就労継続支援A型・B型で見学や体験利用を行うポイント：服装や持ち物は？

軽度でも重度でも、障害者は仕事を行うのが一般的です。作業所とも呼ばれますが、作業所には就労継続支援A型（就労A）や就労継続支援B型（就労B）があります。

なお利用開始前に見学・体験利用するのが一般的です。作業所へ通う前に見学すれば、どのような事業所なのか大まかに判断できます。そこで、見学・体験利用するときのポイントを学ばなければいけません。また、見学時の服装をどうすればいいのか気になる人は多いです。

それでは、実際に就労A・就労Bを見学するときは何を考えればいいのでしょうか。作業の見学で理解しておくべき内容を解説していきます。

作業所の利用で事前の見学・体験利用は重要

就労継続支援A型・B型を利用するとき、事前の見学や体験利用は必須です。作業所の雰囲気や仕事内容はバラバラだからです。仕事内容にしても、以下のように多様です。

•  工場での軽作業（袋詰め、ピッキング、パッキング）
• パソコン作業：データ入力など
• お菓子・パン作り
• ビル清掃
• カフェ・レストラン業務
• 農作業
• 部品加工

見学しないと、どのような環境で働くことになるのかわかりません。

見学時の服装は何でもいい：持ち物は指定される

なお見学・体験利用をするとなると、服装を気にする方が多いです。仕事を得るとき、健常者であればスーツを着て出向くことになります。

ただ就労継続支援A型や就労継続支援B型は障害者が利用する施設です。そのため、見学時の服装は何でもいいです。私服で出向けばいいため、あまり気にする必要はありません。

なお、作業所によっては外仕事になるケースがあります。例えば清掃や農作業などです。この場合、動きやすい服であるのが望ましいです。特に農作業の場合、泥で汚れてもいい服で出向く必要があります。

なお、必要な持ち物は基本的にないと考えましょう。一般企業で就職するわけではないため、持ち物を気にする必要はありません。ただ作業所から何か指定された持ち物がある場合、事前に準備しておくといいです。

見学時にチェックするべきポイント

そうして見学する作業が決まったら、実際に出向くことになります。このとき、体験利用でチェックしておくべきポイントがいくつかあります。具体的には以下になります。

• 利用者やスタッフの様子
• 施設の環境
• メリットばかり述べていないか
• 通所しやすさ

これらを総合的に判断する必要があります。そこで、それぞれのポイントをを確認していきましょう。

利用者の表情や様子、スタッフの雰囲気

まず、作業所を利用している他の利用者の表情や様子を確認しましょう。就労A・就労Bによって雰囲気は大きく異なり、例えば以下のようになります。

• 楽しそうに作業している
• 真剣そうな顔で仕事している
• 会話やコミュニケーションがある

なお、楽しそうに会話しているから良い事業所とは限りません。障害者によって特性が大きく異なるからです。例えば話すのが苦手な障害者の場合、ほとんど会話のない事業所を選ぶ方がいいです。人とのコミュニケーションが必要な作業所を選ぶと、むしろ体調悪化につながります。

障害者である以上、その人の特性に合った作業所かどうかを確認しなければいけません。また実際に仕事を行う場合、必ずスタッフと接することになります。このとき、職員が障害について理解して接しているかどうかの確認は必須です。

施設で環境面の配慮を行えているか確認する

また、見学時は施設内の環境を確認しましょう。要は、施設内のそうじが行き届いているかどうかをチェックするのです。このとき、多くの人が利用する部屋の中はすべての事業所できれいです。ただ、裏側も含めてきれいになっているか確認するといいです。

最もわかりやすいのはトイレです。もし、トイレが汚い場合は「事業所のそうじが行き届いておらず、細部まで行き届いた障害者支援を期待できない」と考えていいです。

また、可能であれば事業所の裏部屋の様子を確認できるといいです。裏部屋にごみや物が散乱している場合、やはり整理整頓を行えていない事業所と判断できます。

障害者にとって、事業所で過ごす環境は重要です。施設内を清潔に保てない事業所の場合、優れた障害者支援を行えることはありません。

メリットばかり述べる事業所は要注意

なお実際に見学・体験利用するとき、事業所から説明を受けます。このとき、メリットばかり述べる作業所は避けましょう。デメリットが存在しない就労A・就労Bは存在しないからです。

例えば就労継続支援A型・B型を見学するとき、高い工賃を得たい場合に農作業は向いています。また、体を動かしたい障害者にとっても優れます。一方、運動によって体調不良になりやすい障害者や熱中症に注意が必要な人の場合、こうした外作業は向いていません。

また話好きの人であれば、コミュニケーションが活発な事業所は優れます。一方でほとんど話さない障害者であれば、会話なしで作業できる作業所が優れます。

すべての障害者にとって優れる作業所は存在しないため、「こういう特性の障害者にとっては良いが、〇〇の障害者だと私たちの就労継続支援B型は微妙」と率直にいってくれる事業所が優れます。

またメリットばかり述べられる場合、実際に利用開始した後にさまざまなデメリットが発覚することになります。こうして障害者は「聞いていたことと違う」と考え、ショックを受けてしまいます。これが、メリットばかり伝える事業所を危険視するべき理由です。

通所しやすい事業所かチェック

なお事業内容に合致する就労A・就労Bを見つけたとしても、そこへ通うことを考えなければいけません。そのため、いま住んでいる場所から通いやすいかどうかをチェックしましょう。

作業所側が車で迎えに来てくれる場合、大きな問題にはならないです。迎えの車を待っていれば、作業所までの送迎をしてくれるからです。

一方で送迎サービスがない場合、公共交通機関や自転車などを利用して、自ら出向く必要があります。特に精神障害者の場合、公共交通機関の利用が大変になりやすいケースがあります。例えばパニック障害では、満員電車に乗るのが困難です。

そのため事業所へ行くとき、送迎サービスを利用しないのであれば、家族など車に乗せてもらっていくのはやめましょう。そうではなく、実際に作業所へ出向くときと同じ公共交通機関を利用して施設を見学しに行くといいです。

就労継続支援A型・就労継続支援B型を見学する

これから就労継続支援A型・B型の利用を考えている場合、事前の見学や体験利用をするのは必須です。実際に作業所へ行くことで、施設内の雰囲気や仕事内容を把握できるようになります。このとき服装を特に気にする必要なく、私服にて自由な服装で問題ありません。

なお実際に施設見学をするとき、チェックポイントが複数あります。まず、施設内の他の利用者やスタッフの様子を確認しましょう。障害者によって向き不向きがあるため、そうした内容に合致する施設の様子や仕事内容である必要があります。

また、「施設が環境面の拝領を行えているか」「メリットばかり述べていないか」「通所しやすいか」の確認も必須です。何度も通うことになるため、これらを総合的に判断しなければいけません。

作業所の見学・体験利用をするとき、いくつものチェックポイントがあります。そこで実際に見学する場合、あなたの障害特性に合った事業所かどうかを確認しましょう。