犯罪をしてしまった障害者として触法(しょくほう)障害者が知られています。法律に触れることを触法と呼びます。
触法障害者について、何も支援がない状態では短期間で再び犯罪をしてしまいます。また犯罪者で障害者をもつ場合、親族を頼れないケースが異常に多いです。そこで、受け入れ先として障害者グループホーム(共同生活援助)があります。
それでは、触法障害者がグループホームを利用するときは何を考えればいいのでしょうか。触法障害者にとって重要は支援制度をの活用法を解説していきます。
もくじ
触法障害者とは、犯罪をした障害者を指す
触法障害者とは、過去に大きな犯罪を犯してしまい、刑務所などで過ごしていた障害者を指します。障害者の中でも、知的障害者または精神障害者で犯罪をした人が触法障害者に該当します。
実際のところ、知的障害者や精神障害者だと犯罪をしてしまう確率が高くなってしまいます。事実、刑務所(矯正施設)の新規受刑者を確認すると、新規受刑者のうち2割以上が知的障害者であるとわかっています。また、テスト不能者(知的障害の疑い)まで含めると全体の25%以上です。
なお犯罪白書によると、知的障害者で多い犯罪は窃盗や詐欺、放火などの順番になっています。
もちろん、精神障害者についても同様に犯罪が多いです。うつ病の場合は気力がないので犯罪どころではないものの、統合失調症や発達障害などでは犯罪者が多いです。また、知的障害と精神障害を併発している人もたくさんいます。
受け入れ先がないと再び犯罪をする
こうした触法犯罪者について、親族を頼れないケースは多いです。事実、知的障害者や精神障害者だと満期出所が多いです。これは、身元引き取り人がいないために刑期が終了するまで仮出所できないためです。
また誰も頼る人がいない状態で出所した後、再び犯罪をする期間も短くなりがちです。障害者というのは、善悪の判断が付きにくいのです。
・刑務所へ再び戻りたいと考える
中には、「再び刑務所へ戻りたい」と考える人もいます。刑務所に戻るには再び重い犯罪をする必要があり、これによって犯罪を繰り返してしまうのです。「お金のないホームレスの状態よりは、刑務所で過ごしたほうがいいのでは?」と安易に考えてしまうのです。
触法障害者にとって、受け入れ先は非常に重要です。受け入れ先がないと、再犯率が高くなってしまうからです。
障害者グループホームで過ごす人は多い
犯罪をした障害者について、実際のところ親族と一緒に住む人は少ないです。事実、障害者の出所後は4割以上が所在不明となっています。これは、親や兄弟などとは別の場所で生活していることを意味しています。
そこで身寄りのない触法障害者について、特別な理由がない限りは障害者グループホームを利用しましょう。高齢者の場合は老人ホームという選択肢もありますが、基本的には障害者グループホームを利用します。
たとえ高齢者であっても、知的障害者や精神障害者であれば問題なく障害者グループホームを利用できます。複数の障害者が共同生活を送る場所ば障害者グループホームであり、施設内には常に介護スタッフがいます。
犯罪をした人とは限らないものの、障害者グループホームで過ごす人の多くは親族を頼れない人です。親族が面倒を見切れないからこそ、障害者グループホームで過ごしているわけです。
そこで介護スタッフによる支援のもと、障害者グループホームで過ごします。こうして、過去に犯罪をした人であっても特定の場所に住み続けることができるようになり、刑務所に戻る必要がなくなります。
なお低所得者ではサービス料が無料であり、家賃は国や自治体から補助が出ます。またシェアハウス形式なので食費や水道光熱費は最安値となります。
ただ障害年金などの制度を利用しても、毎月の支払いが厳しいケースがよくあります。この場合、生活保護を利用することで障害者グループホームへ問題なく住めます。
ホームレスになって犯罪をするよりは、生活保護を利用して障害者グループホームにて平穏な生活を送るほうが、すべての人にとって優れます。そのため、過去に大きな犯罪をした人が生活保護を利用し、障害者グループホームに長く住むのは問題ありません。
犯罪者を受け入れ可能な障害者施設は少ない
ただ障害者グループホームの中でも、当然ながら犯罪者を受け入れてくれる施設は少ないです。窃盗や強盗、詐欺、放火などをした犯罪者を受け入れるとなると、その分だけ介護スタッフの手間がかかってしまいます。また、施設内で犯罪をされるのは避けたいです。
触法障害者を受け入れてくれる障害者グループホームは存在します。ただ、その数は全体の1%ほどであり、非常に少ないと考えましょう。
そのため、大きな犯罪をした障害者は「全国どこでもいいので障害者グループホームを探す」と考える必要があります。そうでなければ、受け入れ施設を見つけることはできません。
なお日本全国で探すとはいっても、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)や大阪、名古屋、福岡などの都市部がメインになります。都市部では障害者グループホームの数が多いため、受け入れ先を見つけやすいというわけです。
更生保護施設を利用中に障害福祉サービスへ申し込む
ただ障害者グループホーム(共同生活援助)を含め、初めて障害福祉サービスを利用する場合、利用できるまでには申請して1~2か月の時間がかかります。つまり、すぐに利用できるわけではありません。
また刑務所から出たばかりの障害者について、身寄りがない人は多いです。この場合、更生保護施設にて一時的に住む人がたくさんいます。身寄りのない犯罪者が原則6か月未満で利用できる施設が更生保護施設です。
更生保護施設を利用している間、以下の手続きをします。
- 障害福祉サービスへの申請
- 生活保護の手続き
- 住民票の確保
- その他、生活指導
これらをすることにより、一人だけで生活するための準備を整えることができます。そうして、準備が完了したら更生保護施設から障害者グループホームへ引越しをします。こうして、たとえ収入のない低所得の障害者であってもホームレスになることなく、特定の場所で生活できるようになります。
犯罪者を受け入れる障害者施設を活用する
犯罪者だと親族を頼れる人が少なく、これが知的障害者や精神障害者だと、より身寄りのない人が多いです。また障害者の場合、犯罪を犯す確率もどうしても高くなってしまいます。中には、刑務所に戻るために再び犯罪をする人もいます。
そこで犯罪をしなくても済むように障害者グループホームを活用しましょう。受け入れ施設は限られるものの、適切な支援をしてもらうことで、触法障害者は特定の場所で住めるようになります。
なお、すぐに障害者グループホームを利用できない人は多いです。そこで一時的に更生保護施設を活用し、その後に向けた準備をしましょう。このとき、障害福祉サービスや生活保護の申請をするといいです。
触法障害者にとって、障害者グループホーム(共同生活援助)の利用は重要です。犯罪をしないためにも、障害者は積極的に障害者グループホームを活用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。