障害者グループホームには種類があり、その中の一つが日中支援型グループホーム(日中サービス支援型グループホーム)です。24時間体制にて、常に介護支援が可能なグループホーム(共同生活援助)になります。
日中支援型グループホームを利用する障害者は基本的に重度の人になります。障害者の高齢化や重度の障害を想定して創設されたのが日中支援型グループホームです。
なお、平日の日中を含めて利用できる障害者グループホームとはいっても、障害者が外部施設で日中活動をするのは可能です。またほかの種類の障害者グループホームであっても24時間体制の支援や平日の昼間の支援も普通です。そうなると、他施設との違いとして何があるのか気になります。
それでは、日中支援型グループホームの特徴には何があるのでしょうか。24時間体制で支援可能な日中支援型グループホームの詳細を解説していきます。
もくじ
重度の障害者や高齢者を受け入れ、24時間の支援が可能
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者など、こうした障害者は日中活動をします。つまり、就労支援や作業所での仕事など何かしらの作業をします。重度の知的障害者や精神障害者であっても、仕事をするのは普通です。
ただ重度の障害者だと毎日の仕事は難しいですし、うつ病など人によっては働かずに休むほうが適切なケースがよくあります。また高齢者や体が自由に動かない難病患者など、働くのが無理な人もいます。
この場合、日中活動をするとはいっても、作業所などでの仕事をするのも適切ではありません。そこで、そのような日中活動が難しい障害者を対象にしたグループホームが日中支援型グループホーム(日中サービス支援型グループホーム)です。
平日の日中も含め、家事や相談、その他の介助(食事など)について介護サービスを24時間提供するのが日中支援型グループホーム(日中サービス支援型グループホーム)です。
夜間支援員の1名以上の配置が義務付けられている
なお他の種類の障害者グループホームでは、必ずしも夜間支援員が常駐しているとは限りません。例えば、「夜間支援員は常駐していないものの、近くのグループホームに常駐していて見回りに来る」などは普通です。
一方、日中支援型グループホームでは夜間支援員の1名以上の配置が義務付けられています。つまり、施設内に必ず介護スタッフが常駐しているのです。
日中支援型グループホームで24時間体制となっているのは、そのような配置義務があるからです。そのためほかの障害者グループホームに比べると、介護職員(世話人・生活支援員)の人数は多めです。
介護サービス包括型の共同生活援助(グループホーム)との違い
それでは、障害者グループホームで最も一般的な介護サービス包括型との違いには何があるのでしょうか。
教科書的には、「介護サービス包括型のグループホームは主に夜間と土日に介護サービスを提供する」となります。ただ日中活動をしないほうが適切な障害者も利用しているため、実際には介護サービス包括型であっても平日の昼間に障害者の世話をするのは普通です。
例えば以下は障害者グループホームで利用者が他の利用者も含めてラーメンを作ったときの様子ですが、基本的に介護職員は平日の昼間も施設内にいます。
また夜間を含めて24時間常駐しているのは普通なので、そういう意味で日中支援型グループホームとの違いがあいまいです。
これについては、確かにものすごい違いがあるわけではないものの、日中支援型グループホームでは前述の通り重度の障害者や高齢者など、障害者の中でも日中活動が難しい人の支援を想定します。そのため、元から24時間体制での支援が可能なのです。
障害支援区分3~6の利用者が多い
日中活動が困難な人を想定しているため、必然的に日中支援型グループホームの利用者は障害の程度が重度になりがちです。軽度の知的障害者や精神障害者などであれば、介護サービス包括型を利用すればいいからです。
そのため、日中支援型グループホームの利用者は障害支援区分3~6の人が多いです。
障害者グループホームや入所施設(障害者支援施設)を利用するためには、区分認定が必要です。障害支援区分は1~6まであり、障害区分の数字が大きいほど重度です。
役所で申請することにより、障害支援区分が認定されます。障害区分の数字が大きい場合、日中支援型グループホームの利用を視野にいれてもいいです。
