障害福祉サービスにはさまざまな種類があります。この中で障害者に対する宿泊系サービスに障害者グループホーム(共同生活援助)と短期入所(ショートステイ)があります。
同じ事業所が障害者グループホームと短期入所の両方を提供しているのは普通です。要は、同じ施設内で障害者グループホームを利用してもいいし、ショートステイを活用してもいいのです。ただ、両者は異なる障害福祉サービスです。
それでは障害者が親元を離れて暮らすとき、どのように障害者グループホーム(共同生活援助)と短期入所(ショートステイ)を使い分けて利用すればいいのでしょうか。それぞれの違いや同日の併用が可能かを含めて解説していきます。
もくじ
共同生活援助と短期入所は滞在日数が異なる
複数の障害者が共同生活を送る施設として障害者グループホーム(共同生活援助)があります。また短期入所(ショートステイ)についても、障害者向けの施設で複数の障害者と一緒に生活することになります。
このとき、障害者グループホーム(共同生活援助)と短期入所(ショートステイ)では以下の違いがあります。
- 障害者グループホーム:常に住む
- 短期入所:月の特定の日のみ住む
これ以外の違いは基本的になく、障害者施設に滞在可能な日数に違いがあると考えましょう。
ずっと同じ場所に住むのが障害者グループホーム
親元を離れ、障害者が一人で住むことを考えるときに第一選択肢になるのが障害者グループホーム(共同生活援助)です。共同生活援助の場合、ずっと同じ場所にて住み続けることになります。
障害者グループホームに住んでいる障害者について、ほとんどの人が日中活動をします。要は、昼にデイサービスへ通ったり、仕事をしたりするのです。
また障害者グループホームは家と同じです。そのため、住民票を障害者グループホームに移すのは普通です。いずれにしても、長期間にわたって障害者が住み続けられる施設が障害者グループホーム(共同生活援助)です。
月に30日まで滞在可能な公的サービスがショートステイ
一方で短期入所(ショートステイ)の場合、月に数日(または数十日)の滞在になります。障害者グループホーム(共同生活援助)のように、ずっと特定の場所に住み続けるわけではありません。基本は実家などに暮らしているものの、月に数日ほど障害者施設に宿泊するのです。
障害者施設へ一時的に入居する場合、その間は家族の介護負担がゼロになります。障害者に対するすべての世話は施設の介護スタッフが行うからです。
なおショートステイでは、最大で月30日まで利用できます。ただ、どのような日数が支給決定になるのかは自治体によって違います。また、ショートステイを利用するときの空き状況は障害者施設によって異なります。
・短期入所では入所施設(障害者支援施設)の利用も可能
なお短期入所で利用可能な施設としては、障害者グループホーム(共同生活援助)だけでなく、入所施設(障害者支援施設)もあります。
入所施設の場合、重度の障害者向け施設となります。共同生活援助でも重度の障害者を受け入れ可能ですが、入所施設(障害者支援施設)に住む場合、元から重度の人をターゲットにしています。いずれにしても、ショートステイの利用では入所施設も含めて検討するといいです。
障害者施設への入所とショートステイは同日に併用不可
なお同じ宿泊系の公的サービスであるため、障害者グループホーム(共同生活援助)と短期入所(ショートステイ)を同日に併用するのは不可となっています。
これについては当然であり、例えば同じ日に2つのホテルを予約することはありません。特定のホテルに泊まった後、別のホテルへ移るのは普通です。しかし、同じ日に複数のホテルを予約するのは無駄です。そのため当然ながら、同日に障害者グループホームと短期入所の併用はできません。
障害福祉サービスを利用するとき、障害者グループホームとショートステイの両方を利用できるように準備するのは優れています。障害福祉サービス受給者証があれば、あとは障害者グループホームや短期入所を提供している施設と契約するだけです。ただ、施設の同日利用はできません。
体験利用なら共同生活援助の利用中でも可能
なお宿泊場所が重ならないのであれば、障害者グループホーム(共同生活援助)の利用中に他の場所を利用するのは問題ありません。
例えば、特定の障害者グループホームに入居中の障害者について、1~2日だけ他の障害者施設を利用するため、移動するのは普通です。体験利用のために他の障害者施設を利用する場合、こうしたことがひんぱんに起こります。
「障害者グループホームを強制退去になる」「いまの障害者施設が合わない」などにより、他の障害者グループホームを探さなければいけない人は多いです。ただ新たな障害者施設へ入居するとき、事前に体験入居をするのはよくあります。
体験入居をすれば、部屋の様子や世話人・他の障害者の様子、施設のルールなどをより詳細に把握できます。
そのため障害者グループホームに入居中の人について、特定の日のみ別の障害者グループホームを体験利用できます。宿泊場所は違い、さらには事情があるため、体験については特に問題ありません。
実家へ一時帰宅中などに併用するのは問題ない
なお障害者グループホーム(共同生活援助)を利用している人であっても、必ずしも常に障害者グループホームに入居しているわけではありません。場合によっては、障害者が実家へ一時帰宅することがあるかもしれません。
このとき、障害者は共同生活援助で生活しているわけではないため、実家へ一時帰宅中のときに他の障害者施設でショートステイを利用するのは問題ありません。
要は、同じ日に障害者グループホームとショートステイの両方に宿泊の予約を入れることはできません。ただ、どちらか一方を利用していないのであれば、共同生活援助または短期入所にて障害者施設へ宿泊できます。
違いを理解して障害者が宿泊する
多くの障害者が障害者グループホーム(共同生活援助)と短期入所(ショートステイ)を活用しています。障害福祉サービス受給者証の利用対象について、共同生活援助とショートステイの両方を記載してもらうのは問題ありません。
障害者グループホームの場合、障害者は同じ施設にずっと住むことになります。一方で短期入所では、障害者は月のうち数日(または数十日)の滞在となります。障害者グループホームと短期入所では、こうした違いがあります。
なお同日利用での宿泊予約はできないものの、宿泊日が重なっていないのであれば併用可能です。そのため障害者グループホームに入居中の人がショートステイを利用して、体験入居するのは問題ありません。また実家などで一時的に滞在している場合、その間にショートステイを利用してもいいです。
障害者グループホームと短期入所を利用するとき、これらの違いを学びましょう。そこで、それぞれの障害福祉サービスを活用するといいです。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。