知的障害者の場合、引きこもりがちの人がたくさんいます。重度知的障害者で無職なのは当然ですが、軽度知的障害者であっても無職のニートなのは普通です。

ただ重度ではなく、軽度知的障害者なのであれば、「引きこもりを脱して社会復帰したい」「ニートではなく、仕事できるようになりたい」と考える人が多いです。このとき、通常の方法では社会復帰できないため、正しいステップを踏まなければいけません。

それでは軽度知的障害者が無職の状態から脱却し、働くにはどのようにすればいいのでしょうか。知的障害者のニートが社会で働けるようになるまでのステップを解説していきます。

軽度知的障害者は無職になりやすい

重度や中程度の知的障害者は当然として、軽度知的障害者についても働くのが困難になりやすいです。健常者に比べて知識の理解が遅くなりがちであるため、どうしても働くときに困難を生じやすいのです。

そうして軽度知的障害者で社会に馴染みにくくなり、無職となるケースはよくあります。

また軽度知的障害者の場合、発達障害やうつ病を含め、その他の精神疾患を併発しているケースがよくあります。精神疾患を単独で有する場合であっても、引きこもりになりやすいです。それに加えて知的障害があると、さらにニートになりやすいというわけです。

・家にいても社会復帰は望めない

そうした引きこもりの知的障害者について、本心では社会復帰を考えていても、残念ながら現在の「家にいる状況」では引きこもりは改善されません。

まず、多くのケースで無職のニートは生活リズムが乱れています。また働けるようになるには、障害福祉サービスをうまく利用する必要があるものの、どのように活用すればいいのかわかりません。

そもそも、いまの状況で社会復帰できるのであれば、既に行えているはずです。何年も引きこもりというのは、いまの状態では社会復帰できないことを意味しています。そのため、本当に無職の状態から抜け出したいのであれば、必ず環境を変えなければいけません。

障害者グループホームで規則正しい生活を送る

そこで知的障害者について、社会復帰を目指すなら必ず障害者グループホーム(共同生活援助)を利用しましょう。いま実家暮らしでも、一人暮らしでも、引きこもりにとって障害者グループホームの利用が社会復帰を実現するための大原則になります。

複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。低所得者(無職)であればサービス料は無料ですし、家賃は国や自治体から補助があります。さらにはシェアハウス形式なので食費や水道光熱費は最安値です。

障害者グループホームでは常に介護スタッフがいます。そのため援助をいつでも依頼できます。それに加えて食事や入浴、門限、消灯の時間が決まっているため、強制的に規則正しい生活を送れるようになります。

また障害者グループホーム(共同生活援助)の利用者は多くの場合、平日の昼間に日中活動をします。要は、昼間に就労をします。こうして、障害者施設の利用によって、少なくとも家の中に引きこもっている状態から容易に脱出できます。

生活保護を利用し、毎日の基盤を作る

なお障害者グループホームを利用するというのは、実家とは離れて一人で生活することを意味しています。このとき、日常生活を送るために必要となる費用は生活保護を利用すればいいです。

知的障害者で無職なのであれば、ほとんどの人で資産もないと思います。その場合、障害者グループホームへ引越す段階で生活保護を利用できます。実際のところ、障害者グループホームの入居者のうち大多数が生活保護の利用者です。

生活保護の活用により、親族にとって新たな金銭負担は生じません。むしろ、知的障害者が生活保護を利用できる分だけ、実家暮らしのときよりも家族の金銭的負担は軽くなります。

このとき実際の生活保護受給の場面では、親族による「支援できない」という意思表示が必須です。逆にいえば、障害者グループホームへ住むとき、支援できないと親族が役所へ伝えれば生活保護の審査に通ります。

日中活動で就労系サービスを利用する

このとき、軽度知的障害者では日中活動で就労系サービスを利用するのが一般的です。そこで、以下の障害福祉サービスを活用しましょう。

  • 就労継続支援A型・B型
  • 就労移行支援

いま引きこもりであり、何年も無職なのであれば、いきなり一般企業で正社員として働くのは現実的に無理です。健常者であれば問題ないものの、知的障害者は働くことに少しずつ慣れなければいけません。

就労継続支援B型から始め、就労継続支援A型へ移行

このとき、最初は就労継続支援B型(就労B)からスタートしてもいいです。雇用契約なしで軽作業を行うのが就労継続支援B型であり、重度の障害者であっても多くの人が利用しています。

軽度知的障害者では、もしかしたら就労Bの作業内容は簡単すぎるかもしれません。ただ引きこもりのニートにとって、「作業所へ毎日行く」ことが最も重要です。そこで、最初は就労継続支援B型から始めるのです。

そうして仕事に慣れ、引きこもりの状態から脱したのであれば、就労継続支援A型(就労A)を利用しましょう。短時間労働にはなりますが、雇用契約ありの状態にて、決まった時間に作業所へ行くのが就労Aです。

就労継続支援A型の場合、一般企業で行われる仕事内容とほぼ同じです。そのため、就労Aで働けるのであれば、一般企業で働くのも難しくないです。

就労移行支援で一般企業にて働く

なお障害者について、一般企業で働くことを目的にした障害福祉サービスが就労移行支援です。軽度知的障害者であれば、多くの人が就労移行支援を活用しています。

障害者雇用での就労というのは、必ずしも正社員とは限りません。就労移行支援を利用することで、アルバイトや契約社員にて、障害者雇用で活躍している人もいます。

知的障害者の場合、工場での作業など、人と接する機会の少ない仕事にて働くのが一般的です。そこで、就労移行支援の利用によって正社員やアルバイトとして働けるようになります。

ニートの知的障害者がいきなり企業で働くのは現実的ではありません。ただ障害者グループホームを利用して規則正しい生活を送り、就労継続支援A型・B型を経て、最終的に企業で働くのは可能です。

なお、障害者グループホームから就職先の企業へ出向くのは問題ありません。一般就労している障害者について、障害者グループホームで長く住んでいる人はたくさんいます。

知的障害者の引きこもりで社会復帰を目指す

単なる無職であっても、知的障害者は社会復帰が難しくなります。発達障害やうつ病などの精神疾患を併発している人は多いですし、健常者に比べて思考能力がどうしても劣ってしまいます。

そこで、「将来は正社員で働きたい」などと考えている場合、環境を変えましょう。具体的には、障害者グループホームを利用して規則正しい生活を送る必要があります。そうして、日中活動として就労継続支援A型・B型を利用し、家に引きこもっている状態を改善します。

その後、就労移行支援を利用することで一般企業での障害者雇用を目指してもいいです。このとき、正社員だけでなく、アルバイトや契約社員も視野に入れましょう。

ニートの軽度知的障害者が引きこもりを脱却するには、正しいステップがあります。そこで規則正しい生活を通して、日中に仕事ができるようになりましょう。