障害者で生活保護を受けている人は多いです。こうした生活保護受給者について、中には引越しをしたいと考える人がいます。

生活保護受給者の場合、引越しが制限されています。ただ引越し自体は申請することで行うことができますし、引越しで必要な費用も生活保護費で出されます。そのため、生活保護の障害者が引越しを考えるのは問題ありません。

それでは知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で生活保護費を受け取っている場合、どのように引越しをすればいいのでしょうか。障害者で生活保護を受けている人の引越しについて解説していきます。

知的障害者・精神障害者・身体障害者で引越しは普通

障害者の場合、他の人に比べて引越しをする機会が多いのは普通です。例えば実家から障害者グループホーム(共同生活援助)へ引越しをする人はたくさんいます。また、病院からの退院に伴って新たな住居へ引越しする人もいます。

障害者である以上、生活保護であっても仕方のない理由での引越しは普通です。そのため生活保護の障害者であっても、必要なのであれば引越しをすればいいです。

一般的には、生活保護受給者は引越しをしにくいといわれています。ただ日本国憲法には移転の自由が認められており、どのような人であっても引越しは問題ありません。

許可を得れば自己都合でも引越しが可能

ただ生活保護受給者が自己都合による引越しをする場合、制限がある事実は変わりません。例えば、以下の理由による引越しは認められません。

  • いまより広い家に住みたい
  • ペット可の物件に引越したい

一方で仕方のない理由であれば、生活保護であっても問題なく引越しできます。障害者であれば、例えば以下の理由が該当します。

  • 新たな障害者グループホームへ転居する
  • 病院から退院し、新たな住居を探す
  • 障害により、バリアフリー物件へ引越す
  • 家賃が値上がりして、生活保護の基準を超えてしまった

こうした理由がある場合、許可を得ることによって生活保護であっても引越しできます。

・市区町村が違っても生活保護は維持される

なお障害者の引越しでは、他の自治体を含めて引越し先を検討することがよくあります。特に障害者グループホームへの引越しでは、施設の空きが少ないので他の自治体を視野に入れるのは普通です。

このとき、他の市区町村へ引越しするとなっても生活保護は維持されます。また、支給されるお金が途切れることもありません。そのため、別の自治体へ引越しすることをためらう必要はないです。

転居費用も生活保護の住宅扶助で支給

なお新たな場所への転居費用について、障害を理由として引越しをするのであれば、引越し費用についても生活保護の住宅扶助によって支給されます。例えば、以下の理由であれば転居費用が生活保護費から出されます。

  • 障害者グループホームへ引越しをする
  • 病院の退院に伴う引越し
  • 病気の療養や身体障害に適していない物件からの引越し

本来、生活保護であっても自己都合での引越しは全額自費です。ただ知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者の場合、自身の障害を理由として引越しする人がほとんどだと思います。この場合、問題なく転居費用が出されます。

いま引越し費用がなくても、生活保護受給者であれば大きな問題はありません。住宅扶助によって転居費用が支給されるからです。

実際に生活保護で障害者が引越しをする流れ

それでは、生活保護を受けている障害者が引越しをするとき、どのような流れになるのでしょうか。一般的には、以下のようになります。

  1. 役所に相談し、許可をもらう
  2. 引越し先を決める
  3. 準備後、引越しをする

まずは生活保護を担当している役所の部署で引越しの相談をする必要があります。これにより、引越しを認めてもらえるようになります。

その後、実際に引越しをする物件を決めます。通常、生活保護受給者であれば物件探しは難しくなります。このとき障害者グループホームであれば、収入ゼロの障害者であっても空きがあれば問題なく入居できます。ちなみに、契約前に家賃や初期費用をケースワーカーへ報告する必要があります。

こうして引越し先が決まったら、引越し業者を探すことで転居作業をします。必要な荷物をダンボールに入れる必要がありますし、いま住んでいる場所が汚部屋になっているのであれば事前に片づける必要があります。

知的障害者・精神障害者は一括比較サイト利用でパニックになる

なお生活保護受給者の場合、引越し業者の利用では、最低でも3社の相見積もりが必要になります。そのため、面倒であっても複数の引越し業者に見積もりを依頼しなければいけません。

このとき身体障害者であれば特に問題ないですが、知的障害者や精神障害者が一括見積の比較サイトを利用するのはやめましょう。理由としては、ほぼ確実にパニック状態に陥るからです。

一括見積のサイトを利用すると、一気に5~8件ほどの引越し業者から電話やメールが来るようになります。こうして対処しきれなくなり、パニックへと陥ります。

健常者にとって、最安値で契約しやすい一括見積の比較サイトは優れます。一方で知的障害者や精神障害者の場合、パニック状態に陥る可能性が非常に高いため、利用しないようにしましょう。

障害者で生活保護を受けながら引越しする

生活保護の受給者で引越しをするのは問題ありません。特に知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者の場合、仕方のない理由で引越しをしなければいけない人は多いです。

行政機関の許可を得れば、生活保護受給者であっても問題なく引越しできます。このとき、自己都合の引越しは全額自費です。ただ障害者の場合、仕方のない理由に該当しやすく、その場合は転居費用も生活保護費の中から出されます。

そこで、引越しをしたい場合は事前に許可を取り、引越し先を見つけましょう。このとき知的障害者や精神障害者では、引越し業者の一括見積サイトを利用するとパニックになるため、利用を控えるといいです。

生活保護の障害者が引越しをするとき、事前に知っておくべき点があります。そこで、生活保護受給者でどのように転居・引越しをすればいいのか学びましょう。

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