障害福祉サービスには複数あり、その中に居宅介護や重度訪問介護、生活介護(デイサービス・通所介護)があります。このとき、自宅でホームヘルパーが手伝いをしてくれるサービスが居宅介護や重度訪問介護です。

それに対して、障害者に対して昼間に活動の場を提供するサービスが生活介護(デイサービス)です。ある程度、重度の障害者でデイサービスを利用できます。

このとき気になるのは、居宅介護・重度訪問介護と生活介護の違いです。また、居宅介護・重度訪問介護(ホームヘルプ)と生活介護(デイサービス)を同じ日に併用できるのでしょうか。

自宅に住んでいる障害者については、正しく障害福祉サービスを使い分けなければいけません。そこで、居宅介護・重度訪問介護と生活介護の違いや同日利用について解説していきます。

ホームヘルプとデイサービス・通所介護は内容が異なる

居宅介護はホームヘルプに該当します。またホームヘルプの中でも、より介護が必要な人の場合は重度訪問介護を利用します。居宅介護では、自宅にてサービスが提供されます。

一方でデイサービスについては、自宅ではなく特定の事業所へ出向くことになります。その後、サービスが提供されます。

  • 居宅介護・重度訪問介護:ホームヘルプ
  • 生活介護:デイサービス

そのため、それぞれの障害福祉サービスは内容が大きく異なります。

軽度の障害者でも利用できる居宅介護

ホームヘルパーが障害者の家に出向き、食事や入浴、排せつの介助をするのが居宅介護です。ただ障害者によっては、知的障害者や精神障害者など身体機能に異常のない人もいます。そのため、料理や洗濯、そうじ、買い物など家事援助のみを依頼することも可能です。

重要なのは、軽度の障害者であってもホームヘルプを利用できる事実です。例えば、一般企業にてフルタイム勤務している精神障害者(発達障害など)であっても、障害者であれば問題なくホームヘルプを依頼できます。

また居宅介護では育児支援を依頼できるなど、意外と利用範囲が広いです。障害者本人に関する支援内容であれば、ホームヘルプを利用して障害者の生活援助が可能になります。

より援助が必要な場合のホームヘルプが重度訪問介護

ただ障害者によっては、重度の障害者であるために、より長時間の介護が必要なケースがあります。わかりやすい例としては、ALSなどの難病患者が該当します。

こうした障害者の場合、24時間体制での介護が必要になります。夜間についても数時間おきに吸引をしたり、体勢を変えたりするのです。これを家族が行うとなると夜に眠ることができず、家庭崩壊を起こすため、24時間の介護が可能な重度訪問介護を利用するのです。

重度障害者向けのホームヘルプが重度訪問介護です。軽度の人は利用できないものの、長時間の介護が必要な重度障害者で主に活用されます。

生活介護は重度障害者向けのデイサービス

これら居宅介護や重度訪問介護に対して、まったく異なる障害福祉サービスが生活介護(デイサービス)です。自宅でサービスが提供されるのではなく、特定の事務所へ障害者が出向く必要があります。

事務所または家族による送迎によって生活介護の事業所へ出向き、その後は体操やレクリエーション、リハビリなどが行われるようになります。主に朝に出向き、15:00ごろに帰宅することになります。例えば、以下のようなスケジュールです。

  • 10:00:通所
  • 12:00:昼食
  • 13:00:体操、レクリエーション、リハビリ
  • 15:00:帰宅

生活介護(デイサービス)を利用するには、軽度の障害者は不可です。ある程度、重度の障害者のみデイサービス・通所介護を利用できるようになっています。

同日利用は可能?居宅介護と生活介護の併用

このようにサービス内容の違いを理解すると、ホームヘルプとデイサービスはまったく異なるサービスであるとわかります。

このとき、人によっては「ホームヘルプとデイサービスを同日利用したい」と考えるのは普通です。例えば、生活介護(デイサービス)によって日中活動をした後、夕方から居宅介護(または重度訪問介護)によってホームヘルパーに助けてもらうのです。

ホームヘルプとデイサービスの同日利用については、利用時間が重複していないのであれば併用可能です。例えば、以下のようになります。

  • 10:00~15:00:生活介護(デイサービス)を利用
  • 17:00~18:30:居宅介護(ホームヘルプ)を利用

デイサービスは一日単位で算定するサービスになります。一方でホームヘルプについては、時間単位で算定するサービスです。こうした日単位と時間単位の障害福祉サービスについて、利用時間が重複しなければ同日利用にて併用できるようになっています。

ホームヘルプとデイサービスを正しく利用する

すべての障害者で利用できる障害福祉サービスが居宅介護です。ホームヘルパーに依頼することで、身体介護や家事援助などの依頼が可能です。また軽度ではなく、重度であれば重度訪問介護を依頼しても問題ありません。

それに対して、ある程度重度の障害者で利用できるデイサービスが生活介護です。障害者が日中活動を通し、生活能力を向上させる場となります。

居宅介護・重度訪問介護と生活介護について、利用する時間が異なる場合、同日利用にて併用できます。軽度の障害者ではデイサービス・通所介護を利用できないものの、重度なのであれば両方利用して問題ありません。

障害者向けのホームヘルプとデイサービスには、こうした違いがあります。それぞれのサービス内容を理解して、正しく障害福祉サービスを利用しましょう。

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