無職のニートについて、一時的に家に引きこもっているのは普通です。ケガなどによって一時的に働けなくなったり、退職して次の転職に備えたりと人によって引きこもりの理由は異なります。
ただ中には、何年にもわたって家に引きこもっている人がいます。実家などで引きこもりをしていて、ニートから脱出したいと考えるものの、なかなか抜け出せないでいるのです。
こうした引きこもりについて、適切なきっかけを作れば問題なく無職のニートから抜け出すことができます。また、公的サービスを利用することで一般企業での仕事を開始し、社会復帰できます。そこで、ニートから立ち直るきっかけや治し方を解説していきます。
もくじ
親との関係改善などは現実的に意味ない
「引きこもりを改善するきっかけ」などでWeb上で調べると、例えば以下の回答が出てきます。
- 親との関係を改善する
- 役所窓口で相談する
- 成功体験を積む
ただ、これらはすべて意味ありません。親との関係改善で何とかなるのであれば、既に引きこもりから脱出できています。また役所窓口で相談しても、何のヒントも得られません。成功体験を積むにしても、引きこもりの状態で成功体験など得られません。
根本原因は精神疾患の存在:病気の治療が重要
そこで、無職のニートを何年も続けてしまう根本的な原因を理解しなければいけません。大人が引きこもりになる一番の理由としては、精神疾患の存在があります。要は、精神障害者であるために「仕事をして社会復帰しないといけないと頭では分かっていても、体が動かない状態」に陥っています。
精神疾患としては、例えば以下があります。
- うつ病・双極性障害
- 統合失調症
- パニック障害(不安障害)
- 発達障害
- 適応障害
他にも種類はありますが、要はこれらの精神疾患を治療しないと、いくら親との関係が良好であっても引きこもりからの改善は不可能です。そのため、適切な治療が必要というわけです。
生活リズム(昼夜逆転など)を変えないと状況は改善しない
ただ適切に精神科病院・クリニックを受診していたとしても、無職のニートから状況が改善しない人がいます。治療によって外に出るようになり、働く意欲が湧いているなら特に問題ないものの、相変わらず長期にわたって家に引きこもっているというわけです。
これについて、引きこもりはほとんどのケースで生活リズムが崩れています。昼夜逆転していたり、気づいたら朝と夜が繰り返されていたりします。
精神疾患というのは、薬を服用していれば自動的に改善するわけではありません。規則正しい生活を送り、さらには定期的に外へ出る習慣がなければいけません。
しかし、実家や現状での一人暮らしの状態では必然的に甘えが出てしまい、生活リズムが改善せず、引きこもりが長期化してしまいます。そのため、生活環境を変えることが無職のニートを脱するために必要です。
障害者施設を利用し、きっかけ作りをする
具体的にどう環境を変えるかというと、最も確実で有効な方法が障害者グループホーム(共同生活援助)の利用です。精神障害者だけでなく、知的障害者や身体障害者も利用しますが、複数の障害者が共同生活を送る施設です。
精神疾患を有する場合、たとえ軽度であっても精神障害者として障害者グループホームを利用できます。
食事や消灯の時間が決まっており、介護スタッフが常にいるため、障害者グループホームの利用では強制的に規則正しい生活になります。少なくとも、昼夜逆転になることはありません。また通院同行を含めて、定期的な通院も問題ないです。
いまの環境を続ける場合、引きこもりが長期化します。そこで無職のニートから立ち直りたい場合、環境を大きく変えるため、障害者施設への入居を最初のきっかけにする人は多いです。
・引きこもり専門の施設は高額で利用が現実的でない
なお引きこもりから抜け出すとき、引きこもり専門の施設を考える人がいます。ただ、こうした施設は自費利用になるので出費は高額となり、利用は現実的ではありません。親が金持ちでない限り、金銭面の問題でこうした施設を利用できないのです。
一方、障害者グループホームは公的サービスであり、低所得者はサービス料が無料です。また家賃は国や自治体から補助があります。さらには、シェアハウス形式なので食費や水道光熱費は最安値です。こうした理由から、収入のない精神障害者であっても金銭面では問題なく住めます。
なお日々の食費や水道光熱費の支払いも厳しい場合、生活保護を利用できます。親と一緒の生活では生活保護を利用できないものの、障害者グループホームにて生活する場合、問題なく生活保護にて日々の支出を出せるようになります。
日中活動を通し、外出する
こうして障害者グループホームを利用し、規則正しい生活を行います。ただ大人のニートから抜け出すには、規則正しい生活だけでも不十分であり、外出しなければいけません。要は、平日の昼間に施設外で活動をします。
障害者グループホームに入居している人では、昼間に日中活動をするのが普通です。要は精神科デイケアへ通ったり、障害者向けの就労サービスを利用したりするのです。
就労サービスには就労継続支援A型(就労A)や就労継続支援B型(就労B)があります。どちらも短時間労働になりますが、こうした障害者向けの就労をすることにより、賃金を得ながら仕事に慣れることができます。
また就労継続支援A型・B型をすることにより、少なくとも引きこもりの状態から抜け出すことになります。このときは、まだ一般企業で仕事ができる状態ではなく、世間一般的には無職の状態であることに変わりないです。ただ、まずは引きこもりから脱出することが重要です。
就労支援にて一般企業で仕事を行い、社会復帰する
これら障害者グループホームや就労継続支援A型・B型などの障害福祉サービスを利用することにより、大人のニートから立ち直るきっかけを作れます。その後、人によっては一般企業で働きたいと考えるようになります。
精神障害者が働きたいと考え、社会復帰するときに頻繁に利用される公的サービスが就労移行支援です。障害者グループホームから就労移行支援へ通う人は多く、障害者雇用を含めて企業就職を目指すためのサービスです。
長く引きこもっているほど症状の重い精神障害者がいきなり就労移行支援を利用しても、企業就職は現実的ではありません。それよりも、障害者グループホームの活用などによって規則正しい生活を行えるようになり、次に就労継続支援A型・B型によって仕事に慣れる必要があります。
ただある程度まで慣れたのであれば、就労移行支援によって企業就職を行い、社会復帰するというわけです。こうした就労支援について、20代や30代の若い人は当然として、40代や50代であっても問題なく利用できます。
- 規則正しい生活
- 定期的な通院
- 日中での仕事
これらを行うことで、ようやく徐々に精神疾患が改善していきます。そこで病気の治療がうまくいき、症状が改善してきたのであれば、一般企業への就職を視野に入れることで無職の状態から脱出するといいです。
引きこもりから抜け出すには治し方がある
多くの人は現状維持の居住環境のまま、引きこもりから抜け出すきっかけを探します。そのため、引きこもりから脱却できず無職の状態が長期化します。ただ根本的な原因は精神疾患であるため、まずは病気を治療することを最優先に考えなければいけません。
そこで、まずは昼夜逆転の改善や栄養バランスを含めて規則正しい生活を送りましょう。ただ実家や一人暮らしでの生活では現状維持となるため、環境を変えるために障害者グループホームを利用しましょう。同時に、障害者施設では日中活動をすることになるため、ある時点で強制的に引きこもりではなくなります。
そうした後に働きたい意欲を取り戻したのであれば、就労移行支援によって社会復帰してもいいです。障害者雇用で働けば、健常者と同じ給料を得ることができ、無職ではなくなります。
引きこもりからの脱出では、正しい手順があります。そこで引きこもりの治し方を理解したうえで、環境を変えることで外出や仕事を行えるようになりましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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