短期入所(ショートステイ)を障害者が利用するとき、いくつかの種類があります。こうした中でも、ショートステイの種類には福祉型と医療型があります。
多くの障害者で利用するショートステイが福祉型短期入所です。一方で常に医療が必要な重度の障害者である場合、医療型短期入所を利用できます。医療型短期入所は施設数が少ないものの、大人から子供(障害児)まで活用できます。
それでは、ショートステイで福祉型と医療型にはどのような違いがあるのでしょうか。短期入所で福祉型短期入所と医療型短期入所の中身を解説していきます。
もくじ
ショートステイには福祉型と医療型がある
障害者が短期入所を利用するとき、常に医療を必要とするかどうかによってショートステイ先を分けなければいけません。
一般的には、障害者は自らの力である程度まで生活できます。介助が必要であっても、若い障害者は自ら食事をすることができ、立って歩けます。車いす生活の障害者であっても、自らの意思で動ける人は多いです。
そのため重度の知的障害者や精神障害者、身体障害者であっても、ほとんどの人で福祉型短期入所を利用します。障害者施設でショートステイの受け入れが実施されており、こうした施設にてさまざまな障害者が生活しています。
障害者について常に医療が必要でない場合、福祉型短期入所を利用すると考えましょう。
常に医療が必要な重症心身障害者で医療型を利用可能
ただ福祉型短期入所の場合、高度な医療に対応することができません。看護師が常駐していたり、訪問看護ステーションと提携していたりする場合、多少の医療行為をすることができます。ただ、それ以上の医療になると対応が難しくなります。
そうした重症心身障害者や難病患者について、病院などの医療機関がショートステイを提供している場合、医療型短期入所を利用できます。
医療機関での短期入所であるため、常に医療が必要な障害者(障害児)であっても問題なく対応できます。誰でも利用できるわけではないものの、常に医療が必要な重症心身障害者(重症心身障害児・医療的ケア児)の場合、医療型短期入所が有効です。
区分1以上であれば福祉型のショートステイを依頼できる
それでは、福祉型短期入所と医療型短期入所でどのような違いがあるかというと、対象者が大きく異なります。福祉型短期入所の場合、障害支援区分が1以上であれば利用できます。区分は1~6まであり、数字が大きいほど重度を表します。
区分1以上で問題ないことから、軽度の障害者を含めて、障害者であれば誰でも利用できる制度が福祉型短期入所です。
なお子供(障害児)の場合、大人が利用する障害支援区分とは異なる指標を用います。ただ、大人と同様に障害をもつのであれば問題なく利用できます。
対象年齢は異なるが、65歳未満なら利用できる
なおすべての障害者が利用できるとはいっても、短期入所では年齢制限があります。例えば子供の場合、施設によって利用の対象年齢が異なるのは普通です。例えば以下の施設では、小学一年生から利用できます。
ショートステイ先によって異なりますが、最も年齢が低くても3歳以上からに設定している施設がほとんどです。
一方で大人向けのショートステイでは、65歳未満で利用できます。65歳以上の高齢者は介護保険サービスが優先されるため、障害福祉サービスでのショートステイを利用できません。いずれにしても、65歳未満であれば障害者向けの福祉型短期入所が可能です。
医療型では対象者が絞られる
このようにあらゆる障害者で利用できる福祉型短期入所ですが、医療型短期入所は誰でも利用できるわけではありません。例えば、以下の人で医療型短期入所を利用できます。
- 人工呼吸器による呼吸管理をしている
- 重症心身障害者(重症心身障害児、医療的ケア児)
- 進行性筋萎縮症
- 遷延性意識障害(植物状態)
こうした障害者の場合、区分5や区分6などの重度になります。この場合、医療が必要なのであれば医療型短期入所を利用できるようになります。
利用料金(サービス料)は大きく異なる
なお福祉型短期入所と医療型短期入所を比べると、利用料金も大きく異なります。常に医療が必要な分だけ、当然ながら介護負担が大きくなります。そのため、福祉型よりも医療型のほうがサービス料は高額になります。
医療型短期入所を利用するにしても、医療保険ではなく、障害福祉サービスを利用することになります。そのため1割負担ですが、それでも自己負担のサービス料はそれなりに高くなるのです。
福祉型ショートステイの場合、一回のサービス料(自己負担)は500~900円ほどになります。ここに食費や水道光熱費、その他の日用品費などの実費が加わることで一日あたり2000~3000円の利用料金です。
一方で医療型短期入所の場合、サービス料の自己負担は1割負担であっても1600~2700円になります。これに食費や水道光熱費、その他の日用品費が加わるため、一日あたり3000~5000円ほどになります。
なお以下のように、障害福祉サービスは月の負担上限額が設定されています。
状態 | 負担上限額 |
生活保護 | 0円 |
住民税の非課税世帯 | 0円 |
世帯年収600万円以下 | 9,300円 |
世帯年収600万円超 | 37,200円 |
確かに医療型短期入所の場合、サービス料は高くなります。ただ世帯年収が高額でないのであれば、サービス料が高くなりすぎることを心配する必要はありません。
ただそれでも、食費や水道光熱費、日用品費は前述の通り実費負担になります。また点滴などを利用する場合、医薬品代が必要になります。そのため、福祉型に比べると医療型はどうしても費用が高くなりやすいです。
福祉型と医療型の違いを理解してショートステイする
ショートステイには福祉型短期入所と医療型短期入所があります。どちらも短期入所ではありますが、対象者や性質が大きく異なります。
障害者であれば、ほとんどの障害者(障害児)で福祉型短期入所を利用できます。障害者で服薬が必要であっても、多くの人は常に医療が必要なわけではありません。この場合、福祉型短期入所を利用することで一時的に入居できます。
ただ重症心身障害者(重症心身障害児)や難病患者、植物状態を含めて、常に医療が必要な障害者もいます。この場合、福祉型短期入所ではなく医療型短期入所を選ばなければいけません。
福祉型と医療型には、こうした違いがあります。そこで、どのようにショートステイ先を選べばいいのか理解して短期入所を利用しましょう。
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