大きなストレスが原因で発症する精神疾患として適応障害やPTSD、強迫性障害が知られています。本人の性格も関係しますが、ストレスによって日常生活に支障が出てしまうのです。
そうしたとき、障害者グループホームを利用することで、介護スタッフの助けを得ながら生活できるようになります。適応障害やPTSD、強迫性障害は軽度の障害者になるため、利用できる障害者グループホームは限られますが、少なくとも家事周辺の苦労はなくなります。
それでは、適応障害やPTSD、強迫性障害で障害者グループホーム(共同生活援助)を利用するにはどうすればいいのでしょうか。適応障害やPTSD、強迫性障害で障害者グループホームを活用するときの注意点を解説していきます。
もくじ
ストレスやトラウマで精神疾患を発症する
大きなストレスを受け続けると、精神疾患を発症してしまいます。そうしたストレスや本人の性格などを要因として、適応障害やPTSD、強迫性障害が症状として表れてしまいます。
これら精神疾患の症状について、気分の落ち込みや意欲の低下、不眠、食欲低下・過食、動悸などがあります。また症状が進行すると、うつ病や双極性障害、統合失調症など他の重度の精神疾患へとつながるリスクもあります。
・ストレスの原因から逃げるのは重要
また適応障害やPTSD、強迫性障害の発症では、本人の性格や発達障害も深く関与します。このとき、ストレスから逃げるのは重要です。
例えば、虐待や親との関係性の悪さが原因なのであれば、できるだけ早く他の場所で住むことを考えなければいけません。また家事周辺を含めて一人暮らしが困難な場合、常に他人の助けを得られる環境が最適です。
そうした場合、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用することで解決できます。障害者グループホームによってストレスを大幅に軽減できれば、精神疾患の改善は早くなり、社会復帰も可能になりやすいです。
軽度の精神疾患でも共同生活援助を利用できる
精神障害者の中でも、一般的に適応障害やPTSD、強迫性障害は軽度の障害者に該当します。このとき、非常に軽度の障害者であっても問題なく障害者グループホームを利用できます。
軽度であるものの、理由があって障害者グループホームを利用する人は多いです。事実、障害者グループホームから一般企業へ出社している人はたくさんいます。障害の種類は異なりますが、複数の障害者がシェアハウスで共同生活を送るのです。
低所得者の場合、サービス料は無料ですし、家賃は国や自治体から補助が出ます。またシェアハウス形式なので水道光熱費などは低くなり、インターネットは最初から備わっていることが多く、格安にて生活可能です。
※低所得者ではなく、課税世帯の精神障害者であれば、障害者グループホームの利用でサービス料の費用負担を生じます。
一人では生活が不安であり、さらにはストレスから逃れるために障害者グループホームの利用が最適な場合、こうした公的制度を活用しましょう。
また適応障害やPTSD、強迫性障害の場合、原則として障害年金の対象外です。そのため生活保護でない限り大きな給付金を得ることができず、低所得者は生活費を可能な限り抑える必要があります。そういう意味でも、障害者グループホームに住むのは金銭的にも助かります。
障害の重複がなくても、区分1以上で利用可能
なお障害福祉サービスの一つが障害者グループホーム(共同生活援助)です。障害者グループホームを利用するとき、障害支援区分の取得が必要です。区分には1~6まであり、数字が大きいほど重度を表します。
障害者グループホーム(共同生活援助)は区分1以上で利用できるため、適応障害やPTSD、強迫性障害を単独で発症している非常に軽度の精神障害者であっても利用できます。
ただ障害者グループホームを初めて利用する場合、市区町村の役所で申請をした後、1~2か月の時間がかかります。それなりに長い時間が必要になるため、障害者グループホームを利用したい場合、早めに市区町村の役所で相談しなければいけません。
一般企業で働くのは問題なく、家事周辺は任せられる
