難病の一つがALS(筋萎縮性側索硬化症)であり、家族が介護すると非常に大変になります。実際のところ、すぐに介護疲れを起こすのがALSです。

そのため家族にALS患者がいるのであれば、すぐに訪問介護や訪問看護を依頼するのをおすすめします。料金は格安であるため、特に金銭的負担が大きくならずにこうした障害福祉サービスや医療サービスを利用できます。

ただホームヘルパーなどを依頼しても家族の介護負担が非常に大きい事実は同じです。その場合、障害者グループホームなども視野に入れると、専門の介護職員が常駐している施設を利用でき、家族の負担はゼロになります。

きれいごとでは済まされないのが難病患者の介護です。介護によって家庭崩壊すると意味がありません。家族を不幸にさせないため、ALS患者やその家族は早めに介護サービスの利用を検討しなければいけません。そこで、どのように考えて介護サービスを利用すればいいのか解説していきます。

家族だけの介護はすぐに限界を迎える

実際にALSの介護を行うとなると、すぐに家族が介護疲れを起こすのが現状です。ALS患者は体が動かなくなるため、あらゆる作業を家族が行わなければいけないからです。

例えば、痰吸引だけでも数時間おきに行うのは普通です。これに加えて、入浴や排せつなどを行うことになります。つまり家族は夜も寝ることができません。

ALS患者の面倒を見るのは配偶者や親、子供などです。特に配偶者や子供が働いている場合、仕事をして夜も寝れないとなると、すぐに家族は体調不良に陥ります。また介護のために家族が仕事を辞めると収入がなくなるため、家庭崩壊はさらに進行しやすくなります。

また、親や配偶者が高齢のために既にリタイアしているとしても、高齢者が夜に眠れずにずっと介護している生活に耐えることはできません。

自分のわがままを押し通せば、家族は不幸になる

ALS患者で「自分は難病だから、できるだけ自分の相手をしてほしい」という気持ちはわかります。ただ、難病を理由に家族へ介護を押し付けると、たとえ配偶者や子供であっても信頼関係は失われていきます。

難病だからといって自分のわがままを押し通すと、家族は確実に不幸になります。また家族についても、自分の仕事や体調を犠牲にして介護するのは持続可能ではありません。家族全員が倒れてしまうと意味がないのです。

そのため、ALS患者が居宅介護(ホームヘルプ)を依頼するべきなのは当然ですし、障害者グループホーム・介護施設の利用も考えなければいけません。

家で家族のみで過ごしたい気持ちはわかります。ただ、それだとわりとすぐに家庭崩壊となるため、介護について現実的に考える必要があります。

すぐに重度訪問介護、訪問看護に頼るべき

ALSで最初に考えるべきは重度訪問介護です。いわゆるホームヘルプの一つです。18~65歳未満が利用できる障害福祉サービスが重度訪問介護であり、65歳以上が利用する介護保険サービスでは訪問介護と呼ばれます。

  • 障害福祉サービス:18歳以上の障害者・難病患者が利用可能
  • 介護保険サービス:65歳以上の高齢者が利用可能

通常の居宅介護に対して、重度訪問介護では昼夜を問わずサービス提供が可能です。つまり、一般的なホームヘルプよりも、ALS患者ではより柔軟に対応してくれると考えましょう。

夜間であっても同じ部屋でホームヘルパーが見守りしてくれれば、家族は安心して寝ることができますし、昼間に仕事へ行っても問題ありません。

なお、一番の問題は「役所にサービス利用を認めてもらえるかどうか」です。役所側に反対されたとしても、重度訪問介護を認めてもらえるように粘り強く交渉する必要があります。そうでないと、家族は高い確率で介護疲れによる体調不良や家庭崩壊の危機に直面するからです。

また、同時に訪問看護も依頼するといいです。看護師などが家に派遣され、医療的ケアを実施してくれるサービスが訪問看護です。

ALS患者によっては人工呼吸器が必要など、重度になると常に医療対応が必要になります。そうなると、こうした訪問看護が重要です。

ホームヘルパーによる支援内容

訪問看護であれば、看護師による医療対応が可能なのはわかります。それでは、重度訪問介護ではどのようなサービス内容になるのでしょうか。

ホームヘルパーによって提供可能な内容は以下のようになります。

  • 食事、入浴、排せつなどの介助
  • 料理、そうじ、洗濯など
  • 見守り(夜間も可能)
  • 外出時の介護:通院や買い物のなどの付き添い

こうした基本的なサービスに加えて、介護職員は研修を受けることで痰吸引を行うこともできます。こうして、家族の負担は大幅に軽減されます。

支援内容が幅広く、昼夜に関係なく支援してくれるため、在宅(実家)でALS患者の介護を考える場合、重度訪問介護を視野に入れなければいけません。

費用は格安なので心配しなくていい

なお費用は格安なので心配する必要はありません。18歳以上の場合、難病患者は障害福祉サービスを利用することになります。ホームヘルプは障害福祉サービスに含まれますが、月のサービス料の上限額は以下になります。

