障害福祉サービスの中に療養介護があり、病院で長期入院している重度の障害者が利用することになります。
療養介護は18歳以上であれば年齢の上限なしに利用できます。一方で18歳未満の場合、療養介護ではなく他のサービスを利用しなければいけません。そのため、基本的に18歳未満の児童は療養介護の対象ではありません。
それでは療養介護を利用するとき、具体的にはどのような年齢制限になっているのでしょうか。療養介護で考えるべき年齢について解説していきます。
もくじ
療養介護は18歳以上で利用可能
障害福祉サービスは一般的に大人の障害者に対する公的サービスです。子供も利用できる障害福祉サービスはあるものの、通常は成人で利用できます。
これは療養介護も同様であり、18歳以上の大人で利用できます。つまり、18歳未満の児童は中学生や高校生を含めて利用することができません。
障害者向けサービスでは、子供向けと大人向けが明確に分かれていることがよくあります。そのため療養介護では、18歳以上の成人にならないと利用できないと理解しましょう。
65歳以上でも問題なく依頼可能
それでは年齢制限の中でも、65歳以上はどう考えればいいのでしょうか。療養介護について、年齢の上限は存在しません。つまり65歳以上の高齢者であっても療養介護を利用できます。
高齢者になると介護保険が優先されるため、利用できなくなる障害福祉サービスがいくつもあります。ただ療養介護を行う病院は介護保険適用除外施設であり、介護保険は関係ありません。そのため、年齢に関係なく療養介護を利用できるのです。
常に医療的ケアが必要となる重度の障害者が療養介護を利用します。こうした重度の障害者が年齢を理由に療養介護を利用できない場合、大きなデメリットになります。
そこで重度の難病患者や重症心身障害者の場合、年齢に関係なく療養介護を依頼できるようになっています。
特例にて15歳以上で利用できるケース
それでは、18歳以上でなければ絶対に療養介護を利用できないのでしょうか。これについては例外があり、場合によっては15歳以上で利用できるケースがあります。
15歳以上の未成年が大人向けの障害福祉サービスを利用するのは特例になります。そのため、すべての障害児で認められるわけではありません。特例を利用して療養介護を依頼するべき理由が必要になります。
実際に15歳以上の未成年で療養介護を利用するためには、児童相談所による特例が認められる必要があります。その後、療養介護の利用手続きに進むことになります。
18歳未満の小児・児童は障害児入所施設を利用
それでは、18歳未満の小児や児童が療養介護を利用できないとして、代わりにどのような施設を利用すればいいのでしょうか。18歳未満の児童は療養介護ではなく、障害児入所施設を利用しましょう。
障害児入所施設には福祉型と医療型があります。このうち、常に医療が必要な重症心身障害児は医療型障害児入所施設を利用するのが一般的です。福祉型の場合、多くの施設で「医療的ケアが常に必要な障害児」に対応していないからです。
療養介護と同様に、医療機関にて医療型障害児入所施設が提供されています。
そこで18歳未満の児童について、医療的ケアが必要な施設で過ごしたい場合は療養介護ではなく、医療型障害児入所施設を選択するのが一般的です。
18歳になると療養介護へ移行
なお前述の通り、18歳以上であれば療養介護を利用できます。また重症心身障害児については、年齢を重ねても重症心身障害者であり、医療型障害児入所施設を利用している場合は療養介護の対象になります。
多くの場合、同じ医療機関で療養介護と医療型障害児入所施設を実施しています。そのため児童が18歳になると、同じ施設で医療型障害児入所施設から療養介護へ移行となるのは普通です。
なお児童から18歳以上の成人になると、医療的ケアが必要な人であっても、療養介護以外に以下の施設を選択できます。
- 障害者グループホーム（看護師と提携している施設）
- 入所施設（障害者支援施設）
これらは医療機関ではないものの、看護師と提携している施設は医療的ケアの提供が可能であり、重度の難病患者や重症心身障害者であっても受け入れ可能です。
療養介護は18歳未満で利用できない
年齢制限という点では、療養介護は18歳以上で利用できます。年齢の上限はなく、65歳以上の高齢者であっても療養介護の対象です。
それに対して、18歳未満の未成年では療養介護を利用できません。特例によって、15歳以上であれば未成年でも利用できるケースはあります。ただ、あくまでも特例であり、利用の対象者は非常に少ないと考えましょう。
そこで18歳未満の小児や児童は療養介護ではなく、医療型障害児入所施設を利用します。このとき、18歳になると療養介護へ移行できます。
重症心身障害児の場合、常に医療が必要なのであれば専用の施設を選ばなければいけません。そこで、どのような施設を利用すればいいのか理解しましょう。
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