障害福祉サービスに短期入所(ショートステイ)があり、子供の障害児であっても利用できます。児童を宿泊させたい場合、ショートステイが有効です。
親が旅行・冠婚葬祭へ出かけたり、病院へ入院したりするとき、障害児を家に放置するわけにはいきません。そこで、短期入所が役に立つのです。
障害福祉サービス受給者証を入手した後、ショートステイを提供する事業者と契約すれば利用できます。ただ実際には1~2か月ほど前から予約する必要があるなど、ホテルのようにすぐ予約できるわけではありません。また、料金もかかります。
短期入所は障害のある子供をもつ親にとって便利ですが、利用に当たって要件があります。そこで、ショートステイを利用するときの区分や利用料金、流れを解説していきます。
もくじ
18歳未満の児童でショートステイを利用する
成人向けのサービスが障害福祉サービスです。ただ障害福祉サービスの中には、18歳未満の子供であっても利用できるサービスがあります。その一つが短期入所(ショートステイ)です。
障害児が利用できる障害福祉サービスの中では、居宅介護(ホームヘルプ)と短期入所(ショートステイ)が最もひんぱんに利用されます。児童がショートステイを利用するのは普通であるため、積極的に活用して問題ありません。
なおショートステイを利用するとき、障害者手帳は必須でないものの、ほとんどの障害者施設で短期入所の利用時に障害者手帳の提示が必要になります。障害児であれば恐らく既に保有していると思いますが、事前に以下の障害者手帳を保有しておきましょう。
- 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
- 療育手帳:知的障害のある人
- 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人
障害をもつ子供を家に放置するのは無理であるものの、ショートステイを利用すれば親は冠婚葬祭へ行けますし、一時的な入院も可能です。そこで、こうした障害福祉サービスを利用するのです。
利用日数や年齢は自治体・事業所によって異なる
通常、ショートステイの利用日数は原則として月30日までとなっています。ただ実際には、子供の場合は月30日も利用できないケースが多いです。判断は自治体によって異なりますが、例えば「月10日まで利用できる」「月15日以内の利用が可能」などのようになります。
成人であれば、月30日のショートステイを許可されるのは普通です。一方、児童では長期のショートステイが許可されるというよりも、月7~15日などの許可となるケースがよくあります。
なおショートステイを受け入れる事業者側についても、「15日まで利用可能」などのように制限を設けていることはよくあります。また小学校一年生から利用できたり、10歳から利用できたりなど、受け入れ施設によって年齢の判断が異なります。
・医療的ケアの必要によっても変わる
また障害児によって、医療的ケアが必要かどうかが違います。医療が必要場合、一般的な短期入所施設では対応できず、病院併設や看護師が常駐している施設など、利用できる施設が限られます。障害の程度や状況によって利用可能な施設が変わると考えましょう。
区分を取得し、障害福祉サービス受給者証を発行する
そこで障害をもつ子供について短期入所を利用したい場合、まずは区分を得ましょう。役所で手続きを行い、医師意見書(診断書)の提出や聞き取り調査が行われることにより、区分認定されます。
ショートステイを子供が利用するときの区分については、「障害児に係る厚生労働大臣が定める区分」を利用します。区分は以下のようになっています。
- 区分3:食事・排せつ・入浴・移動のうち、3つ以上が全介助
- 区分2:食事・排せつ・入浴・移動のうち、3つ以上が全介助または一部介助
- 区分1:食事・排せつ・入浴・移動のうち、1つ以上が全介助または一部介助
区分は1~3まであり、数字が大きいほど重度です。知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で障害福祉サービスを利用できますが、障害の程度を区分によって表すのです。ちなみに、医療機関で行う短期入所(医療型短期入所)は重症心身障害児で利用できます。
なお区分認定されたら、「短期入所」と記された障害福祉サービス受給者証を交付してもらいましょう。以下のような書類になります。
