多くの障害者が利用する施設に障害者グループホームがあります。格安にて住むことができるため、障害の程度が軽度や重度を含めて障害年金だけで生活できます。
ただ障害者グループホームを利用するとき、複数の種類(類型)が存在します。そこで、どの種類の障害者施設が最適なのか事前に理解しなければいけません。
障害者グループホームの種類は大きく4つあります。当然、それぞれ特徴が大きく異なるため、どのような施設なのか事前に知っておく必要があります。障害の程度や将来の一人暮らしなど、人によって最適な施設が異なるのです。
それでは、具体的にどのような種類の障害者グループホームが存在するのでしょうか。障害者施設の種類・類型について解説していきます。
もくじ
障害者グループホームには4つの種類・類型が存在する
一般的に障害者グループホームは空きが少ないです。ただ少ないからといっても、障害の程度に合わない障害者施設に入居すると後悔します。通常、一度入居したら長い期間をそのグループホームで過ごすことになるからです。
そこで後悔しないためにも、障害者グループホームの種類を学びましょう。以下の種類・類型があります。
- 介護サービス包括型
- 外部サービス利用型
- 日中支援型(日中サービス支援型)
- サテライト型
それぞれの障害者グループホームを確認していきます。
介護サービス包括型は最も一般的なグループホーム
最も事業者数が多く、一般的な障害者グループホームが介護サービス包括型です。あらゆる種類の障害者が利用しており、障害の程度は軽度から重度までさまざまです。日常生活の補助を介護職員にしてもらうことができ、入浴や排せつ、食事などの介助も可能です。
介護サービス包括型では、教科書的には「夜や休日に支援する」となっています。これは、重度の障害者であっても平日の昼は作業所などで働いているのが一般的だからです。
ただ、うつ病患者などいますぐ働くのが適切ではなかったり、平日に日中活動ができなったりする人もいます。そのため介護サービス包括型であっても昼間も施設内にスタッフがいますし、日中活動も提供できます。
すべての知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者に対応しており、障害者グループホームへの入居を考えるとき、事業所の多さから第一選択肢になるのが介護サービス包括型です。
外部サービス利用型は区分なしなど軽度の障害者が利用
一方で入浴や排せつ、食事などの介助が必要な場合、外部の事業所(居宅介護事業所)へホームヘルパーの派遣を依頼するタイプの障害者グループホームが外部サービス利用型です。生活支援員の配置基準がないのです。
介護サービス包括型の場合、同じ施設内にいる介護スタッフがあらゆる介助に対応します。一方、外部サービス利用型では介護業務が外部スタッフによる対応になるのです。
当然、同じ施設に介護職員がいないので常に介助が必要な人にとって不便です。その結果、外部サービス利用型を利用する障害者のほとんどは軽度の人です。
事実、厚生労働省の資料によると、外部サービス利用型を利用する人は障害支援区分なしの人が約半分です。通常、障害者グループホームを利用するときは障害区分の取得が必要であり、区分1~6のうち、数字が大きいほど障害の程度が大きくなります。
区分認定すら受けていないというのは、日常生活は何も問題ないことを意味します。こうした介護サービスがそもそも不要な障害者の場合、外部サービス利用型グループホームを利用して問題ありません。
ちなみに、外部サービス利用型を利用する人の約6割は精神障害者です。つまりうつ病や統合失調症、不安障害・パニック障害などを抱えているものの、日常生活での困難ない場合に外部サービス利用型が適切です。
日中支援型は24時間対応で重度の人がメイン
軽度の人が利用する障害者グループホームがあれば、重度の人が利用する障害者グループホームも存在します。重度の障害者や高齢者など、日中活動が困難な人の場合、平日の昼間を含めて介護職員が日中支援をするのが適切です。
こうした障害者グループホームとして日中支援型(日中サービス支援型)があります。介護サービス包括型では24時間体制となっているケースがよくあるものの、夜間支援員の配置は義務ではありません。また、「近くにある他の施設の夜間支援員が夜に見回りに来る」などは普通です。
一方、日中支援型では必ず施設に夜間支援員を1名以上、配置しなければいけません。もちろん介護職員は常駐しているため、入浴や排せつ、食事などの介助も問題ありません。
