障害をもつ生活保護受給者が入居し、長く生活できる施設に救護施設があります。こうした救護施設では、一時的に入居できる仕組みがあります。それが一時入所であり、緊急一時保護とも呼ばれます。
救護施設は生活保護受給者が利用するため、格安にて生活できます。必要なのは、食費や水道光熱費などの必要最低限と考えましょう。
それでは生活保護受給者が救護施設で一時入所を利用するとき、どのような点に注意すればいいのでしょうか。救護施設での一時入所・緊急一時保護について解説していきます。
もくじ
一時的に生活保護受給者を保護する一時入所
保護施設には種類があり、その中でも利用者が多い施設として救護施設があります。主に障害者が利用しており、生活保護受給者が長期にわたって救護施設内で過ごせます。
生活保護を受け取っている障害者の場合、居宅生活が困難になっている人がいます。そこで理由がある場合、一時的に救護施設を利用することで保護します。保護により、生活再建に向けた期間を設けることができます。
救護施設には、10年以上も生活している人がたくさんいます。ただ、こうした長期での施設入所ではなく、あくまでも短期で施設利用するための仕組みが一時入所・緊急一時保護です。
一時入所・緊急一時保護の利用対象者
それでは、救護施設へ一時入所・緊急一時保護する利用対象者はどのようになっているのでしょうか。一時入所の対象者は以下のようになっています。
- 精神障害者など、一時的に不安定な状態で居宅生活が困難
- 病院に入院しており、退院に向けた居宅訓練が必要
- 救護施設への入所を希望する人の体験利用
このように、障害が原因で緊急保護が必要な人だけでなく、体験利用したい人についても一時入所を利用できます。
なお、生活保護は福祉事務所が担当しています。そのため、福祉事務所が認めればその他の理由であっても救護施設への一時入所が可能です。例えばDVなどによって保護が必要な場合、緊急一時保護の対象になります。
利用期間は原則7日間
それでは救護施設で一時入所・緊急一時保護をするとして、利用期間はどれくらいになるのでしょうか。一時入所は利用期間が短く、原則として7日間の利用になります。
ただ体験利用ではなく、精神症状の悪化などによって一時入所した場合、7日間では足りないケースがよくあります。その場合、福祉事務所と救護施設が協議を行い、1か月(30日)を超えない範囲で延長することができます。
- 原則7日の利用
- 必要により30日まで延長可能
このように、いずれにしても短期間での救護施設の利用になります。
その後に住む場所を探す
なお緊急一時保護を利用して救護施設で過ごすにしても、あくまでも一時的な利用になります。そのため、居宅生活への移行に向けて準備しなければいけません。
一般的な賃貸マンション・アパートで過ごす場合、生活保護では生活扶助や住宅扶助があるため、金銭面では問題なく過ごせます。
ただ実際のところ、緊急一時保護が必要なほど重度の障害者が居宅生活へ戻るにしても、一人では生活困難なケースが多いです。その場合、障害者グループホームなどの利用を検討するといいです。複数の障害者が共同生活を行い、救護施設と同様に格安にて生活できる施設が障害者グループホームです。
障害者グループホームには介護スタッフが常にいるため、たとえ症状が重くても問題なく過ごせます。一時入所は利用期間が短いため、できるだけ早く「共同生活によって、障害者が問題なく一人暮らしできる施設」を探すといいです。
救護施設へのサービス料(施設事務費)は福祉事務所が負担
それでは実際に一時入所・緊急一時保護によって救護施設を利用するとき、利用者の費用負担はどのようになるのでしょうか。
生活保護受給者が救護施設を利用しますが、長期間の入所では利用者に対する費用負担がありません。そのため、生活保護を受けている障害者は問題なく救護施設で暮らせます。
これは一時入所・緊急一時保護でも同じです。救護施設を利用するとき、救護施設の運営に必要な人件費や事務費用として施設事務費が発生します。このとき、サービス料(施設事務費)は福祉事務所が負担し、救護施設の利用者への負担はありません。
生活保護受給者では、生活費や居住費、医療費などが無料になると知られています。そのため、救護施設へ住むために必要な費用は福祉事務所が負担してくれます。
食費や水道光熱費は利用者が負担
それでは一時入所・緊急一時保護を活用するとき、すべての費用支払いがないかというと、そういうわけではありません。救護施設にて一時入所を利用するとき、食費や水道光熱費の支払いが必要になります。
長期間、救護施設に住む場合、毎月の費用は生活扶助費によってすべて賄われます。毎月の食事代や水道光熱費、石けん・ティッシュペーパーなどの日用品を含め、これらは現物で支給されます。
ただ緊急一時保護では、救護施設に住んでいるわけではありません。そこで食費や水道光熱費について、日割りにて請求されるというわけです。
食費や水道光熱費の内訳は救護施設によって異なります。そのため費用は一律でないものの、一日あたり1500~2000円ほどになると考えましょう。
緊急一時保護を用いて救護施設を利用する
緊急で一時的に救護施設を利用し、その後の居宅生活の安定や地域生活の準備をしてもらうための制度が緊急一時保護です。一時的な入所であり、短期間ではあるものの、障害をもつ生活保護受給者は救護施設で過ごせます。
「精神障害者で症状が悪化した」「病院から退院した」「DVを受けている」など、こうした生活保護受給者で緊急にて救護施設を利用したい場合、一時入所が有効です。
なお緊急一時保護は原則7日間の利用であり、延長は30日までです。そのため、一時入所を利用中に次の住む場所を確保しましょう。
救護施設で利用できる仕組みが一時入所・緊急一時保護です。そこで急に保護が必要になった障害者について、必要であれば一時入所・緊急一時保護を活用しましょう。
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