保護施設の中でも、多くの生活保護受給者が利用している施設に救護施設があります。主に障害者が救護施設を利用し、施設内で日常生活が完結します。

救護施設を利用することにより、生活保護の障害者であっても問題なく日々を過ごせるようになります。それでは救護施設に入るには、どのような手続きや流れになるのでしょうか。

入所手続きの方法を理解していないと、どのように救護施設を利用すればいいのかわかりません。そこで救護施設への入所方法や手続きについて解説していきます。

救護施設に入るには生活保護が必要

保護施設には救護施設や更生施設、授産施設などの種類があります。これら保護施設を利用するとき、生活保護を受けている人であれば保護施設へ入居できます。そのため救護施設に入るには、以下の条件にうちどれかに該当する必要があります。

  • 生活保護を受け取っている
  • 生活保護の申請を出している

救護施設を利用できる人の第一条件が「生活保護受給者かどうか」です。そこで、救護施設の利用では生活保護の申請を考えましょう。

通常、障害者が救護施設を利用する

また救護施設を利用するとき、知的障害者や精神障害者、身体障害者など、日常生活が困難な人がメインになります。厚生労働省の資料では、救護施設を利用している人のうち86.2%が障害者です。

また障害者について、障害の種類としては以下の人が利用しています(重複回答あり)。

障害の種類割合
身体障害18.5%
知的障害29.0%
精神障害69.6%
その他1.4%

※厚生労働省:保護施設の支援機能の実態把握と課題分析に関する調査研究事業

精神障害者が救護施設利用のメインになりますが、いずれにしても障害をもつ生活保護受給者が主に救護施設を利用します。ほかには、原則として18歳以上・65歳未満の人が救護施設へ入所します。

入所手続きに必要な流れ

それでは生活保護を受給する障害者について、救護施設へ入居するための条件を満たしている場合、どのようにして救護施設へ入ればいいのでしょうか。救護施設へ入るには、以下の流れになります。

  1. 利用のため、福祉事務所へ相談
  2. 見学を行い、入所申し込みをする
  3. 体験(一時入所)を行い、契約する
  4. 所持品・持参品をもって入所

それぞれについて確認しましょう。

利用のため、福祉事務所へ相談

生活保護を受けるとき、市区町村の役所・福祉事務所へ相談することになります。また救護施設を利用するときについても、市区町村の福祉事務所への相談になります。

救護施設というのは、本人から直接、申し込みを行える施設ではありません。ケースワーカーから救護施設へ連絡してもらうことにより、救護施設へ入居するための手続きが進むようになります。

また前述の通り、生活保護を受給している人(または申請している人)が救護施設を利用できます。そこで、まだ生活保護の申請をしていない人は「生活保護の申請と救護施設の申し込み」を両方とも行いましょう。なお、既に生活保護を受け取っている人は担当のケースワーカーへ相談して問題ありません。

見学を行い、入所申し込みをする

そうして生活保護の認定を受け、ケースワーカーから救護施設へ連絡が行き、救護施設に空きがあれば入所手続きに進むことになります。

救護施設が受け付けをした後、本人や家族は入所を希望する救護施設へ出向き、見学をします。見学時、救護施設の日常生活や施設内で行われている活動などの説明が行われ、同時に利用希望者(障害者)の様子についてのヒアリングもあります。

そうして救護施設側が正式に受け入れ許可を出したら、対象の救護施設へ入居となります。

体験(一時入所)を行い、契約する

なお実際に入居するとき、通常は事前に体験入所をします。救護施設は家と同じであり、障害者はずっと同じ場所に何年も住むことになります。事実、救護施設に10年以上も生活している人は多いです。

何年も住む場所になる可能性があるため、事前に体験入所をすることで施設のルールや利用者の様子を理解するのは重要です。

このとき、救護施設には一時入所という仕組みがあります。そこで一時入所を活用し、2泊3日や3泊4日など、実際に救護施設で寝泊まりすることで施設の様子を理解するのです。そうして一時入所を通して、問題なければ救護施設と契約・入所となります。

なお一時入所を利用するとき、サービス料は無料です。ただ食費や水道光熱費については日割りにて負担が必要です。施設によって異なりますが、一般的には一時入所で1日あたり1500~2000円の費用負担になります。

所持品・持参品をもって入所

そうして契約後、実際に救護施設へ引越しとなります。生活保護の場合、引越し代は住宅扶助にて出されます。そのため、引越し代金を心配する必要はありません。

このとき、必要な所持品・持参品としては例えば以下があります。

  • 普段着・パジャマ
  • 靴(上履き、運動靴)
  • タオル
  • 日用品:歯ブラシ、コップなど

なお救護施設が個室の場合、引越し会社へ依頼することでテレビや小さい冷蔵庫など、必要な物を持ち込んでもいいです。一方で相部屋の場合、そうした物を持ち込むのは厳しいです。そこで、どのような部屋で寝泊まりするのか見学や体験のときに確認しましょう。

救護施設へ入所する手続きを行う

保護施設は通常、生活保護受給者が利用します。その中でも、救護施設は障害者の利用者が非常に多いです。そこで障害がある生活困窮者は救護施設の利用を検討してもいいです。

なお生活保護を受給するとき、市区町村の役所や福祉事務所で相談します。そのため救護施設へ入るときについても同様に、市区町村の役所・福祉事務所へ相談しなければいけません。ケースワーカーから救護施設へ連絡がいくことで、ようやく入所に向けた手続きに進めます。

そこで救護施設の見学や体験入所を行い、問題なければ契約しましょう。その後、必要な物品を持参して救護施設へ引越します。

救護施設に入るには、正しい手順があります。そこで入所に必要な手続きや利用方法を理解して、救護施設を活用しましょう。

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