障害者が短期入所(ショートステイ)を利用するのは一般的であり、多くは1週間以内の短期間にて利用します。
ただ中には、長期間にわたってショートステイを利用する障害者もいます。短期入所は短期間の利用を想定しているものの、長期間の利用法も可能であり、これをロングショートステイといいます。こうしたロング利用について、緊急時は有効です。
もちろん、障害者が短期入所をずっとロング利用するのは適切ではありません。早めにロングショートステイをやめて、正しく障害福祉サービスを利用する必要があります。
それでは短期入所のロング利用が必要な場合、どのように考えればいいのでしょうか。障害者が短期入所でロングステイ(ミドルステイ)をするときの方法を解説していきます。
もくじ
短期間利用だが月30日の期間で利用可能
障害福祉サービスの一つが短期入所であり、その名の通り短期間の利用を想定しています。このとき、最長で月30日の利用が可能になっています。
そのため短期間の利用とはいっても、月30日も利用すれば、月のうちほとんどを障害者施設で過ごすことになります。月の半分ほどの利用であれば何も問題ないものの、月の大半をショートステイするというわけです。
ただショートステイで月30日の支給が決定されているのであれば、月30日を実際に利用するのは何も問題ありません。
・1か月以上の長期間の利用がロングショートステイ
このとき、月30日の利用で何か問題が起こることはありません。一方で1か月以上にもわたってショートステイを繰り返す場合、ロングショートステイとなります。
1か月以上の利用であるため、本来の目的とは異なります。ただ必要な場合はロングステイ(ミドルステイ)をする障害者もいます。
月またぎでも同じ施設で30日を超える滞在はできない
なお同じ月であっても、月またぎであっても、同じ施設で30日を超えるショートステイをすることはできません。この場合、1日以上を空ければ再び同じ施設で月30日までの短期入所が可能になります。つまり公的補助を利用しつつ、同じ施設で月30日超の滞在はできないと考えましょう。
なお家族がいて、帰る場所がある障害者であれば1日以上を空けて再びショートステイするのは特に問題ありません。一方で問題になるのは、家族のいない障害者です。
この場合、同じ施設での滞在では1日以上を空けなければいけないため、短期入所でロングショートステイをする場合、「自費利用にて1日だけ別の障害者施設やホテルに宿泊する」ことも含めて、複数のショートステイ先を転々とすることになります。
あくまでも、短期利用がショートステイの原則です。そのため、長期利用したい障害者にとってショートステイは不便です。
31日目は自費になる:施設が別でも対象外
なおショートステイで31日以上を利用する場合、31日目はサービス料が自費になります。食費や水道光熱費は元から自費であるものの、サービス料についても完全自費になるため、低所得者である障害者は負担が大きくなります。
ショートステイで長期利用するにしても、公的補助を利用できるのは前述の通り月30日までとなります。そこで30日の滞在を終えたら、31日目は完全自費で過ごし、その次の日から再び月30日の枠を利用してショートステイすることになります。
・別施設の利用でも、連続利用は31日目が自費
ちなみに、これは別の障害者施設にてショートステイすることになっても同様です。ショートステイの途中で短期入所先Aから短期入所先Bへ変わっても、連続でショートステイを利用しているのであれば、障害福祉サービスで同じサービスを継続して受けているのと同じです。そのため、31日目は自費になります。
また、例えば「短期入所先Aで30日を過ごし、31日目に短期入所先Bへ移る」という場合も同様に、連続して30日超のショートステイを利用していると判断されます。そのため、31日目は必ず自費です。
緊急時の長期利用は普通
それでは、こうしたロングショートステイが悪いのかというと、必ずしもそうではありません。障害者にとって、短期入所のロング利用が仕方のないケースもあります。例えば以下が該当します。
- 病院から退院するものの、住む場所が決まっていない
- 家族が急死し、障害者の滞在場所がない
- 家族が病気で入院し、介護できる人が誰もいない
こうした緊急事態が発生したものの、障害者一人では生きていくことができない場合、短期入所の長期利用を選択することになります。確かにロングショートステイは本来の利用法とは異なるものの、仕方のない理由でロングショートステイを利用している障害者はいます。
年間利用日数は1年のうち180日が目安
それでは長期間の短期入所をするにして、ショートステイで認められている年間利用日数はどのようになっているのでしょうか。これについては、以下のようになっています。
- 年間利用日数は1年のうち半分(180日)が目安
なお、あくまでも目安であり、1年のうち半分(180日)を超えたらいけないわけではありません。実際のところ、長期に渡ってロングショートステイをしている障害者はいます。そのため絶対に1年のうち半分(180日)を超えたらいけないというわけではないものの、こうした目安があります。
なお「1年のうち半分(180日)」での1年というのは、最初に短期入所を利用した日から起算して1年間です。この間について、180日を超える利用は好ましくありません。
素早く障害者グループホームを見つけるべき
なお障害者が短期入所にてロングステイ(ミドルステイ)を利用するのが良くない状況なのは共通しています。そこで長期の短期入所ではなく、可能な限り早く障害者グループホームを利用しましょう。
同じ障害福祉サービスの中でも、短期利用を前提としているサービスが短期入所です。一方で長期間にわたって障害者が住める障害福祉サービスが障害者グループホーム(共同生活援助)です。障害者グループホームでは、複数の障害者が共同生活を送ることになります。
そこでショートステイでの滞在ではなく、可能な限り早く障害者グループホームへ住むことを考えなければいけません。
このとき、相談支援員などの担当者のみを頼ってもいいですが「施設の空きがない」といわれ、何年も待たなければいけないことがよくあります。そのため障害者グループホームの紹介サイトを活用するなどとして、素早く障害者グループホームを見つけるようにしましょう。
障害者グループホームは空きがないといわれますが、正しい方法であれば1~2か月で空きを見つけ、すぐに入居できます。少なくとも、半年以上を待つ必要はありません。またロングショートステイは本来とは異なる利用法であるため、素早く短期入所から障害者グループホームへ切り替えましょう。
・費用はショートステイと同様に格安
なお障害者グループホームを利用するとき、ショートステイと同様に費用は格安です。ロングショートステイを利用しなければいけない障害者というのは、ほぼ全員が低所得者に該当すると思います。この場合、障害者グループホームでは国や自治体から家賃補助があるため、家賃は格安です。
また食費や水道光熱費などの必要な支払いは短期入所と同様です。ほかには、低所得者であればサービス料は無料です。それでいて、ショートステイのように住むときの滞在期限はなく、障害者施設を転々とする必要はありません。
短期入所の長期利用は好ましくない
通常、障害者によるショートステイは短期利用が前提となっています。このとき月の半分の利用であれば特に問題ないものの、月30日の利用枠をフル活用し、さらには1か月以上のショートステイをする方法が存在します。
こうしたロングショートステイの利用について、緊急時であれば仕方ありません。1年の半分(180日)までという目安はあるものの、実際にロングショートステイをしている障害者は多いです。
ただ短期入所の長期利用が好ましくないのは事実です。そこで、可能な限り早く障害者グループホーム(共同生活援助)を利用することで、一つの場所へ長期間滞在できるようにしましょう。障害者グループホームであれば、短期入所と同様に格安です。
緊急時に短期入所の長期利用は問題ありません。ただショートステイ先を転々とするのではなく、早めに定住できる場所を見つけるといいです。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。