精神障害者保健福祉手帳(精神障害者手帳)を保有している場合、精神障害者となります。うつ病や統合失調症、発達障害、パニック障害など精神障害の種類はさまざまです。このとき、自宅で生活している精神障害者は居宅介護や重度訪問介護などのホームヘルプを利用できます。
多くの場合、精神障害者は身体機能に異常がありません。ただ精神障害者では家事能力が低く、そのままでは自力で生活できません。そこで、ホームヘルプを利用するのです。
もちろん、精神障害者保健福祉手帳1級など重度の場合は身体介護を利用できますし、他の障害の併発によって重度訪問介護を利用している人もいます。
それでは、精神障害者はどのように考えてホームヘルプを利用すればいいのでしょうか。うつ病や統合失調症、発達障害、パニック障害などの精神疾患をもつ人でのホームヘルプの活用法を解説していきます。
もくじ
身体機能に問題なくても居宅介護を利用できる
障害者であれば、ホームヘルプを利用することによって、自宅にホームヘルパーを呼び寄せることでさまざまな援助をしてもらうことができます。
多くの場合、精神障害者は身体機能に異常がありません。そのため精神障害者保健福祉手帳の2級や3級を含め、重度でない場合は自らの意思で食事や入浴、排せつをすることができます。
ただ身体機能に異常がなくても、精神障害者であれば「料理を作ったり外出して食事をしたりする」「買い物へ出かける」「部屋をそうじする」などの作業が難しくなっています。家事については、自ら行うのが困難なのです。
そこでうつ病や統合失調症、発達障害などの精神疾患を抱えている人について、居宅介護(ホームヘルプ)を利用することで手助けしてもらうことができます。
精神障害者で最も利用される家事援助
このとき、精神障害者で最も利用されるホームヘルプとして家事援助があります。家事援助の内容としては、例えば以下があります。
- 料理
- 洗濯
- そうじ(ゴミ出しを含む)
- 買い物
- 薬の受け取り
- 育児支援
週に数回、ホームヘルパーに来てもらうことにより、たとえ家事ができない精神障害者であっても生活できるようになります。
軽度(精神障害者保健福祉手帳3級や手帳なし)でも利用可能
なお精神障害者保健福祉手帳2級は当然として、精神障害者保健福祉手帳3級のように軽度であっても問題ありません。また居宅介護は障害福祉サービスに該当しますが、障害福祉サービスは障害者手帳とはまったく別の制度であるため、手帳なしでも利用できるケースは多いです。
「軽度であってもホームヘルプを利用可能」というのは、「一般企業でフルタイム勤務している発達障害の人」などであっても居宅介護を依頼できることを意味しています。
軽度の精神障害者であっても、「部屋の片づけができずゴミ屋敷になっている」「洗濯を十分にできていない」などの人は多いです。この場合、衛生的な生活を送れているとはいえません。
そこで、こうした生活環境を改善するためにホームヘルプを利用できます。重度でなくても、気軽に居宅介護を依頼できるのです。
重度の場合は身体介護や重度訪問介護も可能
なお中には、精神障害者保健福祉手帳1級などを保有しており、活動の範囲がベッド周辺に限られる人もいます。この場合、家事援助だけでなく食事や入浴、排せつを含めた身体介護を依頼してサポートしてもらうのは優れます。精神障害者保健福祉手帳2級では身体介護が不要のケースが多いものの、より重度では依頼して問題ありません。
または、精神症状が軽度・中等度であっても、他の障害を併発しているために重度の介護が必要な場合、重度訪問介護を利用しても問題ありません。
ホームヘルプにはさまざまな種類があります。いずれにしても、軽度から重度の人を含めてあらゆる障害者に対応しているのが居宅介護(または重度訪問介護)です。
ホームヘルプで不十分な場合、障害者グループホームを利用
ちなみに、ホームヘルプを利用している精神障害者について、自宅から障害者グループホーム(共同生活援助)へ移る人は多いです。
ホームヘルプによって精神障害者が自宅で生活できるようになるとはいっても、多くの場合、週に数回の利用となります。また、1日のうちホームヘルパーが来てくれるのは数時間ほどです。そのほかの時間については、自分で何とかしなければいけません。
一方で障害者グループホームの場合、他の障害者と一緒にシェアハウス形式で住むことになりますが、建物内には常に介護スタッフがいます。これにより、実質的に24時間365日での介護が可能になります。
精神障害者保健福祉手帳3級を含めて、軽度であり一般企業でフルタイム勤務しているのであれば、ホームヘルプでも十分です。一方で精神障害者保健福祉手帳の1級・2級を含め、うつ病や統合失調症、発達障害などの精神症状がそれなりに重い場合、24時間での介護となる障害者グループホームは優れます。
1割負担なので利用料金は格安
なおホームヘルプを利用するとき、費用は格安になります。すべての障害福祉サービスに共通しますが、1割負担にて利用できます。
例えば家事援助のみを依頼する場合、1回1.5時間で300円ほどの自己負担になります。ほとんど料金が必要ないため、生活に困っている場合は積極的に活用するといいです。
またうつ病や統合失調症、発達障害など、精神障害者で十分に働けていない人は多いです。こうした労働が困難な精神障害者の場合、低所得者となります。低所得者のために住民税の非課税世帯や生活保護となっている場合、ホームヘルプの利用料金はゼロです。
いずれにしても、精神障害者は無料または格安にて居宅介護(ホームヘルプ)を利用できるようになっているため、費用負担を心配する必要はありません。
障害支援区分と受給者証を得て、サービスを依頼する
そこでうつ病や統合失調症、発達障害などの精神疾患を有している人について、ホームヘルプを利用したい場合、市区町村の役所へ出向くことで申請しましょう。このとき、障害支援区分を取得することになります。
区分には1~6まであり、数字が大きいほど重度を表します。
居宅介護について、区分1以上であれば利用できます(重度訪問介護は区分4以上)。これが、軽度の精神障害者であってもホームヘルプを利用できる理由です。
参考までに、精神障害者でどのような区分が多いのかというと、以下のようになっています。
区分認定 | 割合 |
非該当 | 0.0% |
区分1 | 2.5% |
区分2 | 42.5% |
区分3 | 32.5% |
区分4 | 15.1% |
区分5 | 4.8% |
区分6 | 3.6% |
このように、区分2や区分3がほとんどです。また非該当になった人はほぼいません。そのため、精神障害者保健福祉手帳の保有者であれば、ほぼ間違いなくホームヘルプを利用できると考えましょう。また前述の通り、手帳なしでもホームヘルプを利用している人はいます。
うつ病や統合失調症、発達障害などで居宅介護を利用する
精神疾患を保有する場合、うつ病や統合失調症、発達障害などによって日常生活の能力がどうしても落ちてしまいます。
そこで、こうした精神障害者が自宅で過ごす場合はホームヘルプを利用しましょう。軽度の精神障害者であっても利用でき、家事援助を含めたさまざまな内容をサポートしてくれます。もちろん、重度の障害者では身体介護を依頼したり、重度訪問介護を活用したりしてもいいです。
このとき、精神障害者は無料または格安にて障害福祉サービスを利用できます。そのため、居宅介護(ホームヘルプ)の利用で費用の心配は不要です。
うつ病や統合失調症、発達障害、パニック障害など精神疾患を抱えている人は非常に多いです。こうした人で日常生活に困っている場合、ホームヘルプを活用しましょう。
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