短期入所を利用するためには、区分1以上である必要があります。また障害福祉サービスを利用するためには、障害福祉サービス受給者証が必須です。
これらの手続きをしていない段階で短期入所サービスを提供する事業所を探しても意味がないため、先に区分認定と障害福祉サービス受給者証を得るようにしましょう。
利用可能な施設を探し、見学・体験を行う
区分と障害福祉サービス受給者証を得たら、ショートステイを提供している施設を探しましょう。18歳以上の成人向けではなく、障害児向けの短期入所を提供している施設を選ぶのが基本になります。
または、一つの施設で成人と子供の両方が利用している事業所もあります。こうした施設を選んでも問題ありません。
その後、施設へ連絡することで以下のような入所の流れになります。
- 見学・体験
- 契約
- 利用日の予約
多くの場合で見学と体験が必要になりますが、これに要する時間は1時間から半日ほどになります。このとき、注意点やルールを伝えられることになります。その後、問題なければ契約です。
次に、利用したい日を予約します。短期入所できる施設は数が多いわけではないため、ホテルのように直前でも受け入れ可能なケースは少なく、早めに予約しなければ空きは埋まります。そのため、通常は1~2か月前には予約を入れる必要があります。
なお空きが多くないことから、複数の事業所と事前に提携しておく人は多いです。この場合、どこかの事業所で空きがあれば短期入所を利用できます。そのため一つの施設にこだわらず、複数施設との契約も視野に入れましょう。
一日の利用料金は2000~3000円
それでは、障害児がショートステイを利用するときの費用はどれくらいになるのでしょうか。障害福祉サービスは1割負担です。そのため、短期入所を利用するにしてもサービス料は格安です。
ただ実際に宿泊する場合、介護職員によるサービス料だけでなく、食費や水道光熱費、日用品代など、その他の費用もかかります。こうした費用は実費になるため、全額を負担しなければいけません。
しかし、こうした実費を含めても利用料金は格安であり、一日あたり2000~3000円ほどになると考えましょう。
一般的なホテルと比べた場合、ショートステイを利用すると非常に値段が低くなります。しかも介護職員による補助付きであるため、理由があって子供を預けたい場合は短期入所を利用しましょう。
・サービス料に対する負担上限額がある
なおショートステイを含めて、障害児が公的サービスを利用するときに負担上限額があります。障害児の場合、以下のようになっています。
状態 | 負担上限額 |
生活保護 | 0円 |
住民税の非課税世帯 | 0円 |
世帯年収890万円以下 | 4,600円 |
世帯年収890万円超 | 37,200円 |
障害児を育てている場合、放課後等デイサービスなどその他の公的サービスも利用している人が多いです。この場合、ショートステイや放課後等デイサービスなどの公的サービスをすべて含めて、基準額を超えている場合、それ以上のサービス料の負担はありません。
例えば負担上限額が月4,600円であり、放課後等デイサービスなどの利用で既にサービス料が基準額4,600円を超えているのであれば、追加でショートステイを利用してもサービス料はかかりません。この場合、障害児が短期入所を利用するときの費用はより安くなります。
ショートステイを利用して宿泊を行う
短期入所は障害者にとって使い勝手の良い障害福祉サービスです。ショートステイは18歳未満の子供であっても利用できます。
そこで区分を得て、障害福祉サービス受給者証を交付してもらいましょう。自治体によって利用可能日数は異なりますが、月に7日や15日などを利用できるようになります。区分1以上が要件であるため、ほとんどの障害児で利用できます。
その後、実際に利用する予定の施設へ出向いて見学・体験を済ませましょう。こうして契約後、実際に予約をすることで利用できます。空きがないケースはよくあるため、複数の事業所と契約するのは問題ありません。
障害児にとって有益なサービスの一つが短期入所(ショートステイ)です。事情によって親が障害をもつ子供・児童を預けたい場合、障害福祉サービスのショートステイを利用しましょう。
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