状態負担上限額
生活保護0円
住民税の非課税世帯0円
世帯年収600万円以下9,300円
世帯年収600万円超37,200円

独身だったり配偶者がリタイアしていたりする場合、住民税の非課税世帯に該当するため料金はゼロです。また配偶者が働いていたとしても、利用料金の月の上限は9,300円または37,200円となります。世帯収入が大きくない限り、費用負担は格安です。

またALS患者の医療費は格安であり、月の上限額は0~2万円です。例えば住民税の非課税世帯では2,500~5,000円が月の負担上限額です。そのため、料金はそこまで心配しなくてもいいです。

障害者グループホームなどの施設も重要

なお実際には、ホームヘルプを利用しても「ヘルパーと一緒に家族が体位変換を手伝う」など、介護負担がゼロになるわけではありません。そのため、施設利用も検討しましょう。

「在宅で過ごしたい」とALS患者が考えるのは普通ですし、気持ちもわかりますが、現実問題として家族の負担が大きい場合は微妙です。前述の通り、自分のわがままを押し通すために家族が不幸になるのは最悪だからです。

こうしたとき、以下の施設が候補になります。

  • 障害者グループホーム
  • 介護施設(老人ホーム)
  • 介護医療院

18歳以上で利用できる施設が障害者グループホームです。難病患者は障害者でもあるため、障害者グループホームを利用できるのです。複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。

障害者グループホームの中には、看護師が常駐していたり、訪問看護と提携していたりする施設もあります。また介護職員が24時間体制で常駐しているため、日常的な入浴や排せつ、食事の介助は問題ありません。

障害者グループホームは障害福祉サービスの一つであるため、利用料金はほぼ存在しません。つまり、格安で住める施設となっています。難病患者であれば、若い人だけでなく65歳以上の高齢者であっても障害者グループホームを利用できます(65歳に達する前に障害福祉サービスを利用している場合)。

また65歳以上の高齢者であれば、老人ホームなどの介護施設という選択肢もあります。ALSなどの難病患者は40歳以上でも介護保険サービスを利用できますが、いずれにしてもある程度の年齢の人は利用可能です。障害者グループホームに比べて利用料金はかなり高額になるものの、看護師が常駐している老人ホームは多いです。

または、慢性期の人(症状が落ち着いている人)が入院する介護医療院を利用してもいいです。一般的な病院と同じであるため、この場合は大部屋に複数人が利用することになるものの、医療的ケアという面では何も問題ありません。

グループホームや介護施設、介護医療院なら介護負担はゼロ

こうした障害者グループホームや介護施設(老人ホーム)、介護医療院を利用する場合、少なくとも家族の介護負担はほぼゼロになります。夜に起きる必要はありませんし、体位変換の手伝いをすることもありません。

また施設利用料の支払い滞納など、強制退去の要件に引っかかることをしなければ、こうした施設から追い出されることもありません。つまり、一度でも入居できればずっと生活できます。また少なくとも、家族の介護負担はほぼゼロになります。

障害者グループホームは18歳以上であれば新規入居可能であり、その他の年齢制限はなく、完全個室でさらには格安で利用できます。

一方、老人ホームは費用が高くなりがちであるものの、65歳以上の高齢者でも利用でき、さらには個室です。また介護医療院は大部屋というデメリットはあるものの、必ず看護師が常駐しており、医療体制は優れています。

これら施設での介護を利用すれば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の家族に対する介護負担はほぼ完全になくなります。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の介護負担は大きい

家族だけでALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の介護をしてもいいですが、よほど精神力の強い人であってもすぐに介護疲れを起こします。夜も含めてひんぱんなケアが必要だからです。

ただ、介護のために仕事ができなくなったり、体調を崩したりするのは意味がありません。この場合、難病患者の介護を原因として家庭崩壊が起こります。

これを防ぐため、早めに重度訪問介護を依頼しましょう。夜も含めてホームヘルプを依頼できれば、家族の負担は大幅に軽減されます。または、障害者グループホームなどの施設も検討しましょう。この場合、家族の負担はほぼゼロになります。

ALS患者の介護は家族にとって想像を絶する内容です。そこで自分たちだけで解決するのではなく、早めに外部のサービスに頼りましょう。基本的に格安で利用できるため、費用負担は大きくないです。こうしたサービスによって、介護負担を大幅に軽減できます。

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