障害者であれば、障害者グループホーム(共同生活援助)に格安で住むことができます。このとき、ホームヘルパーが自宅まで出向いて介護を行う障害福祉サービスに居宅介護・重度訪問介護などのホームヘルプがあります。
障害者グループホームに入居している人の中には、居宅介護(ホームヘルプ)を併用して利用できるのか気になる人がいます。
結論をいうと、障害者グループホーム(共同生活援助)と居宅介護・重度訪問介護(ホームヘルプ)は併用できません。ただ、特例によって併用できる障害者もいます。
それでは、障害者グループホームと居宅介護の併用はどのような状況になっているのでしょうか。両方の利用について解説していきます。
もくじ
居宅介護と障害者グループホームは内容が大きく異なる
障害者が実家や賃貸マンションに住んでいる場合、自らすべてを行うのは大変です。そこでホームヘルパーに助けを依頼することができ、居宅介護や重度訪問介護として生活の手助けをしてもらうことができます。これがホームヘルプです。
食事や入浴、排せつなどの身体介護だけでなく、料理や洗濯、そうじ、育児支援などの家事援助まで対象になっています。
それに対して、他の障害者と一緒に共同生活を送る施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しており、24時間体制にて障害者に対する援助があります。
自宅でホームヘルプがあるとはいっても、居宅介護であれば週に数回、数時間の援助になります。それに対して障害者グループホームの場合、常に介護スタッフが手助けしてくれるため、通常はホームヘルプよりも障害者にとって優れた介護になりやすいです。
ホームヘルプと共同生活援助は併用不可
それでは、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用している障害者について、居宅介護・重度訪問介護などのホームヘルプを併用できるかというと、原則として併用不可です。
前述の通り、障害者グループホームには介護スタッフが常にいます。そのためホームヘルパーを依頼しなくても、障害者グループホームにいるスタッフが対応すればいいです。
障害者グループホーム(共同生活援助)は「夜間に障害者の支援をする」と規定されているものの、実際には昼間にも職員がいます。平日の昼に日中活動をしない障害者もたくさんいるからです。つまり、わざわざ居宅介護や重度訪問介護を利用する意味がありません。
いずれにしても、障害者グループホーム(共同生活援助)の利用者は居宅介護・重度訪問介護などのホームヘルプを利用できないと考えましょう。
帰省時は例外的に居宅介護・重度訪問介護を利用可能
それでは、すべての場面で障害者グループホーム(共同生活援助)の利用者がホームヘルプを利用できないかというと、そういうわけではありません。特定の場面については、居宅介護や重度訪問介護を利用できるケースがあります。
こうした場面として、自宅への帰省時など障害者グループホームに滞在していない期間が該当します。
障害者が実家へ一時的に帰省をするときなど、この場合は障害者グループホームを利用していません。障害者グループホームとの契約は有効であるものの、実際に過ごしているのは実家であるため、共同生活援助を活用していないというわけです。
そこで一時的な帰省時については、必要に応じて居宅介護や重度訪問介護を利用できます。特に重度の障害者であり、ホームヘルパーによる助けが必要な場合は活用しましょう。
外部サービス利用型は例外的にホームヘルパーへ依頼
また障害者グループホーム(共同生活援助)の種類によっては、ホームヘルパーへの依頼が大前提となるケースがあります。こうした障害者グループホームとして、外部サービス利用型があります。
外部サービス利用型の場合、介護サービスを業務委託することになります。つまり、ホームヘルパーが障害者グループホームに来て障害者の介助をします。
新たに居宅介護・重度訪問介護を併用しているわけではないものの、「外部の事業者がホームヘルパーを派遣する」という意味では同じです。障害者グループホームの中でも、外部サービス利用型はメインの形態ではないものの、こうした種類の障害者グループホームも存在します。
併用が可能になる居宅介護での特例
なお一般的な障害者グループホームを利用しているものの、共同生活援助を利用しながら居宅介護・重度訪問介護を併用できる特例が存在します。具体的には、以下の2パターンのどれかに該当する人が特例を利用できます。
- 障害支援区分4以上、かつ重度訪問介護・同行援護・行動援護の対象者
- 障害支援区分4以上、かつ以下の2つのうち、どれかの対象者
- グループホームでの個別支援計画に居宅介護の利用が位置付けられている
- グループホームでの居宅介護の利用について市町村が必要性を認めている
障害支援区分は障害の程度を表し、1~6まで数字があります。また、区分の数字が大きいほど重度を表します。
そのため特例を利用できる障害者というのは、「区分4以上の重度障害者であり、その中でも特に特別な支援が必要となる人」が該当します。
もちろん、障害者グループホームは特別な支援が必要な人ばかりが利用するため、重度障害者であっても通常はホームヘルプを併用することはありません。
ただ将来、障害者グループホームを卒業して自宅での生活を見据える場合、特例を利用して居宅介護や重度訪問介護を利用してもいいです。事前に利用する場合、帰宅前からホームヘルプの活用に慣れているため、自宅に戻ったときであってもスムーズに生活をスタートできます。
なお特例は経過措置であるため、いつまで利用できるかは不明です。ただ、重度の障害者であれば例外的に障害者グループホーム(共同生活援助)と居宅介護・重度訪問介護を併用できるようになっています。
障害者グループホームとホームヘルプの関係性
共同生活援助を利用する場合、常に介護スタッフがいるため、昼も夜も問題なく障害者は介護支援を受けることがあります。そのため居宅介護や重度訪問介護は不要であり、障害者グループホームと併用することは原則としてできません。
ただ中には、例外的に居宅介護や重度訪問介護を利用できる場面があります。帰省によって一時的に障害者グループホームを利用しない場面がこれに該当します。または外部サービス利用型であれば、元から外部業者によるホームヘルプの利用を前提としています。
場合によっては、重度障害者で特例を利用することにより、障害者グループホームとホームヘルプを併用できます。基本的に障害者グループホームで居宅介護は不要であるものの、必要であれば利用可能なのです。
障害者グループホームとホームヘルプの併用では、こうした注意点があります。これらを理解して、障害者グループホーム(共同生活援助)や居宅介護・重度訪問介護(ホームヘルプ)を活用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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