なおうつ病・双極性障害や統合失調症、発達障害、知的障害など、複数の障害を併せ持っている人は別にして、適応障害やPTSD、強迫性障害を単独で発症している人は軽度であり、一般企業で働いている人が多いです。
そうしたとき、障害者グループホームから一般企業へ就労に出かける人はたくさんいます。障害者グループホームに入居している人は日中活動をするのが一般的です。このとき、日中活動で一般就労をしても問題ありません。
もちろん、一般企業で働くので帰りが遅くなってしまったり、土曜日に出勤しなければいけなかったりすることがあります。この場合、施設側へ事前に伝えることで事情を理解してもらえばいいです。
なお複数の精神疾患があり、中程度や重度の場合は一般就労が難しいです。この場合、精神科デイケアや就労継続支援A型・B型を利用することで、他の障害者と同様に「障害者向けの日中活動」をしてもいいです。
経営の関係で入居できるグループホームは少なくなる
なお障害の程度が中等度や重度であれば関係ないですが、多くの場合、適応障害やPTSD、強迫性障害は前述の通り軽度の精神障害者になります。こうした軽度の障害者は区分1や区分2となります。
区分1~2と軽度であっても、先ほど解説した通り、問題なく障害者グループホームへ入居できます。ただ軽度の場合、実際のところ利用できる障害者グループホームは少なくなると考えてください。
障害者グループホームは利用者(障害者)を受け入れた後、国からの報酬によって経営が成り立ちます。このとき、区分1や区分2など軽度の障害者であるほど、国から得られる報酬が少なくなります。そのため障害者グループホームによっては、「区分3以上で受け入れ可能」としているケースがよくあります。
障害者グループホームによって経営方針が異なり、介護スタッフの人数が多かったり、スタッフの研修をひんぱんに実施していたりする場合、重度の障害者(区分の大きい利用者)を受け入れないと経営が厳しくなります。そのため、区分1~2を受け入れしていない障害者施設はそれなりにあります。
そこで、軽度の障害者が施設を選ぶとき、ある程度まで広い範囲を含めて探しましょう。例えば職場へ通うとき、片道40~60分の通勤は健常者でも普通であり、これくらいは当然のように許容する必要があります。
障害者グループホームは元々の数が少なく、それでいて区分が小さいとなると、受け入れ施設は限られます。そこで、広めの範囲で障害者グループホームを探すといいです。
ワンルームの希望はほぼ叶えられない
なお軽度の障害者でグループホームを探すとき、よくある要望として「ワンルームの障害者グループホームに入居したい」ことがあります。
ただ実際のところ、ワンルームの障害者グループホームを見つけられるかというと、ほぼ無理と考えてください。理由としては、ワンルームの障害者グループホームは全体の1%ほどしか存在しないからです。
シェアハウス形式よりも、一人暮らしと同じ環境にて住みたい気持ちはわかります。ただ障害者グループホームは基本的にどれもシェアハウス形式であり、ワンルームを探すと圧倒的に難易度が高くなってしまいます。
ワンルームを希望する場合、他の都道府県まで含めて範囲を広げるのは当然です。もし無理な場合、ワンルームではなくシェアハウスにて障害者グループホームを探すのをおすすめします。
適応障害やPTSD、強迫性障害で共同生活援助に住む
精神疾患の中でも、大きなストレスによって適応障害やPTSD、強迫性障害を発症します。本人の性格や発達障害なども要因になりますが、ストレスによって日常生活が困難になってしまいます。
そうした軽度の精神障害者について、ストレスが蓄積するとうつ病・双極性障害や統合失調症など、より重い精神疾患を発症してしまいます。そこでストレスの原因を遠ざけ、さらには格安生活を実現するために障害者グループホーム(共同生活援助)を活用しましょう。
軽度の障害者は区分1や区分2となるため、入居可能な障害者グループホームは少なくなりがちです。ただ軽度でも障害者グループホームに問題なく入居できますし、障害者施設から職場に通っても問題ありません。
精神疾患である以上、どうしても生活が困難になります。そうしたとき、適応障害やPTSD、強迫性障害で実家暮らし・一人暮らしが厳しいのであれば、障害者グループホームの利用を検討しましょう。