ずっと障害者グループホームへ入居可能
重度や高齢の障害者の利用が前提となっているため、一度入居できれば、日中支援型グループホームへずっと住み続けることができます。これにより、親亡き後問題も解決できます。
障害者グループホームには、無期限で入居できる「滞在型」と3年間を期限とする「通過型」があります。重い障害をもつ人の多くは知的障害や身体障害、難病など一生障害者であることが多いです。この場合、期限のない滞在型となります。
当然、日中支援型グループホームに住むにしても重度の障害者は無期限で入居できるというわけです。
格安で住めるため障害年金だけでも生活でき、さらには介護スタッフによる支援を得ながら親亡き後問題まで解決できるため、特に重度の障害者(子供)をもつ親では、早めに障害者グループホームを利用する人が多いです。
なお日中活動ができない重度の障害者や高齢者を想定しているとはいっても、障害者グループホームで身体障害者の新規入居は65歳未満となります。64歳までに入居すればその後も利用できますが、65歳以上の高齢者だと利用できません。そのため、早めの利用が適切です。
※知的障害者や精神障害者は65歳以上であっても新規入居できます。また65歳に達するまでに、ホームヘルプや障害者グループホームなどの障害福祉サービスを利用していた場合、65歳以上の身体障害者であっても障害者グループホームに新たに入居できます。
利用者が日中活動を行うのは普通
なお日中支援型グループホームを利用するとはいっても、「日中活動をしてはいけない」という意味ではありません。むしろ、利用者は積極的に日中活動をすることになります。
すべての障害者グループホームについて、利用者の自立を促すのが主な目的です。つまり、利用者が自分で行えることを増やすのです。
これには、仕事をすることで賃金を得ることも含まれています。前述の通り、重度の障害者であっても作業所へ出向き、仕事をするのは普通です。重度の障害者では、以下の就労継続支援B型を利用することになります。
そのため「精神疾患によって働かないほうが適切」「重症心身障害者や体の動かない難病患者など、物理的に働くのが困難」という場合を除き、日中支援型グループホームで日中活動はむしろ推奨されます。
短期入所(ショートステイ)による滞在が可能
日中支援型グループホームに特徴的なこととして、すべての施設で短期入所(ショートステイ)が可能なことが挙げられます。
緊急の入居者を受け入れることができるように、日中支援型グループホームでは短期入所の設置が必須になっています。そのため在宅(実家)で障害者の世話をしている親族について、「一時的に入院をしたい」「旅行へ行きたい」などのとき、短期入所を利用して障害者(または障害児)を預けることができます。
以下は実際の障害者グループホームの一室ですが、こうした場所を一時的な宿泊施設として利用できるのです。
もちろん一般的な宿泊施設とは異なり、介護職員が24時間体制でケアを行い、さらには利用料金が格安です。また契約前の体験利用としてのショートステイは有効であるため、こうした制度を有効利用しましょう。
24時間体制となる日中サービス支援型グループホームを利用する
必ず夜間支援員がいて、平日の昼間を含めて24時間体制での支援が可能な障害者グループホームとして日中支援型グループホーム(日中サービス支援型グループホーム)があります。
なお、その他の障害者グループホームであっても平日の昼間に介護スタッフは施設内にいますし、夜も介護職員がいます。ただ日中支援型グループホームの場合、こうした配置が元から義務付けられているというわけです。
日中活動が困難な人が対象であるため、重度の障害者が利用することになります。ただこうした障害者であっても日中活動をするのは普通です。つまり、一般的な障害者グループホームと大きな違いはないものの、より重度の障害者の利用を想定しているグループホーム(共同生活援助)と考えればいいです。
また短期入所(ショートステイ)で日中支援型グループホームを利用できるようになっています。こうした施設を利用することにより、障害者は安心してずっと生活できます。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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