若い人であっても発症してしまうのが難病です。難病では、症状の進行によって日々の生活が困難になるケースが多いです。
こうした難病患者が施設に入る場合、第一選択肢は障害者グループホームです。老人ホームは高齢者向けとなるため、65歳未満でこうした介護施設を利用する人はほとんどいません。また、老人ホームは費用が高額です。そのため、グループホームの利用なのです。
なお中には、医療的ケアが必要な状態になっている人がいるかもしれません。この場合、看護師を雇っていたり、訪問看護が可能だったりする施設を利用するといいです。
18歳以上の難病患者で利用できるのが障害者グループホームです。この場合は料金も格安になりますが、どのように考えて利用すればいいのか解説していきます。
もくじ
難病患者で第一候補となる障害者グループホーム
複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。障害者グループホームを利用できる人には以下があります。
- 知的障害者
- 精神障害者
- 身体障害者
- 難病患者
難病患者の受け入れ施設を探すとき、老人ホームを考える人がいます。ただ老人ホームというのは、名前の通り高齢者の受け入れ施設です。通常、65歳未満は対象外です。実際には若くても難病患者は特別養護老人ホームなどに入居可能ですが、高齢者が優先であり、入りたくても空きがなくてほぼ断られます。
そのため、若い人を含めて対象にした施設を探さなければいけません。それが障害者グループホームなのです。
日々の生活に支障がある難病患者というのは、身体障害者でもあります。そのため、問題なく障害者グループホームを利用できます。また介護職員が身の回りすべての世話をするため、親族の介護負担はほぼゼロになります。
格安の費用・料金で入居可能な障害者施設
なぜ多くの障害者・難病患者が障害者グループホームを利用するかというと、親族の介護負担がなくなることに加えて、費用が格安という側面もあります。障害者は無収入の人も多く、そうした人でも問題なく生活できる仕組みになっているのです。
難病患者で働いている人なら何も問題ないですが、施設への入居を考えている場合、ほぼすべての人で低所得者に該当します。この場合は住民税の非課税世帯(または生活保護)となり、こうした人は障害福祉サービスが無料です。
つまり、介護職員によって入浴や排せつ、食事の介助を受けるにしても、特に費用は発生しません。これについては、以下のように厚生労働省も明記しています。
なお家賃は必要になるものの、国や自治体からの補助があるため、実際の家賃負担は無料や月1万円台です。そのため必要なのは食費や水道光熱費などの必要最低限だけであり、月6万円ほどであっても問題なく生活できるのが障害者グループホームです。
老人ホームを利用する場合、どうしても費用が高いです。一方、低所得者がメインとなる障害者グループホームでは、障害年金だけでも生活できるようになっているのです。
難病患者は医療費も格安料金
それに加えて、難病患者は医療費も格安料金になるので問題なく生活できます。まず、難病患者の場合は医療費負担が2割になります。
それに加えて、難病患者には月の医療費上限があります。例えば住民税の非課税世帯で年収が非常に低い場合、医療費の月の負担上限額は2500円です。つまり、ほとんどお金の支払いなしに医療を受けることができます。
障害者グループホームでもお金の支払いがほぼ存在せず、難病治療に必要な医療費についても心配する必要はありません。
既に難病なのであれば、医療費を心配する必要はそこまでないことを既に理解している人も多いです。いずれにしても、生活をするうえで費用負担の心配は不要です。
障害支援区分を申請し、障害福祉サービス受給者証を受け取る
難病患者が利用する施設は障害者グループホームがメインになるため、施設の利用を考えている場合、まずは障害支援区分を役所で申請しましょう。区分認定がないと障害者グループホームを利用できません。
区分は1~6まであり、数字が大きいほど重度になります。参考までに、厚生労働省が発表している資料によると、難病患者は以下のような区分認定となります。
区分認定 | 割合 |
非該当 | 0.1% |
区分1 | 1.8% |
区分2 | 9.5% |
区分3 | 22.2% |
区分4 | 17.5% |
区分5 | 14.5% |
区分6 | 34.5% |
※障害支援区分の審査判定実績:2020年
また区分認定を受けた後、障害福祉サービス受給者証を交付してもらいましょう。以下の書類を入手するのです。
「共同生活援助(グループホーム)」と記されれば、あとは難病患者を受け入れてくれる障害者グループホームを探すだけです。
医療的ケアが必要な場合、医療設備が整う施設を利用
なお一般的な障害者グループホームというのは、医療的ケアが必要ない人を対象にしています。薬の服用が必要なのは特に問題ないものの、「毎日の点滴が必要」「人工呼吸器を常に使用しなければいけない」などの場合、対応不可になります。
その場合、医療対応できる障害者グループホームを利用することになります。
数は少ないものの、看護師が常駐している障害者グループホームは存在します。そうした障害者グループホームを利用すれば、やはり格安にて利用できます。
訪問看護を利用できる施設も可能
ただ実際のところ、看護師が常駐している障害者グループホームを探すのは非常に大変です。そこで、訪問看護ステーションと提携している障害者グループホームを利用する方法であっても問題ありません。
在宅医療で活躍するのが訪問看護です。障害者グループホームは利用者にとって家であるため、当然ながらこうした施設についても訪問看護として看護師が出向いてくれます。
毎日の訪問は難しいものの、定期的な訪問によって医療対応してもらうことにより、難病患者は問題なく生活できます。
なお訪問看護は医療保険または介護保険の利用になります。前述の通り難病患者の医療費はほぼ存在しないため、訪問看護などの医療サービスを利用することで料金が高くなることを心配する必要はありません。
介護付き老人ホームへの施設入所で医療的ケアは可能
なお場合によっては、65歳以上の高齢者向け施設へ入所する方法もあります。基本的には老人が優先になりますし、値段も障害者グループホームに比べて高くなりますが、40歳以上であれば難病患者はこうした介護施設へ入所してもいいです。
介護付き老人ホームであれば、看護師が常駐しているので医療対応が必要な難病患者であっても利用できます。
費用は月20~30万円となるため、障害者グループホームに比べると非常に高額です。そのためすべての人にとって優れるわけではないものの、こうした費用を支払える場合は介護付き老人ホームを検討してもいいです。
なお人によっては、特別養護老人ホーム(特養)を考える人がいます。ただ老人向けの介護施設の入居者は9割以上が75歳以上であり、その多くは90歳以上です。たとえ40代や50代であっても、こうした人にとっては「若者」になるため、特別養護老人ホームに入れる可能性は非常に低いです。
難病でも入所可能な施設を探す
難病によって思うように生活できなくなる人は多いです。若い人であっても高齢者であっても難病を発症するのは普通です。このとき家で過ごしてもいいですが、その場合は家族の負担が非常に大きいため、施設入所を考えるのです。
18歳以上の難病患者が施設を探すのであれば、障害者グループホームが第一選択肢です。年齢が高いなら介護施設も選択可能ですが、障害者グループホームであれば、ほとんど支払いなしで生活できます。
なお医療対応が常に必要な場合、看護師が常駐している障害者グループホームや訪問看護ステーションと提携している障害者グループホームを利用しましょう。または、費用は高額になるものの介護付き老人ホームも利用できます。
難病患者が間違った方法で施設入所を探すと、施設を見つけられなかったり、お金に苦労したりします。そこで障害者グループホームを見据え、適切な施設へ格安料金にて入居しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。