障害者グループホームの形態の一つにサテライト型グループホームがあります。障害者グループホームではあるものの、ほとんど一人暮らしと同様であり、将来の完全な一人暮らしを前提とするグループホームの利用法になります。
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者とすべての障害者でサテライト型住居を活用でき、通常は軽度の人が対象者になります。
サテライト型グループホームであっても家賃は格安であり、他の障害者グループホームを利用するときと費用はほぼ同じです。
それでは、サテライト型グループホームはどのような内容になっているのでしょうか。障害者グループホームであるものの、一人暮らしと同じ状況にて利用できるサテライト型住居について確認していきます。
もくじ
一人暮らしとほとんど同じであるサテライト型住居
通常、障害者グループホームはシェアハウス形式になります。つまり、一つの家に複数の障害者で共同生活を送ることになります。
一緒に生活する人は全員が障害者であり、介護スタッフも常駐しています。
それに対して、一般のマンションやアパートについて施設側が一部屋だけ借り、障害者グループホームとして運営することがあります。これがサテライト型住居です。
サテライト型グループホームの場合、周囲に住んでいる人は健常者です。あくまでも障害者グループホームであるため、介護スタッフが定期的に訪問することにはなるものの、一般的な障害者グループホームとは異なり、完全なる一人暮らしとほぼ同じ状況となります。
他の利用者との交流が少なくなるデメリット
サテライト型グループホームには、必ず本体となる障害者グループホームが存在します。本体となる障害者グループホームから自転車などで20分以内にある、衛星（サテライト）のような障害者グループホームがサテライト型グループホームというわけです。
本体の障害者グループホームから離れており、世話人（介護スタッフ）が常駐しているわけでもないため、サテライト型住居を利用する場合はどうしても他の利用者（障害者）との交流は少なくなります。
本体の障害者グループホームへ出向くためには、ある程度の距離を歩かなければいけません。そのため、必要なとき以外は本体の障害者グループホームへ行くことなく、一人で生活することになるのです。
人との交流がストレスになる精神障害者を除いて、通常は他の人と交流をもつほうが日々の生活は送りやすくなります。またサテライト型住居の場合、介護スタッフがすぐに手助けしてくれるわけではありません。そのため、他人とのひんぱんな交流がない点はサテライト型住居のデメリットとなります。
家賃は格安にて利用できる
なお完全なる一人暮らしとほぼ同じなのであれば、家賃の心配をしてしまいます。ただサテライト型住居については、他の障害者グループホームと比べて家賃に大きな違いはないと考えましょう。
障害者グループホームの中には、マンション・アパートのワンルームを借りて運営するワンルーム型の障害者グループホームも存在します。
ワンルームについて、複数を借りて運営する場合は一般的な障害者グループホームになります。また、マンション・アパートに存在する部屋について、一部屋だけを借りて障害者グループホームとして運営する場合はサテライト型住居になります。
つまり、障害者グループホームの運営側にとって「ワンルーム型の障害者グループホームもサテライト型住居も運営コストは同じ」です。こうした事実から、サテライト型住居を利用するにしても家賃相場が特に高くなることはないと理解しましょう（もちろん家賃相場の地域差はあります）。
また低所得者であれば国や自治体から補助金が出されるため、ほとんど家賃負担なしに住むことも可能です。
将来の完全なる一人暮らしを想定：3年が期限
なお重度の障害者については、障害者グループホームにずっと住み続けることも可能です。それに対して、サテライト型グループホームでずっと住み続けることはできないと考えましょう。
完全なる一人暮らしとほぼ同じ状態を作れるのがサテライト型住居です。これはつまり、将来の一人暮らしを想定していることを意味しています。そのため、どこかの段階で一人暮らしを開始するのが前提となっています。
具体的な期限としては3年です。3年間という期間を決めて、知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者はサテライト型グループホームで生活するようにしましょう。
もちろん将来は一人暮らしとなるため、企業で働くなど就職についても考えなければいけません。いずれにしても、「働くことでお金を得るようにして、一人暮らしを開始できるようにする準備期間」がサテライト型グループホームでの3年です。
軽度の障害者がサテライト型住居を利用する
なお障害者グループホームから独立し、一人暮らしの開始を想定しているため、当然ながら軽度の障害者がサテライト型住居の利用者になります。
サテライト型住居には3年という期限があるため、ずっと障害者グループホームで生活することを考える中程度や重度の障害者の利用を想定していません。また症状の重い障害者の場合、介護スタッフが近くにいない状態は危険です。
そのためサテライト型グループホームの利用が適している人としては、軽度の障害者のうち、例えば以下の人が該当します。
- 障害者雇用で働いており、実家暮らしから一人暮らしを開始したい
- 障害者グループホームに住んでいるが、将来は一人暮らしを考えている
- 親が死亡したため、実家に戻って一人暮らしを開始したい
「一般企業などで働くことで生活できる資金を十分に得られる」などの条件は必要であるものの、障害者が一人暮らしをするのは普通です。そこで知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で一人暮らしを考えている人について、その準備としてサテライト型グループホームを利用するのです。
サテライト型住居で一人暮らしに慣れる
将来の一人暮らしを考える障害者は多いです。特に軽度の知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者であれば、親元を離れて暮らすことを考えるのです。
このとき、障害者グループホームにずっと住んでもいいですが、一般的な賃貸住宅に住むことで完全なる一人暮らしを考える人もたくさんいます。この場合、その準備期間としてサテライト型グループホームを活用しましょう。
サテライト型住居は他の障害者グループホームと比べて家賃は変わらず、格安にて利用できます。「将来の一人暮らしを想定している」という条件はあるものの、軽度の障害者で実際に一人暮らしをしたいのであれば利用可能です。
いきなり一人暮らしを開始するのは難しくても、サテライト型住居で慣れた後であれば一人暮らしはスムーズです。こうしたサテライト型グループホームの特徴を理解して、3年という期限内で一人暮らしを開始したい人はサテライト型住居を利用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者（障害者）にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。
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