重度の障害者にとって重要なホームヘルプとして重度訪問介護があります。重度訪問介護により、長時間の介護が必要な人であっても問題なく対応できるようになります。
このとき、重度障害者で外出を考える人は多いです。ホームヘルパーによる助けによって医療機関へ出向いたり、旅行へ行ったりするのです。ヘルパーが車を運転して送迎することもできるため、重度訪問介護を利用しての移動はスムーズです。
また、外出支援としては移動支援や同行援護、行動援護など、その他のサポートも存在します。そこで、これらの違いも含めて理解しましょう。
それでは重度訪問介護を利用して外出するにはどうすればいいのでしょうか。重度訪問介護を活用している人に関して、外出支援を解説していきます。
もくじ
外出時の移動の支援は重度訪問介護で想定されている
障害福祉サービスで利用できるホームヘルプとして居宅介護と重度訪問介護があります。居宅介護では外出支援を利用できますが、当然ながら重度訪問介護でも外出支援が規定されています。
つまり、重度訪問介護を利用することによってホームヘルパーが移動のための介護を行い、利用者(障害者)が目的の場所へ到着するのをサポートしてくれます。一般的な外出支援としては医療機関や役所などへの移動が挙げられます。
なお、重度訪問介護での外出支援の対象外になるケースもあります。例えば以下の外出が該当します。
- 経済活動に関する外出:通勤や勤務、営業活動など
- 宗教活動や政治的活動
- 社会通念上、不適当:ギャンブル(競馬、パチンコなど)や飲酒を伴う外出
一部にはなりますが、こうした外出についてはサポート外です。ただ、それ以外であれば旅行を含めて重度訪問介護での外出支援の範囲に含まれます。
通院介助・付き添いと院内介助への対応
なお外出支援でメインになりやすいのが医療機関への通院介助です。それでは医療機関までの通院介助・付き添いに加えて、病院内での院内介助も重度訪問介護で可能なのでしょうか。
通常、病院やクリニック内の対応については、医療機関のスタッフが行います。そのため、ホームヘルプで通常は院内介助が含まれていません。
ただ重度の障害者であれば、ホームヘルパーによる院内介助をするほうが適切であるケースがあります。例えば、以下のような障害者が該当します。
- 院内の移動で介助が必要
- 知的障害や強度行動障害で見守りが必要
- 排せつの介助が必要
こうした障害者については、必要であれば院内介助も重度訪問介護によってサポートしてもらえるようになります。
障害者の車をホームヘルパーが運転できる
なお重度訪問介護を依頼するほどの重度の障害者について、公共交通機関を利用して目的の場所へ出向くのは大変です。通院介助をしてもらうにしても、徒歩やバス、電車を利用して出向くよりも、ホームヘルパーが運転する車を利用して送迎してもらうほうが圧倒的に優れます。
このとき、障害者が所有する車を利用して、ホームヘルパーが車を運転し、医療機関や役所などへ送迎する行為は重度訪問介護で可能です。
ホームヘルパーが保有する自家用車や事務所の車を利用して、利用者(障害者)を乗車&ヘルパーが運転する行為は禁止されています。ただ、障害者保有の車をヘルパーが運転し、目的の場所へ送迎するのは問題ありません。
障害者(または家族)が車を保有している必要があるため、すべての人でホームヘルパーによる車の運転による送迎が可能になるわけではありません。ただ、ホームヘルパーによる車の運転が可能なのは優れています。
旅行・外泊に同行可能:外出日数の制限はない
なお重度訪問介護を利用して外出支援を依頼するとき、外出日数の制限はありません。そのため、重度障害者の外泊が可能です。
ホームヘルパーが旅行へ同行するとき、障害者が一人で旅行してもいいし、家族旅行をしても問題ありません。また日数制限がないため、一泊二日に限らず、一週間など長めの旅行をしてもいいです。
重度障害者の場合、常に介護が必要となります。このとき旅行で家族が一緒であったとしても、家族が常に車いすを押したり、旅行先での食事・入浴・排せつの介助をしたりするとなると大変です。重度訪問介護では、そうした要望に応えることができます。
その他の外出支援を使い分ける
なお重度訪問介護を利用できる場合、重度訪問介護による外出支援を活用すれば十分です。ただ、外出支援には他にも存在します。そこで、こうした外出支援の違いを見極めるのは重要です。
同じホームヘルプの中でも、居宅介護と重度訪問介護は併用できません。このとき、居宅介護(通院等介助・通院等乗降介助)による外出支援以外には以下があります。
- 移動支援
- 同行援護
- 行動援護
それぞれ、以下のようになっています。
移動支援は自治体独自の制度で区分なし利用が可能
居宅介護や重度訪問介護を含めて、障害福祉サービスを利用する前に障害支援区分の取得が必須となるケースがよくあります。障害支援区分には1~6まであり、数字が大きくなるほど重度を表します。
居宅介護は区分1以上が必要であり、重度訪問介護は区分4以上の人が対象になります。
このとき移動支援は自治体独自の制度であり、多くは区分なしであっても利用できます(あなたが住んでいる自治体の移動支援を確認する必要あり)。重度訪問介護のように、重度の障害者でなくても利用できる制度が移動支援です。なお、重度訪問介護の利用者は移動支援を併用できないのが基本です。
同行援護・行動援護は利用対象者が明確
また国の制度として、他の外出支援に同行援護や行動援護があります。それぞれ、以下の違いがあります。
- 同行援護:視覚障害者が利用
- 行動援護:重度の知的障害・精神障害者(主に自閉症)が利用
視覚障害者の場合、区分なしであっても同行援護を利用できます。一方で重度の知的障害・精神障害を有する場合、区分3以上で行動援護を依頼できます。
重度訪問介護を利用している場合、同行援護や行動援護の併用はできません。ただ、すべての人で重度訪問介護を利用できるわけではないため、その場合は他の外出支援を利用することになります。そこで、こうした外出支援の違いを理解しましょう。
重度訪問介護で外出支援を依頼する
障害者にとって、家の外へ出る機会がいくつかあります。そこで医療機関や役所へ出向くとき、重度訪問介護を利用しているのであれば、通院介助や車での送迎を利用しましょう。
重度訪問介護には、ホームヘルパーによる移動サポートも含まれています。このときは公共交通機関を利用してもいいですし、障害者の車を利用してホームヘルパーが車を運転してもいいです。また、旅行での長期外泊で重度訪問介護を活用することもできます。
なお、障害者に対する同様の外出支援として移動支援や同行援護、行動援護があります。重度訪問介護には移動サポートが既に含まれており、居宅介護や移動支援、同行援護、行動援護の併用はできません。ただ、それぞれの違いは理解しましょう。
障害者にとって移動・外出のサポートは重要です。そこで、どのように重度訪問介護を活用して外出すればいいのか理解しましょう。
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