ADHDやアスペルガー症候群、自閉症(自閉スペクトラム症)、学習障害は発達障害に分類されます。こうした発達障害を有する場合、仕事でトラブルを生じやすく、結果として無職の引きこもりになりやすいです。
こうした大人のニートについて、引きこもりの期間が長い場合、家族による支援だけで復帰するのは現実的に難しいです。ニートを脱することができるのであれば何年も引きこもりをしておらず、既にニートから脱しているからです。
それでは働けない無職の発達障害について、どのように社会復帰すればいいのでしょうか。利用するべき公的支援や引きこもりを改善するためのステップを解説していきます。
もくじ
ADHDやアスペルガー、自閉症は引きこもりになりがち
発達障害の場合、人の気持ちを読み取るのが難しかったり、注意散漫になったりしてしまいます。発達障害には以下があります。
- ADHD(注意欠陥・多動性障害)
- ASD:アスペルガー症候群、自閉症(自閉スペクトラム症)
- 学習障害(LD)
こうした発達障害を有する人で仕事でうまくいかず、対人関係で苦労する場合、仕事を辞めて引きこもりになりやすいというわけです。
うつ病など精神疾患の併発でより働けない人は多い
また発達障害を有する場合、対人関係の苦労からどうしてもうつ病を含めた精神疾患を発症しやすいです。発達障害を有する人は精神障害者ですが、さらにうつ病などの精神疾患が加わることで障害の程度が重くなるのです。
うつ病となると、当然ながらより家に引きこもりがちになります。お風呂やトイレも気力がなくなるのがうつ病であるため、仕事をするどころではありません。
中には、発達障害に加えて軽度知的障害を有する人もいます。発達障害で知能指数の高い人はいますが、反対に知的障害を併せ持つ人も多いのです。この場合についても、ニートとなって引きこもりがちになります。
いずれにしても発達障害の場合、対人関係がうまくいきにくいため、健常者よりも精神疾患を併発しやすいです。その結果、引きこもりになりがちです。
規則正しい生活がニート脱出で不可欠
ただ親と一緒に暮らしていたり、一人暮らしで引きこもりをしていたりする発達障害の引きこもりについて、家族による助言でニートから抜け出せるかというと、現実的には厳しいです。
ただ健常者であっても、引きこもりの社会復帰は厳しいです。これがADHDやASD(アスペルガー症候群、自閉症)、学習障害となると社会復帰はさらに困難です。
また大人のニートでは、多くの人で日々の生活リズムが崩れています。そのため無職の状態から脱するためには、生活リズムを改善させる必要があります。ただ家族による助言で生活リズムが直るかというと不可能に近いです。
そこで公的施設を利用することで大人のニートから脱するようにしましょう。環境を変えなければ、実際のところ発達障害でニートから脱出するのは厳しいです。
障害者グループホームを利用して改善させる
具体的には、大人の引きこもりは障害者グループホーム(共同生活援助)を利用しましょう。複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。
障害者グループホームには常に介護スタッフがいます。また食事や入浴、門限、消灯の時間が決まっており、強制的に規則正しい生活となります。実家や一人での生活では規則正しい生活が無理であっても、障害者グループホームであれば規則正しい生活にならなければいけません。
また無職の場合、ほとんどの人で低所得者です。この場合はサービス料が無料であり、家賃は国や自治体から補助が出ます。さらには、シェアハウス形式なので食費や水道光熱費は最安値です。
このとき、もし食費や水道光熱費の負担が厳しい場合、生活保護を利用できます。実家暮らしだと生活保護は基本無理ですが、障害者グループホームへ入居するタイミングであれば、ほぼ問題なく生活保護を利用できます。
生活保護を利用するとき、対象者の収入や資産がないことに加えて、親族による「支援できない」という意思表示が必須になります。逆に言えば、親族がこうした意思表示をすれば問題なく生活保護の対象になります。
・役所の相談窓口の利用は意味ない
なお「発達障害で引きこもりから脱出する方法」を調べると、多くのケースで役所の相談窓口に引っかかります。ただ残念ながら、役所の相談窓口で聞いても「家族での話し合いで何とかしましょう」などのような当たり障りのない話だけで終わるため意味がありません。
前述の通り、同じ環境のままで大人の無職が社会復帰をするのは不可能に近いです。そのため発達障害を有する場合、障害者グループホームを利用することで規則正しい生活を送る必要があります。
就労系サービスを利用し、外へ出る
また障害者グループホームを利用する人は多くの場合、平日の昼間に日中活動をします。ADHDやアスペルガー症候群、自閉症(自閉スペクトラム症)、学習障害の場合、日中活動で就労系サービスを利用するのが一般的です。
要は、障害者であっても働ける公的サービスがあります。このとき、症状が重いのであれば就労継続支援B型(就労B)を利用しましょう。雇用契約なしに、内職のような軽作業を行うのが就労継続支援B型です。
また症状が軽かったり、就労Bに慣れたりした場合、就労継続支援A型(就労A)を利用します。雇用契約ありにて働き、毎日の出勤が必要になるのが就労継続支援A型です。
就労継続支援A型・B型を利用することにより、少なくとも家に引きこもっている状態から脱出できます。働けない発達障害がいきなり一般企業で働くのは厳しいです。そこで障害者グループホームを利用しつつ、日中活動で障害者向けの就労サービスを利用するのです。
一般企業への就職を目指してもいい
また働けない発達障害について、就労継続支援A型・B型によって引きこもりの状態から脱出できたのであれば、次にようやく企業就職を目指します。このときも障害福祉サービスを利用することで、障害者雇用にて企業就職を目指します。
障害福祉サービスには、一般企業で働くことを目指す就労継続支援があります。企業就職とはいっても正社員とは限らず、アルバイトや契約社員もあります。
このとき発達障害では人と接しない職場など、それなりに配慮が必要になります。そこで障害者雇用を利用して、ADHDやASD(アスペルガー症候群、自閉症)、学習障害でも問題なく働ける職場を選ぶというわけです。
引きこもりの発達障害が働くことを考えるとき、いきなり一般企業へ申し込むことを考えがちです。ただ、ほぼ確実に失敗します。
そこで、まずは障害者グループホームで規則正しい生活を行います。その後、就労継続支援A型・B型(作業所)の利用で引きこもりの状態から脱し、働く感覚を身に付けます。そうして、ようやく一般企業の障害者雇用で働ける準備が整います。
なお障害者グループホームを利用しながら一般企業にて働いている障害者はたくさんいます。そこで、これら公的支援を継続利用することで支援を得ながら正社員にて働くのは問題ありません。
発達障害のニート改善は適切な方法が存在する
ADHDやアスペルガー症候群、自閉症(自閉スペクトラム症)、学習障害について、「引きこもりから脱出したい」「働かない息子をどうにかしたい」と考える人はたくさんいます。ただ相談窓口に聞いても意味がないですし、家族が協力しても脱出は現実的に難しいです。
そこで、環境を変えなければいけません。発達障害は精神障害者であるため、全員が障害者グループホームを利用できます。そこで、障害者グループホームにて規則正しい生活をしましょう。
同時に就労継続支援A型・B型(作業所)を利用します。障害者向けの就労サービスであり、重度の障害者であっても利用している人が多いです。そのため、いま一般企業で働けない精神障害者であっても問題ありません。こうした準備をした後、ようやく企業就職を考えます。
いきなり企業就職を考えてもうまくいきません。そこで発達障害を有する場合は公的支援を活用することで、適切な方法にてニートから脱出することを考えましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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