもしれません。特に精神障害者の場合、手帳なしの人が一定数います。身体障害者や知的障害者の場合、申請することですぐに手帳を入手できるものの、精神障害者は「病気を発症して医療機関を初めて受診後、6か月が経過しないと障害者手帳を得られない」という制約があります。
ただ、障害福祉サービスと障害者手帳はまったく異なる制度です。そのため障害者手帳なしであっても障害福祉サービス受給者証があれば、問題なく就労継続支援A型・就労継続支援B型を利用できます。
障害者向けの制度は複数あります。そこで「就労継続支援A型・就労継続支援B型と障害者手帳は別制度である」ことを理解して、手帳なしであっても就労系サービスを活用しましょう。
役所へ出向き、手続きしたいことを伝える
それでは、どのように就労継続支援A型・就労継続支援B型を利用すればいいのでしょうか。作業所で働くには、以下の流れとなります。
- 役所で手続きを行う
- 医師の診断書を提出する
- 障害福祉サービス受給者証を入手する
- 就労A・就労Bの施設と契約する
まず、あなたが住んでいる市区町村の役所へ出向きましょう。役所には障害福祉課など、障害福祉サービスに対応した部署があります。そうした場所で「就労継続支援A型(または就労継続支援B型)を利用したい」と伝えるのです。
こうして、具体的にどのような手続きをすればいいのか教えてもらえます。また、就労A・就労Bを利用するために手続きに進めるようになります。
医師の診断書を提出する
その後、医師の診断書を提出することになります。知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、かかりつけの医師がいる場合は診断書の作成を依頼しましょう。
障害者手帳がなくても、医師の診断書があれば「障害者である」ことが明確です。就労継続支援A型・就労継続支援B型を利用するとき、障害者手帳なしでも問題ないのは、医師の診断書を提出することが関係しています。
・認定調査(聞き取り調査)を受ける
なお障害福祉サービスを初めて利用するとき、通常は認定調査(聞き取り調査)を受けます。役所の職員が障害者の家に出向き、1時間ほど会話することで障害の程度を把握する作業が認定調査です。
認定調査を受けることで、障害支援区分が決定されます。区分には1~6まであり、数字が大きいほど重度を表します。
ただ就労継続支援A型・就労継続支援B型の利用で区分は不要です。そのため区分なしで利用したい場合、認定調査を断っても問題ありません。
しかし、特別な理由がない限りは認定調査を受け、区分を取得するといいです。居宅介護(ホームヘルプ)や障害者グループホームなど、その他の障害福祉サービスを利用するとき、障害支援区分が必要になるからです。
就労Aや就労Bを利用する障害者というのは、一般企業で十分に就労できないほどの障害になります。そうした障害者がほかの障害福祉サービスを利用するのは普通なので、事前に区分認定を受けて障害支援区分を取得しておくのです。
障害福祉サービス受給者証を入手する
そうして必要な手続きが終われば、障害福祉サービス受給者証が発行されます。前述の通り、障害福祉サービス受給者証があることで、就労継続支援A型・就労継続支援B型の施設と契約できるようになります。
なお認定調査(聞き取り調査)を受ける場合、障害支援区分の決定が必要になるため、その分だけ障害福祉サービス受給者証を手にできるタイミングは遅くなります。ただ、これについては仕方ないと考えましょう。
また必要書類の提出や認定調査が終わったのであれば、障害福祉サービス受給者証がなくても積極的に作業所を見学して問題ありません。実際に働き始めるのは障害福祉サービス受給者証を得た後ではあるものの、事前に就労先を見つけておくのです。
利用したい就労A・就労Bの施設と契約する
そうして障害福祉サービス受給者証が手元にあれば、作業所と契約できるようになります。障害福祉サービス受給者証に「就労継続支援A型」と記されていれば、日本全国すべての就労Aで働けます。同様に「就労継続支援B型」と記載があれば、あらゆる就労Bにて働けます。
参考までに、以下は就労継続支援B型に関する障害福祉サービス受給者証の中身になります。
このように、契約するときは障害福祉サービス受給者証に「実際の就労先」「契約日」「契約満了日」などが記されます。こうして、障害者と就労先が契約することで働くための手続きが進んでいきます。
・必要なら更新する
なお障害福祉サービス受給者証を入手した後、必要であれば期限切れの前に更新しましょう。また就労先との契約が切れる前についても、必要なら更新しなければいけません。
障害福祉サービスでは、それぞれのサービスごとに有効期限があり、契約している作業所ごとの契約満了日もあります。要は、さまざまな期限が存在します。これについては就労先の事業所が確認してくれると思いますが、いずれにしても期限切れの前に更新作業が必要になります。
就労継続支援A型・就労継続支援B型を利用開始する
就労継続支援A型・就労継続支援B型を利用して働いている障害者は多いです。こうした障害者について、実際に働くには手続きをしなければいけません。
そこで、まずは市区町村の役所へ出向きましょう。役所で就労Aまたは就労Bを利用したいと伝えることにより、必要な手続きが進むことになります。その後、医師の診断書提出や聞き取り調査が行われ、障害福祉サービス受給者証を得ることができます。
障害福祉サービス受給者証を入手したら、就労継続支援A型・就労継続支援B型の事業所と契約できます。そうして、作業所にて働きましょう。
障害者手帳なしでも、必要な手続きをすれば福祉施設にて就労できます。そこで、こうした流れを理解したうえで就労A・就労Bにて働き始めましょう。
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