知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者が共同生活を行う施設にグループホームがあり、こうした障害者施設でレクリエーションや行事が行われるのはよくあります。

レクリエーションや行事を通すことにより、ほかの人とコミュニケーションを取ることができます。グループホームは共同生活をする場であるため、一人で引きこもるのではなく、ほかの人と触れ合うことで自立できるようにするのです。

また、遊びのようなレクリエーションは必ずしも必要ではなく、そうじなどを障害者自身で行えるように日常的に支援することも重要です。

それでは、障害者施設で行われるレクリエーションや行事にはどのような内容があるのでしょうか。グループホームでのイベントについて解説していきます。

グループホームで行われるレクリエーションの目的

まず、障害者施設で行われるレクリエーションや行事にはどのような目的があるのでしょうか。一般的なレクリエーションというと、娯楽の要素が多いです。ただ、介護施設で行われるレクリエーションで娯楽を目的としているケースはほぼありません。

そうではなく、障害者施設で行われるレクリエーションや行事というのは、こうした活動を通して施設利用者のQOL(生活の質)を向上させることを目的としています。

例えばストレッチをすることにより、身体機能が維持されます。またほかの障害者と一緒に楽しみ、コミュニケーションを取ることは脳の活性化につながります。

なお、こうした活動をするには必然的に脳を使わなければいけません。障害者施設で支援されるだけだと、利用者は頭を使わなくなってしまいます。一方、何かしらの活動をさせれば頭を使うことになり、結果として自立支援につながるのです。

例えば障害が軽度であれ重度であれ、障害者グループホームに入所している人のほとんどは働きます。以下のような就労支援により、昼間に仕事をするのです。

これは、障害者の自立支援と共に、規則正しい生活を身に付けるという目的も含まれています。障害者施設で行われるレクリエーションや行事についても、娯楽という側面ではなく、自立支援の側面が非常に大きいのです。

室内で行うレクリエーションは一般的

このとき、障害者施設の室内で行われるレクリエーションや行事は一般的です。グループホームにはリビング(交流ルーム)があるため、こうした場所でレクリエーションが行われます。例えば、以下のようなレクリエーションは一般的です。

  • ボーリング
  • 輪投げ
  • ストレッチ
  • ダンス
  • 音楽鑑賞
  • 料理

ほかにも多くの種類はありますが、ひとまずこうしたレクリエーションを行うのです。例えば以下は、入所している障害者全員で昼ご飯を一緒に作ったときの様子です。

通常、ごはんはスタッフが作ります。そこで、これを障害者たちが行うことで簡単なレクリエーションになるのです。

ごはんを作るとはいっても、作る食材を決め、近所のスーパーへ買い出しに行き、実際に調理作業をしなければいけません。そのため考えるべきことや行うべきことは多く、知的障害者・精神障害者の方々にとって頭を使います。また、一緒に料理を作ることでコミュニケーションにもつながります。

なお、実際に作った昼ご飯は以下のように全員で食べました。

障害者グループホームでは、こうしたレクリエーションによって知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者の支援をしています。

行事・季節イベントを行うことは重要

また一般的なレクリエーションだけでなく、行事と関係したイベントを行うことも多いです。幸い、外国と違って日本は四季がはっきりしています。そのため、季節に合わせた行事を開催しやすいです。

  • 正月
  • 節分
  • ひな祭り
  • 七夕
  • 夏祭り・お盆
  • 運動会
  • ハロウィン
  • クリスマス

こうした季節イベントを利用することにより、毎年の定期的なレクリエーションとして行事を行うことができます。

またほかにも重要なイベントとして誕生日会があります。非常にわかりやすいイベントであり、誕生日を迎えた人を全員で祝うことにより、本人だけでなくほかの人との交流も活発になります。以下は障害者グループホームで行われた実際の誕生日会です。

利用者にとって、こうした行事・イベントは基本的にプラスの効果をもたらします。行事・イベントは開催しやすい内容であるため、障害者グループホームでは積極的に取り入れているのが一般的です。

外出してスポーツを行い、体を動かす

室内で行われるレクリエーションだけでなく、外出することで行うレクリエーションも重要です。この場合、例えば近くの公園へ利用者と一緒に出向くことになります。

サッカーやキャッチボールなど、行える運動は多いです。体を動かせば、その分だけ身体機能の向上・維持につながります。以下は障害者グループホームの利用者たちでボール蹴りをしているときの様子です。

また、スポーツをしなくても近くの公園や美術館などへ出向くだけであっても問題ありません。この場合は知的障害者・精神障害者が自ら歩くことになるため、それだけでも体を動かすことになります。

お花見などのイベントでなくても、利用者とスタッフで外出する機会はひんぱんにあります。グループホームによって頻度は異なるものの、こうした外出は利用者にとっても大切です。

ひんぱんなゲームは必要なく、自分で行えることは重要

なおレクリエーションや行事イベントについて、ひんぱんにゲームをしたり、外出してスポーツをしたりする必要はありません。

障害者グループホームは共同生活を通し、利用者自身の自立を促すことを目的としています。そのため、そうじや洗濯を含め、自分で行えるようにすることが重要です。

そうした視点で考えると、例えば利用者全員でそうじをすることは非常に良いレクリエーションの一環といえます。以下は障害者グループホームの周囲について、利用している知的障害者・精神障害者の全員で庭や玄関のそうじをしている様子です。

部屋の中は個人的にそうじをしてもらうことになるものの、グループホームの外については全員でそうじや草むしりを行うのです。これは、施設利用者にとって体を動かせるチャンスでもあります。

子供や動物と触れることは脳の活性化につながる

こうした重要になる行事・イベントは他にもあります。それは、子供や動物などとの触れ合いです。通常、障害者は介護職員から支援を受ける側になります。一方、子供や動物と触れ合うとき、障害者は子供や動物を支援する側に回ります。

そのため知的障害者・精神障害者がこうした子供や動物と触れ合うとき、普段とは違う顔つきになります。例えば以下は、介護職員の子供が障害者グループホームの利用者と触れ合っているときの様子です。

参考までに、「認知症患者が動物と触れ合うことにより、情緒安定につながる」ことはさまざまな論文で明らかになっています。要は、子供や動物を含め、自分(大人の障害者)より弱い立場の人とも積極的に触れ合い、コミュニケーションを取る経験も情緒の安定にとって非常に有効なのです。

特に子供と触れ合うことは知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者にとっても優れていますし、動物を飼うときとは異なり特別な管理の手間は増えません。スタッフの子供でもいいし、近所の子供でもいいので、定期的に触れ合うことは優れたレクリエーションの一環となります。

障害者施設でのレクリエーション・イベントの内容を学ぶ

毎日行われるわけではないものの、障害者施設ではレクリエーションや行事が行われます。障害者の身体機能向上や維持を目的として、レクリエーションや季節イベントが実施されるのです。

こうしたレクリエーションはリビング(交流ルーム)で行われることがあれば、外出して施設利用者の全員でスポーツをすることもあります。

なおレクリエーションというのは、必ずしもゲームやスポーツである必要はありません。全員で庭のそうじや草むしりをすることも体を動かすことになり、優れたレクリエーション内容の一つです。また、子供と一緒に遊ぶことも効果的です。

障害者グループホームでレクリエーションが行われるのは普通です。こうしたレクリエーションやイベントというのは、障害者の自立を促すために行われるのです。

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