また日中活動が困難な障害者の利用を想定しているため、必然的に重度の人が多くなり、日中活動の提供をするためのスタッフの配置も義務となっています。つまり、より手厚い障害福祉サービスとなるのが日中支援型です。
日中支援型(日中サービス支援型)では区分3~6の人がメインになります。事実、厚生労働省の資料によると、日中支援型を利用する人では区分3~6の人が約95%です。つまり、区分1~2など軽度の人はほぼ利用していないとわかります。
こうした事実からも、日中支援型(日中サービス支援型)は重度の障害者向けの施設であるとわかります。
サテライト型で将来の一人暮らしを目指す
通常、障害者グループホームは他の障害者と一緒に共同生活を送ることになります。そのためシェアハウス形式となり、個室を利用できるものの、リビングや浴室、トイレは共同利用になります。
ワンルーム形式であれば部屋ごとに浴室やトイレが備わっているものの、この場合についても複数の障害者が同じアパートまたはマンションに暮らすことになります。
それに対してサテライト型では、単独生活とほぼ同じ状態となります。サテライト型の場合、離れた場所に本体の事業所(グループホーム)が存在することになります。つまり、通常のアパート・マンションの中で一室だけがグループホームとして機能することになります。
周囲に住んでいるのは健常者であるため、将来は一般住宅での一人暮らしを考えている場合、サテライト型を選んでも問題ありません。
一般的な障害者グループホームとは異なり、メインの事業所が離れた場所(自転車などで20分以内)に位置しているため、ほかの障害者と交流するためにはメインの事業所まで出向く必要があります。ただ障害者グループホームとしての機能はあるため、介護職員による援助を受けることができます。
なお将来の一人暮らしが前提であるため、軽度の障害者が利用することになり、利用期間は最大で3年間です。格安で生活しつつ3年以内に独り立ちをしたい場合、ほぼ単独生活が可能なサテライト型を検討しましょう。
重症度や目的に応じて最適な障害者施設が異なる
このように理解すると、障害の重症度や目的に応じて最適な障害者グループホームが異なるとわかります。ザックリ考えると以下のようになります。
介護サービス包括型 | どの障害者でも受け入れ可能 |
外部サービス利用型 | 区分なし(または区分1~2)の軽度の障害者 |
日中支援型 | 重度の障害者(区分3~6がメイン) |
サテライト型 | 軽度の障害者:将来は一人暮らしを目指す |
通常は介護サービス包括型の障害者グループホームを利用すればいいです。区分認定を受けている場合、介護サービス包括型を考えましょう。
ただ区分認定なしの場合、介護サービス包括型グループホームでは月に数十万円の支払いになるので利用は現実的ではありません(区分ありだと超格安で利用可能)。そのため、外部サービス利用型の利用となります。
一方で重度の障害者であれば、介護サービス包括型に加えて日中支援型グループホームも検討しましょう。この場合、確実に24時間体制での障害福祉サービスの提供になります。
また3年以内の一人暮らしを目指す場合、サテライト型を検討しましょう。メインの事業所が離れた場所に存在するため、ほかの障害者との交流は必然的に薄くなります。ただ、単独生活を考えるのであれば一人暮らしと同じ環境を最初から手にすることができます。
なお実際には、障害者グループホームの空き状況のほうが重要です。サテライト型を考えても、介護サービス包括型しか空きがないケースはよくあります。
障害者グループホームの分類を見極める
障害者施設には分類があり、4つの種類・類型に分けられます。重要なのは、それぞれの障害者グループホームで特徴が大きく異なる点です。
このとき、通常は介護サービス包括型グループホームを選びます。ただ軽度の障害者では、外部サービス利用型やサテライト型を選んでもいいです。一方で重度の障害者であれば、日中支援型(日中サービス支援型)の利用も検討しましょう。
なお重要なのは、障害者グループホームに空きがあるかどうかです。そこでこれらの特徴に加えて、物件の空きや見学する障害者施設の様子を確認しましょう。
障害者グループホームの種類に加えて、物件の空き状況や特徴を確認すれば、優れた障害者施設へ入居できます。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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