知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者はどうしても日々の生活での移動が難しくなります。また親族の助けを借りれない場合、タクシーの利用を考えることがあります。
ただ生活保護の場合、タクシーを自費利用すると非常に高額になるため、通常はタクシーを利用できません。しかし生活保護であっても、医療機関へ出向くなど特定の利用条件ではタクシー代を全額出してもらえるようになります。
なお障害者の場合、福祉タクシー券を利用できるケースがあります。すべての障害者ではないものの、特定の地域に住んでいる場合は対象です。
それでは生活保護の障害者について、どのようにタクシーを利用すればいいのでしょうか。生活保護の障害者でタクシー代を助成してもらう方法を解説していきます。
もくじ
通院で必要な場合、タクシーが認められる
通常、タクシー代は全額が自費です。これは生活保護を受けている知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者すべてで同様であり、タクシーを利用したらすべて自分のお金で支払わなければいけません。
ただ病院への通院について、特定の条件を満たす場合は生活保護であってもタクシー代が支給されます。生活保護の中でも、医療扶助にて出されるのです。具体的には、以下の人で利用できます。
- パニック障害などで通院にタクシーが必要
- 電車・バスなどの公共交通機関がない
つまり、「通院でタクシーを利用したい」という理由だけでは、生活保護でタクシー代が出されることはありません。タクシーを利用しないと通院できない理由があるときのみ、タクシー代が補助されます。
・通常、外出支援サービスを利用する
障害者であると外出が困難です。ただ知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者であっても多くの人で病院への通院は特に問題ありません。理由としては、ホームヘルプの通院等介助を利用すればいいからです。
通院等介助を含め、障害福祉サービスには外出支援サービスが複数あります。こうした外出支援サービスにより、電車やバスなどの公共交通機関を用いて障害者は通院できます。そのためタクシーは不要であり、問題なく通院できます。
パニック障害などで通院にタクシーが必要
ただ外出支援サービスを利用しても通院が困難な障害者がいます。例えば精神障害者が該当し、特にパニック障害では電車やバスに乗ることで発作が起きてしまいます。そのため、パニック障害では公共交通機関を利用しての通院ができません。
目が不自由であったり、知的障害があったりする場合であっても、外出支援サービスを利用すれば公共交通機関を利用して問題なく通院できます。ただパニック障害では、そもそも電車やバスに乗れないというわけです。
また生活保護の場合、通常は車を保有できません。そのため、自ら運転して病院へ出向くのが困難です。
そのためパニック障害など、医師に診断書をもらうことで、「障害によって公共交通機関を利用できず、通院のためにタクシーが必要」と認められればタクシーでの通院が可能になります。
電車・バスなどの公共交通機関がない
またパニック障害などの精神障害者に限らず、非常に田舎の地域に住んでいる人は通院が困難になりやすいです。周囲に電車やバスなどの公共交通機関がなく、車でなければ医療機関へ行けないケースがあるのです。
そのため田舎に住んでおり、頼れる親族がおらず、さらには周囲に公共交通機関がない場合についても生活保護でのタクシー代支給が認められます。
このとき、「かかりつけの医療機関が電車・バスでアクセスしにくい」という理由の場合、病院を変えればいいだけなので認められません。「指定難病であり、特定の病院でなければいけない理由」があるならいいですが、そうでない場合は医療機関を変えればいいです。
領収書を保有し、後で請求する
なお実際に生活保護を受給している障害者がタクシーの利用を考えるとき、事前にケースワーカーへ相談するといいです。特定の条件では生活保護でタクシー代が出るため、「タクシーがなければ通院できない」ことを伝えるのです。
このとき、領収書をもらう必要があります。タクシーは金額が事前に決まっておらず、いくらのお金を支払ったのか証明しなければいけないため、後で請求するために領収書をもらいましょう。
なお当然ながら、自宅から医療機関までのタクシー代を請求できます。そのため「途中で銀行へ立ち寄る」などをする場合、タクシー代請求の対象外になることは理解しましょう。
福祉タクシー券で費用を補助してもらう
それでは生活保護受給者について、医療機関へ出向く場合でなければタクシー代の補助をしてもらえないのでしょうか。これについて、障害者手帳を保有していることによって福祉タクシー券を利用できるケースがあります。
福祉タクシー券は自治体独自の制度であり、必ず利用できるわけではありません。また対象者も自治体によって異なります。
ただ福祉タクシー券を利用できる場合、生活保護であるかどうかに関係なく、障害者であればタクシーにて目的地へ出向くことができます。また、利用用途は医療機関への通院に限りません。
ただ利用できる福祉タクシー券の金額には上限があります。そのため気軽に福祉タクシー券を利用するのではなく、通院時など「どうしても必要なとき」にタクシー券を活用するといいです。
最も良いのは通院サポートのある施設の利用
なお障害者でタクシーの利用を考える人というのは、ほとんどで「一人で目的地へ出向くことができない」「親族の協力を得ることができない」という状況です。
この場合、医療機関から近い場所へ引越しをするのは問題ありません。生活保護では引越しが制限されているものの、理由があれば引越しできます。生活保護受給者であれば、引越し費用も出されます。
また知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者であれば、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用できます。最安値の生活費用で住める施設が障害者グループホームであり、さらには介護スタッフによる援助もあります。
このとき、障害者グループホームで医療機関への通院をサポートしているのは普通です。また食事作りもスタッフが担当してくれるため、外出は不要です。そのためタクシーが必要な生活保護の障害者については、障害者グループホームへの入居を考えてもいいです。
生活保護の障害者でタクシーを利用する
障害者で生活保護を受給している場合、タクシーを活用する場面はほとんどありません。タクシー利用は自費であり、すべて自分のお金で出さなければいけないからです。
ただ特定の条件を満たす場合、生活保護の医療扶助でタクシー代が出されます。パニック障害で医療機関への通院が不可能であったり、周囲に公共交通機関がなかったりする場合、例外的に通院でタクシー利用が可能です。
また障害者の場合、福祉タクシー券を利用できる場合があります。自治体によって制度の内容は異なりますが、利用できる場合はタクシー利用にて目的地へ出向いてもいいです。
生活保護の障害者がタクシーを利用する場面は限られます。そこで生活保護受給者について、必要な場合はタクシーを活用しましょう。
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