障害のある多くの人が利用する障害福祉サービスに居宅介護・重度訪問介護などのホームヘルプがあります。自宅で障害者が過ごすことを考えるとき、ホームヘルパーによるサポートは重要です。
なお実際に障害者がホームヘルプを利用するとき、対象者はどのようになっているのでしょうか。障害福祉サービスでは障害支援区分が重要であり、これを取得することでホームヘルプを利用できるようになります。
また、ホームヘルプの利用では具体的な手続き・流れを理解しなければいけません。必要な手続きをすることで、ホームヘルパーが家に来てくれるようになります。
それでは、どのような流れによって居宅介護・重度訪問介護を活用すればいいのでしょうか。障害者がホームヘルプを利用するときの対象者や必要な区分、手続き・流れについて解説していきます。
もくじ
障害支援区分1以上が利用条件:手帳なしも可能
障害福祉サービスを利用するとき、事前に障害支援区分の取得が必要になるケースがよくあります。このとき、ホームヘルプの利用では区分が必須となるため、すべての障害者で障害支援区分の取得が利用条件となります。
障害支援区分には1~6まであり、数字が大きいほど重度を表します。
このとき、居宅介護は区分1以上であれば利用できます。そのため、非常に軽度であっても障害者であれば誰でも利用できる制度が居宅介護です。
・障害者手帳なしでも利用可能
なお、障害者手帳と障害福祉サービスはまったく別の制度です。そのため、障害者手帳を保有していなくても居宅介護を利用できます。
軽度の障害者であっても利用できることから、中には障害者手帳を保有できない人であっても、ホームヘルプを活用している人がいます。そのため、障害者手帳がなくても障害支援区分の取得を依頼するのは問題ありません。
重度訪問介護はより重度の特殊な障害者:区分4以上
それに対して、重度の障害者向けのホームヘルプとして重度訪問介護があります。区分4以上の人で利用できるホームヘルプになっています。
それでは、区分4以上であれば誰でも利用できるのかというと、そういうわけではありません。以下のうち、どちらかに当てはまっている人で利用できます。
- 二肢以上に麻痺があり、歩行・移乗・排尿・排便のいずれも支援が必要
- 障害支援区分の認定調査項目のうち、行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上
より分かりやすくいうと、「重度の肢体不自由者」または「強度行動障害のある重度の知的障害者・精神障害者」で重度訪問介護を利用できます。
障害者の中でも、特殊な介護が必要な場合に重度訪問介護の対象者になります。
区分5や区分6の障害者が居宅介護を利用するのは可能
特別な条件が必要であるため、重度の障害者であっても全員が重度訪問介護を利用できるわけではありません。そのため区分5や区分6など非常に重度であっても、重度訪問介護ではなく、居宅介護のみが利用対象になるケースは多いです。
このように、重度の障害者で居宅介護を利用するのは普通です。重度訪問介護のように1日に長時間の介護は無理であっても、居宅介護によって身体介護や家事援助を利用すれば、障害者は生活できるようになります。
また家族が同居している場合であっても、ホームヘルプによる介護があれば、家族の介護負担は大幅に軽減されます。いずれにしても、重度障害者が居宅介護を利用するのは問題ありません。
ホームヘルプを受ける手続きは?役所で相談する
それでは、実際に居宅介護や重度訪問介護を利用するにはどのようにすればいいのでしょうか。大まかな手続き・流れは以下のようになります。
まず、あなたが住んでいる市区町村の役所へ出向きましょう。障害福祉課などの窓口にて、居宅介護や重度訪問介護を利用したいことを伝えるのです。
窓口で相談すれば、必要な書類や手続きを教えてくれます。いずれにしても、障害福祉サービスの利用について役所へ出向くといいです。
障害支援区分と障害福祉サービス受給者証を得る
その後、障害支援区分を取得しなければいけません。そのためには、医師の診断書が必要になります。そこで、かかりつけの医師に依頼することで所定の診断書に記載してもらいましょう。以下のような書類が医師の意見書(診断書)になります。
それに加えて、調査員による聞き取り調査が行われます。障害者が住んでいる場所まで調査員が出向き、1時間ほど会話することで「日常生活で何に困っているのか」「意思疎通は可能か」などを判定していきます。
こうして区分1~6で数字が決定した後、障害福祉サービス受給者証を発行してもらいます。以下の書類になります。
障害者としては、知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者と種類があります。これらすべての障害者について、役所にて障害支援区分を取得した後に、障害福祉サービス受給者証を発行してもらいましょう。
なお障害福祉サービス受給者証を発行してもらうとき、サービス名(居宅介護や重度訪問介護など)が記されます。そこで居宅介護と重度訪問介護の違いを認識して、どちらを利用したいのか確認しましょう。
ホームヘルプの事業所を選び、依頼する
区分を得て障害福祉サービス受給者証を手にしたら、ようやくホームヘルプを提供している事業所を選べるようになります。サービス利用の決定を受ける前にホームヘルプの事業所を探しても利用できないため、まずは障害支援区分と障害福祉サービス受給者証が必要になるのです。
そこで紹介やインターネットなどを利用して、障害者自宅の周辺に存在する居宅介護や重度訪問介護の事業所を選ぶことになります。
居宅介護を提供している場合、多くのケースで重度訪問介護にも対応しています(重度訪問介護に対応している場合、確実に居宅介護にも対応しています)。そこで、実際に事業所に問い合わせてみるといいです。
もちろん、実際に利用してサービス内容が微妙だった場合、他のホームヘルプ事業所へ変更するのは問題ありません。障害支援区分と障害福祉サービス受給者証が有効であれば、どの事業所を利用してもいいです。
なお老人向けに訪問介護を実施している事業所について、障害者向けの居宅介護や重度訪問介護を提供していることはよくあります。そこで、老人向けサービスである訪問介護の事業所について調べ、問い合わせるのも有効です。
利用条件や流れを理解してホームヘルプを活用する
それぞれの障害福祉サービスについて、利用条件があります。居宅介護や重度訪問介護については、区分の取得が必須になります。区分1以上であれば居宅介護、区分4以上で特殊な介護が必要な場合は重度訪問介護の対象者になります。
軽度から重度の人を含め、すべての障害者で利用できる制度がホームヘルプです。そこで手続きを開始するため、まずは役所へ出向きましょう。
その後、医師の意見書(診断書)の提出や聞き取り調査によって障害支援区分が決定されます。また、ホームヘルプに関する障害福祉サービス受給者証を発行してもらいましょう。こうして、ホームヘルプ提供の事業所を選べば実際に自宅へホームヘルパーが来てくれるようになります。
障害者がホームヘルプを利用するとき、こうした流れになります。そこで利用条件や必要な手続きを理解して、居宅介護・重度訪問介護を活用しましょう。
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