障害者が外出をするとき、手助けしてくれる公的サービスとして同行援護・行動援護・移動支援があります。こうした外出支援の内容には買い物も含まれています。
日々の生活をするためには、買い物が必須です。そこでヘルパーが買い物同行をすることにより、介護を受けながら必要な物を買えるようになります。
このとき、原則としてヘルパーに荷物持ちをさせることはできません。また、買い物代行は外出支援の対象ではありません。そこで、買い物をするにしても同行援護・行動援護・移動支援で利用可能な範囲を理解する必要があります。
それでは同行援護・行動援護・移動支援の利用で買い物をするとき、何に注意すればいいのでしょうか。外出支援での買い物について解説していきます。
もくじ
同行援護・行動援護・移動支援で買い物同行が可能
障害者が同行援護・行動援護・移動支援を利用するとき、さまざまな外出で利用可能です。こうした外出としては、以下のような買い物も含まれています。
- 食料品
- 日用品
- 洋服
スーパーやデパートなどで買い物をするとき、一人では無理でも介護者が一緒にいれば可能な障害者は多いです。そこで、必要なのであれば買い物で同行援護・行動援護・移動支援を活用しましょう。
ヘルパーの荷物持ちは原則不可であり、自ら持つ
なお障害福祉サービスや自治体の制度を利用して外出支援を依頼するとき、障害者としては「ヘルパーに荷物持ちを依頼することはできないのか?」が気になります。
これについて、ヘルパーに荷物持ちを依頼することはできません。買い物をするとき、すべての荷物は障害者が持つ必要があります。
そのため荷物が重い場合、障害者は事前にリュックを持っていくなどの対策が必要になります。同行援護・行動援護・移動支援による買い物支援は可能であるものの、あくまでもサービス内容は外出支援であることを理解しましょう。
例えば以下はある自治体について、移動支援に関する案内です。
このように、ヘルパーに荷物を持ってもらうことはできないと記されています。基本的には、どの外出支援も荷物持ちを依頼することは原則としてできないと考えましょう。
不測の事態でヘルパーがすぐに行動できるようにする
それでは、なぜヘルパーが荷物持ちをすることはできないのでしょうか。理由は単純であり、ヘルパーの目的は障害者の介護だからです。
障害者が急に体調不良になったり、パニックに陥ったりするとき、ヘルパーが重い荷物を持っていると対処できません。外出の案内だけでなく、不測の事態に対してすぐに行動するのもヘルパーの役割です。そのため、外出支援のときに利用者の荷物を持ってはいけないのです。
また、あくまでも外出時の案内が一番の目的です。例えば同行援護は視覚障害者が利用することになり、ヘルパーは目の代わりになります。目の代わりであるにも関わらず、荷物を持つのは明らかに業務の範囲外です。これらの理由により、ヘルパーの荷物持ちは利用対象外となります。
なおもちろん、荷物持ちについて中には仕方のない場面があるかもしれません。ただ、毎回のようにヘルパーへ荷物持ちを依頼するのは、明らかに「仕方のない場面」ではありません。また原則として荷物持ちを依頼できないことを考えると、自ら持ち帰ることのできる範囲で買い物をしましょう。
買い物代行は居宅介護(ホームヘルプ)の利用となる
なお中には、一緒に買い物へ付き添ってくれる買い物同行ではなく、「障害者が自宅にいて、ヘルパーに買い物の代行を依頼できないか」と考えます。
こうした買い物代行については、原則として同行援護・行動援護・移動支援では依頼することができません。中には車いす生活であったり、重度の障害者で自ら荷物を持つことができなかったりする人もいます。ただ、そうした人でも買い物代行を依頼することはできません。
それでは外出自体が難しい場合、どのようにして買い物をすればいいかというと、居宅介護(ホームヘルプ)を利用します。居宅介護であれば、家事援助を依頼できます。家事援助には買い物代行も含まれているため、障害者は家に居ながら買い物を依頼できます。
買い物代行であれば、障害者本人が荷物を持つことはありません。そのため必要なのであれば、居宅介護を利用しましょう。
外出支援と家事援助は異なる
同行援護・行動援護・移動支援に対して、居宅介護はまったく別のサービスです。居宅介護でも買い物は可能ですが、「同行援護・行動援護・移動支援での外出支援(買い物同行)」と「居宅介護での家事援助(買い物代行)」はまったく仕組みが異なると考えましょう。
居宅介護の家事援助では、例えば以下を依頼できます。
- 料理
- 洗濯
- そうじ
- 買い物
- 育児支援
そのため居宅介護を利用する場合、買い物代行を依頼した後、料理をお願いすることもできます。また居宅介護について、同行援護・行動援護・移動支援とは異なる障害福祉サービスであるため、利用するときは別途申請が必要になります。
障害福祉サービスや自治体の制度を含めて、障害者向けの公的サービスには複数の種類があります。そこで、それぞれの特徴を理解したうえで活用するといいです。
外出支援による買い物を行う
障害者を含めて、すべての人で買い物は必須です。ただ障害者で外出が困難な場合、同行援護・行動援護・移動支援を利用して買い物への同行を依頼できます。
このとき、ヘルパーへ荷物持ちを依頼するのではなく、原則として障害者自ら荷物を持つ必要があります。ヘルパーは不測の事態に備える必要があり、買い物同行での荷物持ちはできません。そのため、自ら持てない以上の買い物をするべきではありません。
一方で買い物代行を依頼したい場合、同行援護・行動援護・移動支援では基本的に利用できません。そのため、別の障害福祉サービスである居宅介護(ホームヘルプ)を依頼するといいです。居宅介護であれば、買い物代行を利用できます。
障害福祉サービスや自治体の制度を利用するとき、ある程度の制限があります。そこで買い物で同行援護・行動援護・移動支援を活用するとき、どのような範囲で利用できるのか事前に把握するといいです。
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