障害者向けの障害福祉サービスに居宅介護と重度訪問介護があります。両方ともホームヘルプであり、障害者の自宅にホームヘルパーが出向くことになります。
このとき居宅介護には、見守り的援助があります。完全なる見守りではないものの、障害者が一人で行動できるように自立を支援します。
一方、より重度の障害者で利用するホームヘルプが重度訪問介護です。重度訪問介護には見守りがあり、本当の意味で見守りをすることになります。単なる見守りではあっても、重度障害者にとっては大きな意味があります。
それではホームヘルプを依頼するとき、居宅介護の見守り的援助や重度訪問介護の見守りはどのような内容になっているのでしょうか。ホームヘルプで重要な見守りの内容について解説していきます。
もくじ
居宅介護で重要な見守り的援助
ホームヘルプには「見守り」があります。文字通り、障害者を見守ることになります。特に居宅介護では、見守り的援助が利用されます。
介護での見守りとは、介護職員が利用者の近くにいることで、すぐに必要な援助を行える状態を指します。障害者によって障害の種類や重度は異なるものの、障害者には「転倒のリスクがある」「知的障害で容易に判断できない」などの問題があります。そこで、すぐ近くでホームヘルパーが見守るのです。
居宅介護を依頼することにより、ホームヘルパーが身体介護をしたり、さまざまな家事代行をしたりできます。一方、障害者自身が食事や洗濯、そうじなどの作業を行えるようにホームヘルパーが近くで見守り的援助をすることもあります。
障害者自身が一人で行うのは難しくても、ホームヘルパーが近くで助言や見守りをすることにより、行えるようになる作業や行動は多いです。そのため、居宅介護で見守り的援助は重要です。
ホームヘルプは自立支援の場でもある
例えばうつ病や統合失調症などで動くのが困難など、症状が重く生活が難しいのであれば、あらゆる家事援助をホームヘルパーに代行してもらうといいです。
一方で身体障害者や知的障害者、精神障害者、難病患者の中でも、ある程度自分の意思で歩いたり、物事を判断できたりする人は多いです。こうした場合、居宅介護を家事代行として利用するのではなく、障害者自身も手伝うことによって「ホームヘルプなしでも自分で行える」ように訓練するといいです。
例えば部屋がゴミ屋敷になっているのであれば、どのように収納すればいいのかホームヘルパーに教えてもらいながら一緒にそうじをするといいです。料理にしても、買い物の方法や料理のやり方を一緒に学んでいくのです。
居宅介護を家事代行サービスとして利用する場合、障害者は生活できるものの、自立にはつながりません。ただ障害福祉サービスは自立支援の場でもあるため、軽度障害者は家事をすべてホームヘルパーに任せるのではなく、居宅介護を自立支援の場として活用するといいです。
重度訪問介護の見守りは自立支援とは異なる
なお同じ障害者向けのホームヘルプではあっても、重度訪問介護では見守りの意味が少し異なります。重度訪問介護の場合、危険な状態を回避するために見守りが必要になります。見守りにより、以下のようなことを望めるようになります。
- 難病患者での症状変化観察
- 生活支援による危険な状態の回避
- 衝動的な行動の監視
それぞれについて確認しましょう。
難病患者では、特に重度訪問介護の見守りが重要
体の動きが不自由な人の中でも、特に難病患者にとって重度訪問介護による見守りは重要になります。例えばALSや筋ジストロフィーなど、24時間体制での介護が必要になる難病患者は重度訪問介護が重宝されます。
こうした難病患者の場合、自分では吸引を行うことができません。そこで常に障害者の身近で見守りをすることで、必要に応じて痰吸引などのケアを行えます。
また、こうした吸引を数時間おきに定期的に行うのは普通です。そうしたとき、家族が吸引を行うとなると、夜間に何度も起きて作業をすることになります。その結果、家族は眠れずに体調を崩して家族全員が不幸になります。
そこで重度訪問介護によって24時間体制の介護を依頼し、見守りによって夜間を含めてそのつど吸引をしてもらえば家族は安心です。重度訪問介護での見守りというのは、障害者だけでなく家族の健康を守る制度でもあります。
生活支援により、危険な状態の回避にもつながる
また障害者であっても、軽度や中等度なのであれば、自らの意思で他の人を呼ぶことができます。一方で四肢麻痺などによって身体を動かすことができない場合、他の部屋にいる家族に助けを呼ぶことはできません。
そこで見守りによって常にホームヘルパーが近くにいる状態であれば、何か状態の変化があってもすぐに対応できます。例えば、以下のような場面で見守りは重要です。
- 排せつや体位変換、水分補給
- 急な体調変化
- 不随意運動での危険回避
先ほど解説した難病患者での痰吸引なども、危険な状態を回避するために必要な行為です。難病患者に限らず重度訪問介護は有効ですが、見守りによってこれらさまざまな容態変化に対応できるようになります。
強度行動障害での衝動的な行動を監視する
知的障害や精神障害をもつ人の場合、強度行動障害を有することがあります。強度行動障害の場合、以下のような危険行為のリスクがあります。
- 自傷行動
- 他害・暴力
- 物損
- 食事や睡眠の大きな乱れ
- 大声で叫ぶ
そのため強度行動障害では家族が常に危険な状態です。そこで常時の見守りがあれば、突発的な危険行動に対応できるようになります。
ホームヘルプの見守りを有効利用する
障害者でホームヘルプを利用する人は多く、このときは見守りを積極的に利用しましょう。居宅介護での見守り的援助とは、近くで障害者の支援をすることを意味しています。
アドバイスを受けながら一緒に作業をすることで、障害者は自ら行えることが多くなります。こうして、自立した生活を送れるようになるのです。
また重度訪問介護の場合、体を動かせない人では見守りがより重要になります。自立支援として見守りを利用するのではなく、体調変化の観察や危険行動の回避などを見守りによって実現するのです。これにより、障害者の状態の変化に応じて対応できるようになります。
見守りというのは、何もしないことを意味するのではありません。居宅介護や重度訪問介護の見守りでは、ここまで解説した重要な役割があります。
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