障害者が自立をして生活することを考えるとき、親元を離れて一人で暮らせるようにする必要があります。親はいつか死ぬため、障害者が一人で生きていく必要があるのは当然です。

そうしたとき、障害者が親元を離れて暮らすときに第一選択肢となるのが障害者グループホームです。たとえまったく働くことができなかったとしても、何も問題なく格安にて生活できる施設が障害者グループホームです。

また障害者グループホームを利用して、最終的に一般的な賃貸住宅に住むのは問題ありません。障害者の完全なる一人暮らしを支援するのも障害者グループホームの役割です。

それでは、障害者が親元を離れて自立した生活を送ることを考えるとき、どのように行動すればいいのでしょうか。障害者が一人で生活するための方法を解説していきます。

障害者が親元を離れて暮らすのは普通

すべての障害者で親亡き後問題があります。多くの場合、親のほうが先に死にます。そのため、ずっと親と一緒に生活するわけにはいきません。

障害者が高齢になってしまった場合、一人で生きていくのは難しいです。そのため障害者が若いうちに、できるだけ早いタイミングで親元を離れ、一人暮らしできるようにしておくほうが優れます。

また障害者と親族が一緒に生活する場合、家族には常に介護負担が加わります。障害者が一人で生きていくというのは、親の介護負担をゼロにするためにも重要です。

通常は障害者グループホームを利用する

ただ多くの場合、障害者は低収入です。そのため、一般的な賃貸住宅に住むにしても金額が高すぎて生活できません。また、公営住宅を利用するにしても介護してくれる人が誰もいないので生活が困難です。

そのため特別な理由がない限り、障害者の自立では障害者グループホーム(共同生活援助)を利用します。複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。

シェアハウス形式となるため、いわゆる一人暮らしとは異なります。ただ親元を離れて自立した生活を送ることができ、親の介護負担はゼロになります。

また障害者グループホームの場合、介護スタッフが24時間体制で助けてくれます。そのため知的障害者や精神障害者(発達障害を含む)、身体障害者、難病患者について、軽度は当然として重度の障害者であっても一人で生活可能です。

「自立できない」と嘆く障害者は多いですが、それは自立するための方法を知らないからです。障害者グループホームという制度を理解すれば、親元から自立できない状態とは無縁になります。

障害年金や生活保護だけで生活可能

また障害者グループホームであれば、すべてのお金の問題を解決できます。一般的な賃貸住宅に住む場合、初期費用として家賃の5倍の費用が必要になります。それに加えて、高額な家賃支払いを継続する必要があります。さらには、自ら買い物をして食事を用意しなければいけません。

一方で障害者グループホームの場合、世話人がすべての手助けをしてくれますし、食事を作ってくれます。また低所得者であればサービス料は無料ですし、家賃の大半は国・自治体から補助がでます。

そのため必要な費用は食費や水道光熱費、その他の雑費だけであり、障害年金だけでも十分に生活できます。

また貯金ゼロであっても、生活保護を活用すればいいです。この場合、障害基礎年金よりも高額なお金を得られるため、日々の生活に困ることはなくなります。一般的な賃貸住宅ではお金が足りないものの、障害者グループホームであれば生活でお金に困ることはなくなります。

就労することでお金を得る

また障害者グループホームで生活をする場合、障害の程度が軽度でも重度でも日中活動をするのが一般的です。要は、昼に働きます。

障害者向けの就労施設(作業所)としては就労継続支援A型や就労継続支援B型があります。それぞれの平均月収は以下のようになっています。

  • 就労継続支援A型:月に約8万円
  • 就労継続支援B型:月に約1万5000円

障害者向けの作業所であるため、一般企業に比べると、どうしても賃金は低くなります。ただ、障害年金に加えてこうした労働賃金を得ることにより、お金を得られるようになります。

最終的には一般的な賃貸住宅に住んでもいい

なお就労継続支援A型にて問題なく労働できるようになった場合、一般企業の障害者雇用に挑戦しても問題ありません。

作業所での労働に比べると、当然ながら一般企業で働くほうが収入は増えます。あくまでも障害者雇用であるため、健常者と同様の給料を得るのは難しいかもしれませんが、それでもある程度の収入を得られるのです。

また一般企業で働けるほどになれば、障害者グループホームではなく、一般的な賃貸住宅に住んでもいいかもしれません。

なお賃貸マンションを借りるにしても、自分で契約するのではなく、会社の福利厚生を利用することを考えましょう。福利厚生として「社員に借上社宅を提供し、格安にて賃貸住宅に住める」ようにしている会社があります。そこで以下のように、福利厚生に社宅(または家賃補助)が存在するかどうかをチェックしましょう。

障害者グループホームの場合、国・自治体が家賃の大半を補助してくれます。一方で企業勤めの場合、会社が家賃の多くを負担してくれます。

生活費のうち、家賃が出費の大半を占めるのが一般的です。そこで完全なる一人暮らしをするにしても、家賃負担を可能な限り軽減することを考えなければいけません。

サテライト型グループホームで生活後、一人暮らしをする

なお実際に障害者グループホームを離れて生活する場合、その前の段階としてサテライト型グループホームを活用します。

一般的なマンション・アパートについて、一部屋だけ障害者グループホームとして運営する形式がサテライト型住居になります。

一部屋だけが障害者グループホームとして機能しているため、周囲に住んでいる人は健常者になります。また、本体の障害者グループホームはサテライト型住居から少し離れた場所に存在します。

障害者グループホームのスタッフが定期的に見回りをすることにはなるものの、サテライト型住居であれば、ほぼ一人暮らしと同じ状態となります。そのためサテライト型住居を利用しても問題ない場合、その後に一般的な賃貸住宅を利用しても問題ないです。

障害者が親元を離れるとき、ずっと障害者グループホームで生活する人がいれば、完全なる一人暮らしを行えるようになる人もいます。この場合、サテライト型住居というステップを踏むといいです。

公的施設を利用して障害者が自立する

健常者の場合、成人になると基本的に自立して生きていくことになります。一方で障害者の場合、どうしても親元を離れて暮らすのが難しいです。

そこで、通常は公的施設を利用します。公営住宅ではなく、障害者であれば障害者グループホームを活用しましょう。障害者グループホーム(共同生活援助)であれば、介護スタッフが常駐しているため、軽度でも重度でも対応できます。

またサービス料の発生がなく家賃負担が非常に少ないため、まったく働けない低所得者であっても問題なく親元を離れて生活できます。なお軽度の障害者であれば、最終的には一般企業で働いて完全なる一人暮らしを開始しても問題ありません。

障害者であっても、親元を離れて一人で暮らしを開始し、自立する方法は存在します。そこで、障害者がどのように一人で生きていけばいいのか理解しましょう。

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家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

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