統合失調症を発症することにより、無職のニートになっていえる人はたくさんいます。統合失調症で引きこもりになってしまうのは普通であり、精神疾患によって外出が困難になっているからです。
こうした統合失調症の人が引きこもりから脱することを考えるとき、障害福祉サービスを積極的に活用しなければいけません。また実家や単独生活だと現実的に社会復帰が難しいため、障害者施設を活用すると優れます。
それでは、統合失調症で引きこもりから脱出するにはどうすればいいのでしょうか。統合失調症での公的サービスの活用法を解説していきます。
もくじ
陽性症状・陰性症状で外出困難になる
性別や人種に関係なく発症するといわれているのが統合失調症です。統合失調症では、以下の症状が表れます。
【陽性症状】
- 幻覚・幻聴
- 妄想
- 思考障害(支離滅裂な言語など)
【陰性症状】
- 抑うつ状態
- 感情鈍麻(喜怒哀楽がない)
- コミュニケーションの遮断
陽性症状では、外出が困難になるので家の中にいる機会が多くなります。また陽性症状はうつ病と症状が似ており、抑うつ状態では外出する気力がないので家に引きこもってしまいます。
働けない精神障害者はニートになりやすい
家に引きこもるため、仕事をすることはできません。こうして統合失調症によって外出困難になり、働けないニートになります。
大人の引きこもりはほとんどのケースで精神疾患を抱えています。人によって保有する精神疾患は異なりますが、統合失調症を発症することで引きこもりになっている精神障害者は非常に多いというわけです。
・役所の相談窓口や家族の支援では改善しない
このとき、役所の相談窓口を利用してもまったく意味ありません。統合失調症は病気であるため、正しく改善させる必要があり、役所の助言は何も役に立たないのです。
また家族の支援があっても社会復帰は難しいのが現状です。家ではどうしても甘えが出てしまい、服薬管理はしてもらっても、生活リズムの乱れはなかなか改善しません。そもそも、家族の支援で引きこもりから脱出できるのであれば、既に脱出できているはずです。
そのため統合失調症に関わらず、すべての引きこもりについて公的サービスを活用することで無職のニートから立ち直ることを考えます。
障害者グループホームで規則正しい生活を行う
そこで、まずは障害者グループホーム(共同生活援助)を利用しましょう。複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。
家にいると生活リズムが高確率で狂っているものの、障害者グループホームでは食事や入浴、門限などが決まっています。つまり、強制的に規則正しい生活になります。統合失調症の改善では規則正しい生活が不可欠であり、障害者施設であれば自然と行えます。
また専門の介護スタッフが施設内にいるため、常に援助を依頼できます。家で暮らしていても規則正しい生活にならず、症状の改善は難しいものの、障害者施設であれば可能です。
働けない無職でも生活保護で住める
なお障害者グループホームを利用するとき、働けない無職は低所得者に該当するため、サービス料は無料です。また家賃は国や自治体から補助が出ますし、シェアハウス形式なので食費や水道光熱費は最安値です。
ただそれでも、毎月の食費や水道光熱費、その他の雑費の支払いは必要です。統合失調症で働けない場合、こうした支払いも厳しいです。
その場合、生活保護を利用できます。障害者グループホームの利用者はほとんどが生活保護であり、低所得者であっても生活できるように設計されています。
また障害者グループホームを利用するタイミングであれば、収入や資産のない精神障害者は審査に通ります。実家暮らしの引きこもりでは生活保護を利用できないものの、障害者施設の利用であれば生活保護の申請は問題ありません。
デイケアや就労Bを開始し、余裕が出れば就労A
また障害者グループホームを利用する場合、ほとんどの人が日中活動をします。要は、リハビリを受けたり就労したりします。
症状が重い場合、最初は精神科デイケアを利用するといいです。精神科病院やクリニックにてデイケアを利用することができ、統合失調症に対するリハビリテーションが可能です。
また障害福祉サービスには就労継続支援B型(就労B)があります。雇用契約なしにて軽作業を行うのが就労Bであり、重度の障害者であっても多くの人が就労継続支援B型を活用しています。これら精神科デイケアや就労継続支援B型を利用すれば、少なくとも引きこもりから脱出できます。
また余裕が出れば、就労継続支援A型を利用してもいいです。短時間労働にはなるものの、一般企業での就労とほぼ同じ内容について、雇用契約ありで働く方法が就労継続支援A型です。
働けない統合失調症の場合、いきなり企業就職をするのは現実的に不可能です。そこでまずは精神科デイケアや就労Bに通います。その後、就労継続支援A型を利用するなど、少しずつステップアップしていかなければいけません。
就労では就労移行支援を利用する
なお数年の時間をかけて症状が改善し、就労継続支援A型・B型での作業を問題なく行えるようになれば、その時点でようやく一般企業での就職を考えます。
企業就職を目指すための障害福祉サービスに就労移行支援があります。障害者雇用での就職になり、就職には正社員だけでなくアルバイトや契約社員も含まれます。
症状が非常に軽度なのであれば、最初から就労移行支援が有効です。ただ働けないほど症状が重く、引きこもりの人が就労移行支援から開始するのは現実的ではなく、最初は「障害者グループホームを利用しつつ、精神科デイケアや就労継続支援A型・B型」の利用が適切です。
そうはいっても、症状が改善したのであれば企業就職を見据え、就労移行支援を用いた障害者雇用を目指しましょう。これにより、最終的には社会復帰が可能です。
統合失調症で無職のニートから脱出する
統合失調症を理由として引きこもりは多く、こうした人はほとんどのケースで生活リズムが乱れています。ただ家で規則正しい生活を行うのは現実的に難しく、引きこもり生活は長くなりやすいです。
そこで、働けないニートの精神障害者は障害者グループホーム(共同生活援助)を利用します。こうして規則正しい生活を送れるようになります。このとき、生活保護を利用して日々の生活費を出せば問題ありません。
さらに障害者グループホームでは精神科デイケアや就労継続支援A型・B型などの日中活動をします。また就労継続支援での就労に慣れたら、一般企業での障害者雇用を目指して就労移行支援を活用すればいいです。
統合失調症で引きこもりになっている場合、ニートからの正しい脱出方法があります。そこで、公的サービスを利用することで最終的には社会復帰を目指しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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