救護施設・更生施設・授産施設を利用する生活保護受給者について、障害者は多いです。こうした障害者には知的障害者も含まれます。

なお知的障害者とはいっても、軽度から重度までさまざまな人が利用しています。また救護施設や更生施設、授産施設について、利用する知的障害者の重症度は大きく異なります。

それでは保護施設を利用している知的障害者はどのように施設を活用することになるのでしょうか。救護施設・更生施設・授産施設での知的障害者の利用について解説していきます。

対象者の規定がない救護施設・更生施設・授産施設

生活保護受給者が利用するための保護施設が救護施設・更生施設・授産施設です。また、これら保護施設の利用者は障害者が多くを占めています。

このとき、障害者が暮らす施設は一般的に障害者グループホームになります。保護施設と同様に、複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。

障害者グループホームには種類があり、運営会社によって利用対象者に関する方針が異なります。例えば、「知的障害者のみ受け入れ」「軽度から中等度の人が利用可能」「最重度の障害者のみ利用」など、施設ごとに特徴があります。

それに対して、救護施設・更生施設・授産施設には対象者の規定がありません。つまり知的障害者や精神障害者、身体障害者などで生活が困難であり、生活保護受給者であれば、どのような人でも利用できる施設が保護施設です。

知的障害者の利用割合はどれくらい?

それでは実際のところ、救護施設や更生施設、授産施設で知的障害者の利用割合はどのようになっているのでしょうか。厚生労働省の資料では、保護施設に入居している人のうち、知的障害者の割合は以下のようになっています。

施設の種類割合
救護施設29.0%
更生施設8.6%
授産施設34.7%

※厚生労働省:保護施設の支援機能の実態把握と課題分析に関する調査研究事業

救護施設や更生施設、授産施設などの保護施設では、精神障害者の利用が大多数になります。そのため知的障害者の利用割合は少なくなりがちであるものの、知的障害者で保護施設を利用している人はそれなりにいます。

なお知的障害者は生まれつきであり、回復することがありません。そのため、ずっと同じ施設に住み続けられる救護施設や授産施設を知的障害者が多く利用しています。それに対して、1~2年ほどでの独り立ちを目指し、将来は退所が前提となる更生施設だと、知的障害者の利用割合が少なくなります。

保護施設での知的障害の程度はどれくらいなのか

それでは救護施設や更生施設、授産施設にて生活している知的障害者について、どの程度の障害を有する人が利用しているのでしょうか。

知的障害者とはいっても、軽度と重度では様子が大きく異なります。このとき、救護施設では以下の利用割合になっています。

療育手帳の重症度割合
A1(IQ20以下:最重度)10.5%
A2(IQ21~35:重度)29.7%
B1(IQ36~50:中等度46.5%
B2(IQ51~75:軽度13.2%

※厚生労働省:保護施設の支援機能の実態把握と課題分析に関する調査研究事業

このように、重度から軽度までさまざまな知的障害者が救護施設を利用しています。救護施設では10年以上、同じ施設で過ごす人もたくさんいます。独り立ちが必須なわけではなく、重度の障害者であっても利用できる保護施設が救護施設です。

・更生施設の利用者

それに対して、更生施設を利用する知的障害者の等級は以下のようになっています。

療育手帳の重症度割合
A1(IQ20以下:最重度)0%
A2(IQ21~35:重度)0%
B1(IQ36~50:中等度17.9%
B2(IQ51~75:軽度82.1%

※厚生労働省:保護施設の支援機能の実態把握と課題分析に関する調査研究事業

このように、更生施設では軽度障害者の利用がほとんどになります。前述の通り、更生施設では将来の独り立ちが大前提となります。そのため重度の知的障害者が利用する意味はありません。軽度の知的障害者が更生施設を利用して、一人暮らしに必要なスキルや知識を身に付けます。

・授産施設の利用者

一方で授産施設を利用している知的障害者では、障害の重症度は以下のようになっています。

療育手帳の重症度割合
A1(IQ20以下:最重度)0%
A2(IQ21~35:重度)9.1%
B1(IQ36~50:中等度50.0%
B2(IQ51~75:軽度40.9%

※厚生労働省:保護施設の支援機能の実態把握と課題分析に関する調査研究事業

職業訓練を通して作業・仕事を行う施設が授産施設です。最重度の知的障害者では作業ができないため、授産施設を利用する知的障害者は軽度または中等度がメインとなっています。

知的障害者更生施設は障害者支援施設に該当

なお更生施設という名前で考えると、日本には知的障害者更生施設が存在します。知的障害者更生施設は先ほどの更生施設とは異なり、「療育手帳を保有している人が入居できる施設」と考えましょう。

つまり、必ずしも生活保護である必要はありません。また一般的な更生施設とは異なり、知的障害者更生施設は長期間の入居が可能です。

知的障害者更生施設というのは、要は入所施設(障害者支援施設)を指します。つまり、重度の知的障害者の受け入れに特化した障害者施設と考えましょう。障害者施設と保護施設(救護施設や更生施設など)は根拠となる法律が違うため、両者は仕組みや対象者が異なります。

いずれにしても、「障害者支援施設である知的障害者更生施設」と「生活保護受給者が利用する更生施設」は別物と考えましょう。

知的障害者で保護施設を利用する

障害者で生活保護を受けている場合、救護施設や更生施設、授産施設などの保護施設を活用できます。知的障害者で生活困窮者の場合、こうした保護施設を利用するのは普通です。

なお保護施設を利用する人は精神障害者が圧倒的に多いです。ただ知的障害者についても、こうした施設を利用するのは普通です。

このとき、救護施設であれば最重度の知的障害者であっても受け入れ可能です。一方で更生施設では、軽度の知的障害者がメインになります。授産施設では、軽度から中等度の知的障害者が主に利用します。このように、障害の重症度によって入所するべき施設が異なります。

知的障害者が保護施設を活用するとき、救護施設や更生施設、授産施設によって、利用するべき障害の重症度が異なります。これらを理解して、知的障害者は保護施設を活用しましょう。

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